Azure移行時に便利なツールと移行時の注意点について

近年、技術の進歩と共にIT化が推進されております。クラウドサービスの機能も充実しており、自身の管理するシステムやデータベースなどを、AzureやAWSなどのクラウドサービスに移行しようと考えている方も多いのではないでしょうか。
当記事ではオンプレミスや他クラウドサービスから、Microsoft Azureへの移行時に役立つツール「Azure Site Recovery」、「Azure Migrate」について、また移行時の注意点についてご紹介します。

Azure Migrateとは?

Azure MigrateとはMicrosoft Azureが提供するサービスのひとつで、オンプレミス環境や他のクラウドサービスで稼働しているマシンのAzure移行を補助するサービスです。

以前は仮想マシンへの移行の可能性や、その費用などを算出する評価ツールとしての機能しかありませんでしたが、現在では移行を全面的に支援する機能としてアップデートされました。
では具体的にどのような機能があるのかを見ていきましょう。

Azure Migrate: Server Assessment

サーバーを評価するツールです。
移行の準備として、オンプレミスの VMware VM、Hyper-V VM、および物理サーバーを評価することができます。

Azure Migrate: Server Migration

サーバーを移行するツールです。 VMware VM、Hyper-V VM、物理サーバー、その他の仮想マシン、およびパブリック クラウド VM を Azure に移行します。

Data Migration Assistant

Azure SQL Databaseへ移行の際、オンプレミスのSQLServerの影響で不具合を引き起こす可能性を検出するために役立つツールです。
サポートされていない機能、移行後に役に立つ新機能など、互換性について評価できます。

Azure Database Migration Service

オンプレミスのデータベースを、Azureに移行するツールです。
Data Migration Assistantを使用し評価レポートの生成されますが、その際に必要な修正を行うかどうかの決定権がユーザーに与えられます。
行うと決定し、Azure Database Migration Serviceを使用することで、必要な手順が実行され、移行が自動で行われます。

Movere

サーバーを評価するツールです。

Web App Migration Assistant

オンプレミスの Web アプリに関して、評価、および移行するためのツールです。

Azure Data Box

大量のオフラインデータをAzureへ移行するためのツールです。

Azure Site Recoveryとは?

Azure Site Recovery(ASR)とは、バックアップサイトをAzure上で提供し、災害時の迅速な復旧を支援するための機能です。
日本は災害が多い国ですので、ディザスターリカバリーは日本企業の課題のひとつと言えます。
ディザスターリカバリーとは、災害による被害からの復興、あるいは被害を最小限にとどめるという意味であり、IT業界でのディザスターリカバリーは、データの保管と復旧がメインです。

データの保管と復旧には「アーカイブ」「バックアップ」「レプリケーション」の3つの手段がありますが、Azure Site Recoveryではレプリケーションをメインとした機能です。
レプリケーションとは、サーバーのデータをリアルタイムで別サーバーにコピーすることで、その地点までのデータしか保存しないバックアップとは異なり、ロスが発生しません。(現状のデータに間違いがあってもそのまま同期されますが)
このAzure Site Recoveryを応用し、オンプレミスからクラウド環境へ移行することができます。

しかし、現在では上記のAzure Migrateがオンプレミスからクラウド環境への移行を強力にアシストしているため、今後こちらで環境移行を行う方法は減少していくでしょう。

オンプレミスからAzureへ移行する際の注意点

Azureに限らずオンプレミスからクラウド環境へ移行するにはいくつか注意しなければいけないことがあります。
まず既存のシステムがクラウド環境では要件を満たせない可能性があることです。移行しようと考えているシステムを運用するには移行予定のないシステムが必要であった、といった可能性は十分にあります。
移行途中、あるいは移行後に気づいてしまうと、大変な手間となりますので、移行前にそういったことのないよう社内システムの洗い出しが非常に重要です。

次にセキュリティ対策です。
クラウドサービスを提供している会社では当然セキュリティも強固なものとなっておりますが、顧客の個人情報や企業の機密情報などをクラウドへ移行してしまうと、インターネットでつながっている以上100%の安全はありません。
そういった情報は自社で対策を組んだ上で取り扱ったほうがよいでしょう。

終わりに

以上がAzureへ移行する際に便利なツールと移行時の注意点についての紹介となります。
クラウドサービスへの移行は、自社のタスクが減ることは確かですが、メリットばかりではないため、移行には慎重にプランを練り、自社のシステムの洗い出しが重要です。
完全にクラウドサービスに移行するのではなく、ハイブリッドクラウドという形態をとっている企業も多いため、クラウドとオンプレミス、それぞれのメリット、デメリットの見極め、またそれらと自社のすり合わせを行っていきましょう。

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