Azureの冗長性とは?大事なデータを障害から守ります

Azureのオプションには冗長性という項目が存在します。
日常的に使う言葉ではないので意味が分かりにくいですが、実はAzureを安心して使いうために非常に重要な物です。どれを選択するかによって機能や価格が大きく変わってきます。今回はこの冗長性とは何か、そしてAzureにおける使い方について解説します。

冗長性とは?

冗長性とは余分な物、重複しているという意味の言葉で、IT用語としての意味は障害耐性を高めるためにシステムを二重化し常にバックアップがあるような状態の事を指します。

稼働中のシステムに障害が発生した場合、予備のシステムに切り替える事により損失を抑え、素早く復帰する事が出来ます。
例えば、データセンターを離れた土地に設置している事により、どちらかが災害などで被害を受けシステムが停止した際、同期しているもう片方のデータセンターをメインに切り替え、データが失われずすぐに開発を再開出来るというような有事の際の保険として活用できます。多くの人が利用するAzureの可用性を高めるために重要を果たしています。可用性とは継続稼働ができることを指し、復旧が早いなど耐障害性に強い状態の事です。

Azureにおける冗長性

AzureStorage

AzureではAzure Storageにて冗長性オプションが選択出来ます。Azure StorageとはMicrosoftが提供するクラウドストレージサービスです。
オブジェクトストレージやファイルストレージなどの複数の種類のストレージが提供されており、用途や使用方法はストレージの種類によって異なります。

リージョンとゾーン

「リージョン」とはクラウドサービスにおいて、データセンターを設置している独立した地域の事を指します。更に、リージョン内に設置されている独立したインフラの運用区画を「可用性ゾーン」または「ゾーン」と言います。リージョンやゾーンを分散してシステムを構築する事により、可用性を高めます。

リージョンペア

Azure Storageのリージョンは、対になるもう一つのリージョンが設定されています。
可用性ゾーンは物理的に独立はしていますが、比較的隣接する物理的地域に設置されている場合が多いです。一方、ペアになっているリージョンは少なくとも300マイル以上離れた場所に設置されており、災害などにより片方のリージョンに甚大な被害を受け、停止したとしても、ペアのリージョンがある事により、アプリケーションを保護する事が出来ます。

メインで使用するリージョンを「プライマリリージョン」、サブで使用するペアリージョンを「セカンダリリージョン」と言います。

冗長性オプションの種類

ローカル冗長:LRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にデータのコピーが3つ作成される
・データセンターに障害が起きるとデータを利用出来なくなる

ゾーン冗長:ZRS
・プライマリリージョン内の3つのゾーンにぞれぞれに1つコピーが作成される
・1つのゾーンに障害が発生しても利用可能

geo冗長ストレージ:GRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にローカルコピーを3つ作成後、セカンダリリージョンに3つをコピー
・離れた場所で管理される為、自然災害などの重大な障害が発生しても利用可能

geoゾーン冗長ストレージ:GZRS
・ライマリリージョン内の3つのゾーンにぞれぞれに1つコピーが作成後、全てをセカンダリリージョンにコピー
・最も安全性が高い

セカンダリリージョンのデータへのアクセス

geo冗長ストレージ(GRSまたはGZRS)は、リージョン障害から保護するために、セカンダリリージョンにデータをレプリケートします。
ただし、そのデータが読み取れるのはプライマリリージョンからセカンダリリージョンへのフェールオーバーを開始した場合だけとなり、通常セカンダリリージョンへ直接のアクセスは出来ません。
以下はセカンダリリージョンからの直接の読み取りが可能なgeo冗長ストレージの派生オプションです。

読み取りアクセスgeo冗長ストレージ:RA-GRS
・geo冗長ストレージ(GRS)のセカンダリリージョンへのアクセスを有効にした状態

読み取りアクセスgeoゾーン冗長ストレージ:RA-GZRS
・geoゾーン冗長ストレージ(GZRS)のセカンダリリージョンへのアクセスを有効にした状態

まとめ

今回はAzureにおける冗長性について解説しました。
世界中で利用される大規模なクラウドサービスを有用する上で、冗長性欠かせないものです。ユーザーの大切なデータを守るため、不測の事態を想定して万全の対策をしてくれています。実際に使用する際には、選択するオプションによって料金が大きく変わってきます。
利用状況や予算から適切なオプションを選択して活用してみて下さい。Microsoftの公式HPには料金の計算ツールがありますので、そちらで料金を試算してみるのもオススメです。

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