Microsoft Azureで提供されるEAとCSPの違い

Azure Enterprise AgreementとAzure Cloud Solution Provider

この記事では、Microsoft Azureにおいて提供される2つのサービス、EA(Enterprise Agreement)とCSP(Cloud Solution Provider)について、どのようなサービスなのか、どういった違いがあるのか、といった内容について説明していきます。

Azure EAとは

Azureとは、Microsoft社が提供するクラウドサービスの集合体であり、様々なサービスの中から自身の必要とするサービスを選択して利用することが可能です。基本的に料金は従量課金制であり、使用した分だけ料金がかかる形態ですが、用途や目的、利用頻度に合わせて様々な契約プランが用意されています。一番基本的なプランは、個人で契約が可能であり、基本的に利用した分だけ支払いを行う必要がある従業課金プランです。その他のプランとしては、Azure院オープンプランやAzure EA、Azure CSPなど様々な契約プランがあります。

Azure EAはMicrosoft社が認定したLSP(Licensing Solution Partner)を通して3年間の使用料金の見積もりをあらかじめ算出し、契約を行うプランです。このプランの特徴は、Azure製品の利用権であるライセンスがボリュームライセンスであり、パッケージ版のように1つのマシンに1つの製品をインストールするような形ではなく、1つの製品に複数のライセンスが付与されるため、組織でまとめてライセンスを購入し、会社規模で利用状況などの管理を行いたい場合には最適なプランとなります。しかし、EAの契約にはいくつか制約があります。最も目立つ制約としては従量課金プランと比較して、こちらは3年間の利用料金を前払いで一括購入しなければいけません。前払いした料金を超過して利用を行った場合は超過分を請求されることとなりますが、利用料金を超過した翌月に発注を行う必要があります。どれだけAzureを利用するか不透明な状態では、このプランを採用するのは躊躇われます。契約を行った料金に対してAzureで利用可能なクレジットがついてきますが、製品の割引などは無いためその点にも注意が必要です。他の制約としては、Office 365などの製品においてEA契約を締結済である、といった購入前に満たしておく条件があることです。突然EA契約を結びたい!と思っても購入条件を満たしていない可能性があるためこの点にも注意が必要となります。

Azure CSPとは

Azure CSPとは、Cloud Solution ProviderというMicrosoft社に販売代理店として登録された企業を通してAzure製品の利用を行うプランです。支払いの方法は基本的に従量課金制で、使用した分だけ支払いを行う必要が生じます。Directパートナーと契約する方法、InDirectパートナーと契約したリセラーと契約する方法の2つがあります。Directパートナーと契約する方法では請求金額の管理やユーザーの管理など、Azureに関する一切のサポート行ってくれる1社のみと契約を行う方法です。Azureに関する問い合わせや業務のサポートをすべて1社で担ってくれます。対してInDirectパートナーと契約したリセラーと契約を行う方法では、複数のパートナーと契約を行う必要があります。契約やパートナーの管理が煩雑になる反面、技術面や構築におけるサポートとユーザー管理や請求金額面でのサポートなど、それぞれ分担してサポートを行ってもらえるため、それぞれの組織が得意とするサービスに特化してサポートを受けられる、といったメリットもあります。まとめると、Azure CSPは仲介業者を通してAzureの購入を行うことで、それ以降様々なサポートを仲介業者から受けることが出来るプランと言えます。

EAとCSP。2つのサービスの違いとは

EAとCSPは共にAzureの契約プランの1つです。それぞれについてはここまで説明していきましたが、大きな違いとしては支払い方法、支払先の違いです。EAでは契約先はあくまでMicrosoft社であり、3年間の利用に関する事前契約を行い、その料金を前払いすることになります。対して、CSPはAzureのクラウドサービスを再販できる新しい販売モデルですので、契約先はCSPとなり、月に使用した料金を従量課金制でCSPに支払うこととなります。また、この2つを分けるもう一つの大きな違いとして、それぞれのプランを選択した際に受けられるサービスの違い、メリットの違いが挙げられます。EAは組織単位で製品の購入、管理を行いたい場合には最適なプランではありますが、Azure環境の構築や技術面でトラブルに遭遇した際には基本的に自分で対処を行う必要があります。対して、CSPでは契約したCSPからサポートを受けられるものの、Azure製品を大量のマシンで使用することを想定した場合、コストが非常にかかってきます。それぞれにメリットはあるものの、ご自身の利用環境をよく考慮した上で慎重にプランを選択する必要があります。

終わりに

ここまでお読みいただきありがとうございます。いかがだったでしょうか。今回はEAとCSPの2つのプランに絞って紹介させていただきましたが、Azureの契約プランは他にも多くあります。どのプランで契約される場合も、ご自身の利用環境を加味した上で十分検討する必要があります。この記事がAzureの利用を検討する際の一助となりましたら幸いです。

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