企業活用から見る、Azureの強みについて

◎企業でクラウドサービスの活用が増えている背景とは?

近年IT化が進み、ITインフラとしてクラウドサービスの利用が広がっています。それらの背景として、企業内の業務効率化やクラウドを基盤にしたビジネスの価値向上、AI(人工知能)、IoTなどの技術を活用した「新たな価値の創造」として、社会の意識が変化している事が考えられます。つまりビジネス環境の変化速度が上がり、オンプレミスでITインフラを構築するだけでは、このような社会の変化に即座に対応しにくい事が挙げられます。

◯Azureを活用するメリット

では数あるクラウドサービスの中でAzureが選ばれるのか、またその強みについてご紹介します。

◆高い信頼性

この高い信頼性の理由の一つとして、Azureのリージョンが関係しています。現時点(2020年7月)では世界で約60リージョン、国内では東日本リージョンと西日本リージョンがあります。

Azureを利用する事で、東日本リージョンに保管していたデータやファイルを、西日本リージョンでバックアップする事も簡単に出来ます。規模によっては、海外に拠点を持っている企業もありますが、その場合でも海外のリージョンにデータやファイルを保存する事も可能です。これは企業の課題であるBCP(事業継続計画)対策に有効です。

◆Microsoft製品との連携

世界中でもWindows、Microsoftの製品を使用している企業がたくさんあります。Azureは、ご存知の通りMicrosoft社の製品の一つになります。そのため、Azureの他に提供されているOffice製品との連携や、SharePointのようなアプリケーションからの移行がスムーズに行う事が出来ます。

また、Microsoft社は世界的に強大なネットワークを保有しているため、グローバルなサービス展開やVDI環境で効果を発揮する事が出来ます。

◆オンプレミス からの移行

企業のオンプレミス環境からクラウド環境へ移行する場合、すぐに全ての環境を移行することは出来ません。その為、オンプレミスとクラウドを併用するハイブリット環境となります。ハイブリット環境では認証基盤がとても重要になりますが、これまで構築したAD(Active Directory)環境を基盤に、Azure ADを用いてクラウド上に認証機能を拡張出来ます。更に、アクセス元がインターネットの場合は2要素認証をかけるなど、高度な認証基盤の構築でもAzure ADは対応する事が可能です。

また、Azureはオンプレミスサーバーとの親和性が高い事が特徴と言えます。ファイルサーバーをAzureへ移行する事を例として考えてみます。この際、Azure上で提供されるファイル共有サービスで、インターネット経由でどこからでも同時アクセスする事が出来ます。またSBMプロトコルを利用しているため、オンプレファイルサーバーから移行する時も、アプリケーションの互換性を気にする事なく活用する事が可能です。

◎Azureの活用事例について

では実際に企業がAzureを活用した事例をご紹介します。

① 富士フィルムソフトウエア株式会社:IMAGE WORKSの開発

富士フィルムソフトウエア株式会社はメディカルやイメージングの領域を中心とした、先進的なソフトウェアやサービスを開発・運用をされている企業になります。今回Azureの活用事例として紹介させて頂くのは、法人向けのファイル管理・共有サービスである「IMAGE WORKS(イメージワークス)」です。このIMAGE WORKSでは、類似画像検索機能の追加をリリースすることを目的として「Azure Cognitive Search」が活用されました。

【Azure Cognitive Search】

Azure Cognitive Searchは、Webやモバイル、アプリケーションなど異なるコンテンツに検索機能を追加するためのインターフェイスです。データを効率よく柔軟に分析、検索する事が出来ます。

② 札幌テレビ放送:映像編集のクラウド化

デジタル放送や3Dテレビ、ドローンによる撮影など、TVに関する技術は年々進化しています。また、番組をつくる作業においても先進的なITが活躍しています。札幌テレビ放送が全国の放送局に先駆けて取り組み始めたのは、Azureを基盤にした映像編集のクラウド化です。北海道で行う遠方取材では、人員と機材の移動がネックにありました。そこで、映像素材をすぐにクラウドストレージに保存し、Azure上に構築した編集システムを使用されています。そうすることで、現場にいるディレクターと本社にいるエディターが、ほぼ同タイミングで作業をする事が出来るようになりました。その為、このソリューションによって番組制作の人員とコストの最適化が可能になったとのことです。

◎まとめ

Azureの需要が増えている背景や、実際の企業での活用事例をご紹介しました。これからの社会は、企業内の業務効率化やクラウドを基盤にしたビジネスの価値向上、AI(人工知能)、IoTなどの技術を活用した「新たな価値の創造」が求められます。これからの未来に向けて、この機会にAzureの活用を検討されてみてはいかがでしょうか。

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