Azureは地方自治体に有効!〜Azureを使った地方自治体の事例について〜

◎ はじめに

近年IT化の影響でクラウドサービスが急速に普及しており、企業の規模に問わず様々なビジネスシーンにおいて活用されています。それは企業だけではなく地方の自治体においても、コスト削減や行政業務の効率化などを目的に「自治体クラウド」の推進が行われています。しかし法的リスクや監督官庁からの監査の対応の可否などが理由で、一般企業に比べて活用が進んでいないのが現状です。そこで今回はMicrosoft社製品のAzureを使った「地方自治体向けMicrosoft Azure対応セキュリティリファレンス」、及び自治体で活用されたAzureの事例についてご紹介します。

◯ 地方自治体向けクラウドサービス対応セキュリティリファレンスとは?

まず一般企業に比べて活用が進んでいないのが現状を基に、地方自治体のクラウドサービスの活用促進を目的として、クラウドサービスの対応状況を確認・整理しました。それを「地方自治体向けクラウドサービス対応セキュリティリファレンス」と呼びます。調査は、日本ビジネスシステムズ株式会社と株式三菱総合研究所が実施されています。確認・整理済みのクラウドサービスとして、「Microsoft Azure」、「Office 365」、「Oracle Cloud」があります。それぞれ簡単にご紹介します。

◆ Microsoft Azure版

「地方自治体向けMicrosoft Azure対応セキュリティリファレンス」は、日本マイクロソフト株式会社のクラウドサービスである「Microsoft Azure」に関して、地方自治体の職員等がIaaS(仮想マシン)や一部のPaaS(Cloud Services、SQL Datebase、Azure Active Directory)のサービスを利用することを想定して、調査したものになります。

◆ Office 365 版

「地方自治体向けOffice 365 対応セキュリティリファレンス」は、日本マイクロソフト株式会社のクラウドサービスである「Office 365 」に関して、地方自治体の職員等が電子メール機能(Exchange Online)及びファイル共有機能(SharePoint)を利用することを想定して、ガイドラインの各項目の対応状況を調査したものになります。

◆ Oracle Cloud版

Oracle社のクラウドサービスである「Oracle Cloud」に関して、内閣サイバーセキュリティセンター「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(平成30年度版)」の各項目の対応状況を調査したものになります。

◯ 自治体で活用されたAzureの事例

では次に実際に地方の自治体で活用されているAzureの事例についてご紹介していきます。※Microsoftのお客様事例よりピックアップしています。

① 埼玉県戸田市:「AIスタッフ総合案内サービス」

人口減少や高齢化が進む日本社会において、地方自治体はより効率的で効果的な行政サービスを提供する事が求められています。そんな中いち早く、埼玉県戸田市は人工知能(AI)を活用した総合案内サービスの提供を開始しました。

【AIスタッフ総合案内サービスについて】

※埼玉県戸田市の公式サイトより

このサービスは上記の画像のとおり、住民からの問い合わせに対してチャットボット形式で受け、AIがそれに合った回答をするというものです。実に1,500件以上のQ&Aが標準提供されており住民からも便利だと高い評価を受けているサービスです。これだけの数をチャットボットで対応できた事は、市の職員の負担が軽減され市民も気軽に行えるとして注目されています。このような画期的なサービスは、Azureによって開発されています。

【Azureが選ばれた理由について】

2017年11月に開発作業が始まり、2018年2月に実証実験開始というわずか3ヶ月しかない中で、Azureが選ばれた理由は以下の通りです。

・クラウド基盤としてPaaS機能が豊富にラインアップされているため

・Microsoft Visual Studioから直接でデプロイ出来る事

・開発環境と統合されたDevOps環境を実現しやすいため

このようにAzureが提供する複数のPaaS機能を活用した事で、短期的な開発の実現に貢献しています。

② 石川県加賀市:「スノプロアイ」

既存産業も守りつつ、先進的な取り組みを進め新たな産業を生み出そうとして、石川県加賀市はIoTを中心とした先端テクノロジーへの取り組みを積極的に進めています。その一環として、IoT技術を活用した除雪車運行管理をする「スノプロアイ」が北菱電興株式会社によって開発されました。

【スノプロアイについて】

冬の季節になると石川県加賀市は多くの雪が降り、大雪に見舞われる事があります。そんな時に大雪が降り除雪が追いつかず、「今どこを除雪しているのか」という情報をリアルタイムで把握する事が難しいという課題があったそうです。そこで開発されたのが、「スノプロアイ」です。「スノプロアイ」はGPSが搭載されており、ピンポイントで除雪車の位置を把握する事が可能です。また除雪作業の時間などの報告を効率化する事が出来ます。そのため、リアルタイムで除雪車運行状況把握と報告の自動化が可能になりました。

【Azureが選ばれた理由について】

Azureでの開発が採用された理由としては以下の通りになります。

・AzureにはSDKが多く開発環境に適していたため

・開発したアプリケーションをDevOpsで簡単に本番環境へと展開出来るため

・Azure IoT Hubを利用する事で数多くのデバイスのサポートやデータの管理を容易に出来るため

Azureのような最新テクノロジーの活用は今後必然的な流れであり、地方自治体も積極的な取り組みをしていく事が大切だと考えられます。

◎ まとめ

Microsoft社製品のAzureを使った「地方自治体向けMicrosoft Azure対応セキュリティリファレンス」、及び自治体で活用されたAzureの事例についてご紹介して参りました。これからの時代、クラウドサービスによるコスト削減や行政業務の効率化を求められます。事例でも紹介した通り、地方自治体で使われるシステムにAzureを利用する事で多くの利点が得られます。是非この機会に一度Azureの導入をご検討してみてはいかがでしょうか。

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