Azureのコストを見積もる際のポイント〜契約形態・サービスの種類・リージョンから考える〜

◎Azureのコストを見積もる際のポイント

Azureによるクラウドサービスは年々使われる事も増え、個人や企業で利用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。そんな時にネックになる事が利用コストです。利用料によって料金が決まるAzureでは、コストを見積もる上で重要なポイントが幾つかあります。そこで中でも料金に影響を与える要素として、「Azureの契約の種類・利用するサービスの種類・リージョン」を取り上げながらAzureのコストについて一緒に考えていきましょう。

◯Azureの契約の種類について

Azureを使用するにも、契約の種類が多くて何を選んだら良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。そこでAzureの主要な契約の種類をご紹介していきます。主に取りあげる契約形態は以下の3つです。

・従量課金制

・エンタープライズ契約(Enterprise Agreement : EA)

・クラウドソリューションプロバイダー(Cloud Solution Provider : CSP )

◆ 従量課金制

この契約の種類は、名前の通り利用した分だけ支払うといったAzureの契約形態の中で最も標準的なプランです。決められた月額料金等はなく、サービスを使った分だけの料金を支払う仕組みになっているので、初期費用を気にせずに自分でサービスを選択できる利点があります。Microsoft Azureの公式Webサイトから直接申込が可能で、個人・法人問わず購入する事が出来ます。またAzureには、これから利用する予定のサービスの料金が幾らかになるかを調べるのに役立つ「料金計算ツール」が用意されています。従量課金制であるからこそ、コストのマネジメントを自分自身でしっかりと管理する必要性があります。その為、しっかりと料金計算ツールで確認したほうが良いでしょう。

◆ エンタープライズ契約(Enterprise Agreement : EA)

エンタープライズ契約(Enterprise Agreement : EA)は、各社が全社単位で結ぶ契約となっています。そのためこの契約の種類としては、法人契約のみになります。基本的には、1社ごとに1契約で契約期間は3年で支払いは1年ごとに請求されます。利用した分だけ支払うといった従量課金制の仕組みと異なり、この契約は予め金額を決めての購入になります。金額の範囲を超えてAzureのサービスを利用した場合は、追加料金が発生するので注意が必要です。

◆ クラウドソリューションプロバイダー(Cloud Solution Provider : CSP )

これもエンタープライズ契約と同様に、1社1契約の法人契約の種類です。購入形態は一緒ですがエンタープライズ契約と異なる点として、クラウドソリューションプロバイダーは利用した分だけ料金が発生する従量課金制である事です。利用した分の料金は請求書払いで翌月支払います。

◯サービスの種類

料金は仮想マシンやデータベース、AI + 機械学習など利用するサービスごとによって決まっています。1つのサービスでに利用するコンピューティングリソースの種類やサイズによって料金が異なります。つまり、どれを選ぶかどのように利用するかでコストは変わってきます。

◆Virtual Machines(仮想マシン)

Virtual Machinesのコストを料金計算ツールで算出してみました。なお、Virtual Machinesの性能としては以下の通りとします。

・リージョン:東日本

・オペレーションシステム:Windows

・タイプ:OSのみ

・レベル:Standard

・オプション:従量課金制、ライセンス込み

※またサービスによっては一定の利用を事前予約する事で、割引を受ける事が出来ます。Virtual Machines(仮想マシン)では、1年予約で約63%の割引、3年予約で約75%の割引があります。

◆App Service

App Serviceのコストを料金計算ツールで算出してみました。なお、App Serviceの性能としては以下の通りとします。

・リージョン:東日本

・オペレーションシステム:Windows

・レベル:Standard

◯リージョン

Azureでは、利用するリージョンによってコストが異なります。例えば、東日本リージョンと米国中部リージョンで同一性能の仮想マシンを稼働させた場合、発生するコストは同じではありません。また、リージョンによってAzureからの送信データ量ごとのコストも異なってきます。Azureでは同一価格帯のリージョンを「ゾーン」と呼ばれるグループで分類しています。ゾーンは4種類あり、国内の東日本リージョン・西日本リージョンは「ゾーン2」に属しています。

例:Virtual Machines(仮想マシン)

例として、Virtual Machines(仮想マシン)のサービスを米国中部リージョンと東日本リージョンで比べてみます。

※リージョン以外のスペックは一緒です。(リージョン:東日本、オペレーションシステム:Windows、タイプ:OSのみ、レベル:Standard、・オプション:従量課金制、ライセンス込み)

【米国中部リージョンの場合】

【東日本リージョンの場合】

◎まとめ

Azureのコストを見積もる際のポイントとして、「Azureの契約の種類・利用するサービスの種類・リージョン」についてご紹介しました。Azureを利用するにあたって、コストを考えることは本当に重要なので、料金計算ツールや契約形態について調べておくことをお勧めします。この記事が少しでもコストを見積もる際に役に立てたなら幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です