Azure リージョン一覧と料金、製品の違い

はじめに

皆さんはAzureを導入する際、または導入を考えた際、リージョンという単語を目にしたことはないでしょうか?Azureを利用するにあたって様々なデータを保管する場所が必要ですよね。そのデータを保管してくれるのがリージョンと呼ばれる、各地のデータセンターです。世界中にデータセンターを保有しているAzureはリージョンによって提供される製品、ゾーン(リージョンの塊のようなものです。)によって料金が変わります。ここではリージョンを一覧に並べ、ゾーンへ仕分け、さらに料金の違いや国内のデータセンターについて調べたことをまとめていきます。

リージョン一覧

日本リージョン

・東日本 東京、埼玉

・西日本 大阪

米国リージョン

・米国中部 アイオワ州

・米国東部 バージニア州

・米国東部 2 バージニア州

・米国中北部 イリノイ州

・米国中南部 テキサス州

・米国西部 カリフォルニア州

・米国西部 2 ワシントン州

・米国中西部 ワイオミング州

中国リージョン ※対象は中国にビジネスの拠点を持つ組織のみ

・中国東部 上海

・中国東部 2 上海

・中国北部 北京

・中国北部 2 北京

韓国リージョン

・韓国中部 ソウル

・韓国南部 釜山

ヨーロッパリージョン

・北ヨーロッパ  アイルランド

・西ヨーロッパ  オランダ

フランスリージョン

・フランス中部 パリ

・フランス南部 マルセイユ ※対象は国内でのディザスタリカバリを必要とするフランス中部のユーザー

ブラジルリージョン

・ブラジル南部 サンパウロ州

ノルウェーリージョン

・ノルウェー東部 オスロ

・ノルウェー西部 スタバンゲル ※対象は国内でのディザスタリカバリを必要とするノルウェー東部のユーザー

ドイツリージョン

・ドイツ北部 (パブリック) ベルリン ※対象は国内でのディザスタリカバリを必要とするドイツ中西部 (パブリック) のユーザー

・ドイツ中西部 (パブリック) フランクフルト

ドイツリージョン(Azure Germany)

・ドイツ北東部 (ソブリン) マクデブルク

・ドイツ中部 (ソブリン) フランクフルト

スイスリージョン

・スイス北部 チューリッヒ

・スイス西部 ジュネーブ ※対象は国内でのディザスタリカバリを必要とするスイス北部のユーザー

カナダリージョン

・カナダ中部 トロント

・カナダ東部 ケベック シティ

オーストラリアリージョン

・オーストラリア中部 キャンベラ

・オーストラリア中部 2 キャンベラ ※対象は国内でのディザスタリカバリを必要とするオーストラリア中部のユーザー

・オーストラリア東部 ニュー サウス ウェールズ州

・オーストラリア南東部 ビクトリア州

インドリージョン

・インド中部 プネー

・インド南部 チェンナイ

・インド西部 ムンバイ

イスラエルリージョン

・イスラエル中部 イスラエル

イギリスリージョン

・英国南部 ロンドン

・英国西部 カーディフ

アラブ首長国連邦リージョン

・アラブ首長国連邦中部 アブダビ ※対象は国内でのディザスタリカバリを必要とするアラブ首長国連邦北部のユーザー

・アラブ首長国連邦北部 ドバイ

アフリカリージョン

・南アフリカ北部 ヨハネスブルグ

・南アフリカ西部 ケープタウン ※対象は国内でのディザスタリカバリを必要とする南アフリカ北部のユーザー

アジア太平洋リージョン

・東アジア 香港特別行政区

・東南アジア シンガポール

Azure Government(アジュール ガバメント) ※対象は米国政府機関とそのパートナーのみ

US DoD 中部 アイオワ州

US DoD 東部 バージニア州

US Gov アリゾナ アリゾナ州

US Gov アイオワ アイオワ州

US Gov テキサス テキサス州

US Gov バージニア バージニア州

US Nat East 非公開

US Nat West 非公開

US Sec East 非公開

US Sec West 非公開

近日提供予定リージョン(2020年7月現在)

メキシコリージョン

・メキシコ中部 ケレタロ州

スペインリージョン

・スペイン中部 マドリッド

カタールリージョン

・カタール中部 ドーハ

ポーランドリージョン

・ポーランド中部 ワルシャワ

ニュージーランドリージョン

ニュージーランド北部 オークランド

イタリアリージョン

イタリア北部 ミラノ

少しだけ用語の説明

ディザスタリカバリ

ディザスタリカバリは直訳すると「Disaster(災害)」「Recovery(回復)」となり、災害時のシステム障害に備えた考えや行動のことを指します。

Azure Governmen

Azure Governmenは「米国政府用に特別に構築された唯一のハイパースケールクラウド」です。連邦政府の閣僚レベルの機関をはじめ、陸海空軍、海兵隊など連邦、州および地方の政府機関内にサービスを提供しています。

Azure Germany

欧州連合 (EU)、欧州自由貿易連合 (EFTA) 加盟国、イギリス (UK) で事業を展開しているユーザーのみ利用可能なリージョンで、より高いレベルの制御とデータ保護を備えています。

ゾーンによる料金の違い

世界中のリージョンを一覧にしてみるとかなりの数ですよね。Azureでは様々な要因で料金が変わってきます。上記の一覧に挙げたリージョンは3つ+1つのゾーンに分けられて料金が変わりますので、以下にゾーン一覧として並べてみます。

ゾーン1

米国リージョン

ヨーロッパリージョン

フランスリージョン

ノルウェーリージョン

ドイツリージョン(ドイツ北部 (パブリック) ベルリン、ドイツ中西部 (パブリック) フランクフルト)

スイスリージョン

カナダリージョン

オーストラリアリージョン(オーストラリア中部 キャンベラ)

ゾーン2

日本リージョン

韓国リージョン

オーストラリアリージョン(オーストラリア東部 ニュー サウス ウェールズ州、オーストラリア南東部 ビクトリア州)

インドリージョン

アジア太平洋リージョン

ゾーン3

ブラジルリージョン

アラブ首長国連邦リージョン

アフリカリージョン

ドイツ ゾーン1(Azure Germany)

ドイツ中部 (ソブリン) フランクフルト、ドイツ北東部 (ソブリン) マクデブルク

コストと補足

このようにゾーンが分けられているのですが、一体どのゾーンが一番低コストなのでしょうか。価格計算ツールを使って調べてみたところ

低コストNo.1 ゾーン1

サンプル 米国西部 5 GB – 10 TB 2/月 ¥9.744/GB

No.2 ドイツリージョン(Azure Germany)

サンプル ドイツ中部 5 GB – 10 TB 2/月 ¥11.200/GB

No.3 ゾーン2

サンプル 東日本 5 GB – 10 TB 2/月 ¥13.44/GB

No.4 ゾーン3

サンプル ブラジル南部 5 GB – 10 TB 2/月 ¥20.272/GB

と、ゾーン1が最も低コストであり、ゾーン3が最も高コストでした。(通貨は日本円です。)

補足となりますが、特定のユーザーしか利用できない中国リージョンとAzure Governmenに属しているデータセンターはゾーンに含まれていないようです。

日本リージョンに提供されている製品

日本のデータセンター2箇所でも提供される製品には違いがあります。全ての製品において、これができるあれができないと言ってしまうと書いても書いても切りがないのでAI + 機械学習、分析、データベース、ストレージ、セキュリティの製品をピックアップし、数で比べていきます。

東日本

AI + 機械学習 38製品中18製品の提供+1製品提供予定

分析 17製品中 11製品の提供 +1製品提供予定

データベース 12製品中 11製品の提供

ストレージ 22製品中 14製品の提供 +2製品提供予定

セキュリティ 12製品中 7製品の提供

西日本

AI + 機械学習 38製品中 13製品の提供 +1製品提供予定

分析 17製品中 8製品の提供 +1製品提供予定

データベース 12製品中 11製品の提供

ストレージ 22製品中 6製品の提供

セキュリティ 12製品中 7製品の提供

国内2箇所にデータセンターがあるメリット

提供されている製品については上記のようになっています。全ての製品一覧に一通り目を通してみましたが西日本で提供されている製品は全て東日本でも提供されているようです。これだけ見ると東日本リージョンだけあれば良いような気がしますが、国内2箇所にデータセンターを置くことでデータのバックアップや災害時のサポート、通信遅延の解消などメリットがたくさんあります。

おわりに

ここまでリージョン一覧、ゾーン一覧、料金、製品についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか。ずっと同じような文字続きでかなり目が疲れたと思います。お疲れ様でした。基本的に日本での導入は国内リージョンを選択することがほとんどでしょう。しかし海外の事情も知っていて損はありませんよね。日本は他国に比べ、クラウド化が進んでいないのでこれから先、クラウドがもっと普及すれば提供される製品も桁違いに多くなるはずです。国内のリージョンに依存すれば今現在は使えない製品も多いですが、いつか来るであろう日のために知識を蓄えることが重要になってきます。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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