Azure ストレージアカウントとは?

Azure Storageについて

「Azure Storage」とはMicrosoft社の提供している高可用性、スケーラビリティ、耐久性、冗長性を備えたストレージサービス(IaaS/PaaS)です。Azure Storageでは様々な種類のストレージの提供を行っています。Azure Storageを使用するためには「ストレージアカウント」の作成が必要になります。

 

 

ストレージアカウントについて

ストレージアカウントとは、Azure Storageの管理単位です。ストレージアカウントを通じて各種ストレージサービスにアクセスが可能になります。Azure StorageのストレージサービスにはBlob(Binary large object)・Files・Queue・Tableの4種類のストレージ機能があります。

ストレージ機能

<Azure Blob Storage>

Blobとは「Binary Large Object」の略です。「オブジェクト」と呼ばれる単位で管理され、大容量のバイナリデータを格納するための非構造化データ格納サービスです。HTTP/HTTPS経由でアクセスすることができます。Blobには下記3種類が用意されており、目的に応じて選択可能です。

・ページBlob
仮想VHDファイルの格納に使用されます。8TBまでのファイル保存に利用可能です。
・ブロックBlob
個別管理可能なデータブロックで構成されています。4.7TBまでのファイル保存に利用可能です。
・追加Blob
ブロックBlob同様に個別管理可能なデータブロックで構成されています。ログや監視ファイルなど追記的に記録されるような追加操作に特化しています。

<Azure Files Storage>

クラウド・オンプレミスのデブロイ用のサーバーメッセージブロック(SMB)プロトコルを利用したファイル共有ストレージです。

<Azure Queue Storage>

アプリケーションコンポーネント間の信頼性の高いメッセージングのためのメッセージ格納サービスです。キューの1つのメッセージ最大サイズは64GB、ひとつのキューにはストレージアカウントの上限容量まで数百万のメッセージを格納可能です。

<Azure Table Storage>

NoSQLの非構造化データをクラウド内に格納するサービスです。
スキーマレスな分散型Key-Valueストアを提供しています。

ストレージアカウントのパフォーマンス

ストレージアカウントでは「Standard(HDD/SSD)」と「Premium(SSD)」の2種類のパフォーマンスレベルが用意されています。目的によって選択可能でそれぞれサポートする機能・価格が異なります。

「Standard」
パフォーマンス面で制約はありますがコスト効率に優れているのが特徴です。大容量のデータの格納、アクセス頻度の低いデータに向いています。使用量(ディスクサイズ)、トランザクション量、送信データ転送回数などに応じて課金が行われます。
「Premium」
高いIOPSとスループット、高速データアクセスが提供されているのが特徴です。ディスクサイズのプランに応じた課金が行われます。

ストレージアカウントの種類

ストレージアカウントには大きく分けて「汎用ストレージ」と「Blobストレージ」があります。

<汎用ストレージ>

あらゆるタイプのデータで使用可能

・汎用v1
従来のBlob・Files・Queue・Table・Disk用アカウントです。最新機能については利用できない場合があります。汎用v2アカウントにアップグレードすることが可能です。
・汎用v2
最新機能がサポートされ、汎用v1とBlobストレージアカウントの全ての機能が組み込まれた基本的なBlob・Files・Queue・Table・Disk用アカウントです。Microsoftは汎用v2アカウントを推奨してます。

<Blobストレージ>

ブロックBlob・追加Blob特化のストレージアカウントで、Blob以外のストレージサービスには対応していません。Blobには、ホットアクセス層・クールアクセス層・アーカイブアクセス層の選択が可能です。このBlobアクセス階層制御は汎用v2アカウントでも利用可能で、汎用v2アカウントにアップグレードすることも可能です。

「ホットアクセス層」は、アクセス頻度の高いデータの格納に適しており、アクセスコストが低い反面、ストレージコストが高めに設定されています。「クールアクセス層」は、頻繁にアクセスのないバックアップデータなどの格納に適しています。30日以上アーカイブアクセス層で保持されるデータが対象となります。ホットアクセス層と比較しアクセスコストが高く、ストレージコストは低くなります。「アーカイブアクセス層」は、保存されたデータに通常アクセスをすることはできないため、データ読み取りのためにはリハイドレートと呼ばれるホットアクセス層・クールアクセス層に切り替えを行いデータを読み取るプロセスが必要になります。リハイドレートは最大で15時間かかります。180日以上アーカイブアクセス層で保持されるデータが対象となります。

・BlobStorage
従来のブロックBlob・追加Blob専用のアカウントです。汎用v2アカウントにアップグレードすることが可能です。
・BlockBlobStorage
ブロックBlob・追加Blob専用のアカウントです。BlobStorageに比べ待ち時間が一貫して低く、高いトランザクションを可能にします。

 

レプリケーションオプション

冗長性確保のためのデータのレプリケーションオプションが4種類用意されています。Azure Storageアカウントのデータは、常にプライマリリージョンで3回レプリケートされます。(レプリケートとは:ハードウェア障害からのデータ保護のために別システム上にリアルタイムにデータを複製/コピーすること)

・ローカル冗長ストレージ(LRS)
プライマリリージョン内に3つのデータコピーを作成します。データセンター全体が利用できなくなった場合はデータ利用不可能になります。
・ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
プライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータコピーを行います。(可用性ゾーンとは:Azureリージョン内にある物理的に離れたデータセンターのこと)
・geo冗長ストレージ(GRS)
LRSを使用したプライマリリージョン内での3つのデータコピーの作成に加え、セカンダリリージョン内でコピーが作成されます。プライマリリージョンに障害が発生した場合でもセカンダリリージョンにフェールオーバーして業務継続可能です。
・geoゾーン冗長ストレージ(GZRS)
ZRSを使用したプライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータコピーに加えて、セカンダリリージョン内でコピーが作成されます。

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