Azure Site Recoveryの概要と価格について

はじめに

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日本は海外に比べ地震や大雨などの自然災害が発生しやすい国土であるため、自然災害に遭う恐れは大いにあります。災害対策としていざという時にシステムを守る仕組みを用意しておく必要があるでしょう。今回は、Microsoftが提供するクラウドベースのディザスターリカバリー (DRaaS) サービスであるAzure Site Recoveryの概要、そして価格について解説していきます。

そもそもAzureとは?

Azure Site Recoveryの概要を解説する前に、Azureについて簡単に解説します。
AzureはMicrosoft社が提供するクラウドプラットフォームで、世界55拠点に展開しているデータセンター、強力なWANバックボーンを持っています。
日本では東日本、西日本と2拠点を有し、国内の多くの企業などに利用されています。

Azure Site Recoveryの概要

Azure Site Recoveryとは、前述の通りディザスターリカバリー (DRaaS)サービスです。本来、災害対策用のバックアップサイトとしてAzure上で提供されています。
プライマリサイト上の仮想マシンやサーバーを継続してレプリケートし、障害発生時にセカンダリサイトのサーバーにレプリケーションすることで障害からの素早い復旧が可能になります。
現在Azure Site Recoveryでは「Site Recoveryサービス」と「Backupサービス」の2つを提供しています。

Site Recoveryサービス

Site Recoveryサービスでは、オンプレミスからAzure、またはAzureから別のAzureリージョンへの自動復旧機能が実装されており、障害発生時でもアプリケーションの可用性が保たれます。
もし障害が発生し機能停止してしまったとしても、アプリケーションやサービス等は継続して利用できるため完全に利用できなくなってしまう…という事態を防げます。

Backupサービス

Backupサービスでは、データを保護し、回復可能な状態に維持してくれます。
バックアップできるデータはオンプレミス、Azure VM、共有ファイル、Azure VM内SQL Serverデータベース、Azure VM内のSAP HANAデータベースです。
また、Azureクラウドの基盤となる機能と無制限のスケールにより高い可用性を実現しており、データの安全性も確保されています。Recovery Servicesコンテナーに組み込まれた監視・アラート機能を利用することもできるので安心です。

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Azure Site Recoveryの価格について

Azure Site Recoveryは初期費用なし、解約手数料なしで使った分だけ支払いをする従量課金制をとっており、Site Recoveryライセンス、Azureストレージ、ストレージトランザクション、送信データ転送について料金が発生します。

Site Recoveryライセンス

ユーザー所有のサイトに関して利用する場合は
最初の31日間の価格:無料
31日以降:保護されたインスタンスごとに ¥1,792/月

Azureに関して利用する場合は
最初の31日間の価格:無料
31日以降:保護されたインスタンスごとに ¥2,800/月

※ Azureリージョン(注1)間で利用する場合も同じ料金となります。

Azureストレージ

レプリケーションを有効にし、AzureVMをレプリケーションすると、同じリージョンにストレージアカウント(キャッシュ)が作成され、同期データを一時的に格納します。それから転送を行いレプリケーション先のディスクに書き込む、という流れになります。

Azureストレージにおける課金対象はストレージアカウント(キャッシュ)の使用容量分レプリケーション先のディスク容量(使用量にかかわらずディスク自体の容量)となっています。

ストレージトランザクション

安定状態のレプリケーション(注2)中に課金されます。フェールオーバー(注3)後の通常の仮想マシンでの運用に関する、読み書きや削除といった行為に対し10,000トランザクション毎に課金が発生します。

送信データ転送

データの転送量に関しては受信・送信に関わらず無制限です。リージョンから別のリージョンにデータを転送する際の、送信データ転送(帯域幅)に課金が発生します。実際にデータをどのくらいの量転送するかで料金が異なります。

(注1)リージョン:データセンターを設置している独立したエリア
(注2)レプリケーション:サーバーやシステムの管理データの複製を別のコンピュータ上に作成し、リアルタイムにデータを更新・同期する
(注3)フェールオーバー:サーバやシステムで障害が発生した際に、自動的に待機システムに切り替える

まとめ

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以上、Azure Site Recoveryの概要や価格について簡単に解説してきました。

災害大国とも言われる日本において、企業における災害を想定しシステムの規模や要件に合わせたシステムの保護・復旧の手立てを用意し整えることは取り組むべき課題でしょう。他サービスとも比較し、いざという時の備えをしておきましょう。

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