Azureにおけるマイクロソフト社とベンダー(パートナー)関係

はじめに

Azureはマイクロソフト社と直接契約するものではなく、マイクロソフト社にAzureの取り扱いを正式に認定された企業、即ちベンダーとして契約されます。
今回はそのAzureを導入したいけどそのベンダー探しをしている方に対してベンダー(パートナー)企業の役割や位置づけを交えて見ていきます。

ベンダーとは

ベンダーとは、売り手または販売者という意味合いを持ち、IT業界の中でのベンダーは主にソフトウェア、サービス、システムを販売する企業を指します。ベンダーはマイクロソフト社とパートナー契約を結ぶことで、Azureのサービスを提供することができます。また、契約をする際にはマイクロソフト パートナー ネットワーク(MPN)への参加が任意で行われます。

Azureパートナーのランク

マイクロソフト パートナー ネットワークへ参加することでコンピテンシーを獲得することが可能となります。マイクロソフト コンピテンシーとは、ベンダーが顧客のニーズに対応した能力を持つことで新規顧客へのアピールとなる肩書きです。コンピテンシーには様々な種類があり、獲得するには高度な専門性を求められることになります。

ランク別

  • ネットワーク(コミュニティメンバー)
  • メンバーシップに登録するだけで獲得できます。年会費は無料です。
    MPNへの参加をすることで、他のパートナーやマイクロソフトとのコミュニケーション機会を増やすことで周囲の情報収集などが出来ます。

  • マイクロソフト アクションパック(サブスクリプションメンバー)
  • 年間サブスクリプション料を支払うことで獲得できます。年会費は44,000円かかります。
    簡易テストを受け製品への理解を深めることで、主要製品のライセンスを利用することが出来ます。

  • Siliverコンピテンシー
  • 必須の試験とスキル検証に合格することで獲得できます。年会費は155,000円かかります。
    Siliverコンピテンシーを取得するうえで、マイクロソフト認定技術者かテスト済み製品の保有が受験資格とみなされ、コンピテンシーごとのアセスメントへの合格、顧客事例の提出、パフォーマンス条件などが取得条件として組み込まれています。
    Silverコンピテンシーを取得することで、各分野の高い技術力とソリューション力を持つことの証明になります。また、Silverコンピテンシーの特典がありこれを利用できます。

  • Goldコンピテンシー
  • 必須の試験とスキル検証に合格することで獲得できます。年会費は444,000円かかります。
    Goldコンピテンシーを取得するには、Silverコンピテンシーで課されるより多くの認定技術者かテスト済み製品の保有、顧客事例などが求められます。
    ランクとしては最高峰となり、マイクロソフト社が最高レベルの技術力と最高品質のソリューションを提供するパートナー企業として認めた位になります。
    GoldコンピテンシーはSiliverコンピテンシーと比べて更なる特典をつけていることで、規模の大きい展開をすることを可能としています。

    Gold クラウド コンピテンシー パートナー

    マイクロソフト社ではパートナー契約をしている企業を公表しており、以下の項目でジャンル分けを行っています

  • Gold Cloud Platform
  • Azureの展開において優れた実績を持つマイクロソフトパートナー

  • Gold Cloud Productivity
  • Office365の展開において優れた実績を持つマイクロソフトパートナー

  • Gold Small and Midmarket Cloud Solutions
  • Office 365 の、主に中小企業への販売において優れた実績を持つマイクロソフト パートナー

  • Gold Cloud CRM
  • Dynamics CRM Onlineと呼ばれる商取引を推進する機能の展開において優れた実績を持つマイクロソフト パートナー

  • Gold EMM
  • Enterprise Mobility + Securityと呼ばれるデバイス管理やデータ漏洩対策をする機能の展開において優れた実績を持つマイクロソフト パートナー

    上記のジャンルとは少し異なる形で年間を通して目ざましい働きをした企業に対してはオブザイヤーアワードと称して表彰をされています。パートナーごとに受賞理由も詳細に記載してあるため、何に注力しどんなことが出来る企業かというのも非常に分かりやすいです。

    まとめ

    Goldの評価基準は厳しく、現状の2020年ではGoldコンピテンシーを獲得してる企業は100未満となっています。Azureの高度な専門分野パートナーとしてなり得るには実績と品質を伴うため、お金を払ったからなれるものではないと認識していただけたかと思います。また2019年アワードにおいては、認定資格取得者数から見ると日本ビジネスシステムズ株式会社様が突出しており、Azureに対しての力の入れ具合が垣間見えます。マイクロソフト社のページにはからパートナー企業の検索システムがあるため、そこから自社へ合ったシステム導入を行ってくれそうなベンダーを探すことも可能です。Azureのベンダーを探す手段として実績を持つベンダーか、自社に合った導入支援を行ってくれるベンダーか、という様々な思惑の中で本記事が役に立てればと思います。

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