Azureまるわかり!日本における現状とAWSとの違い・海外のパブリッククラウド市場の動向

徹底比較!「Azure」と「AWS」

まずは「Azure」と「AWS」の違いについて検証してみましょう。いくつかのポイントごとに違いについてまとめました。

Azureの東日本/西日本リージョンでは、Azureのすべての機能が使えるわけではありません。機能への需要/リクエスト、データセンターのキャパシティなどを踏まえつつ、主要な機能から順次サポートを拡大しています。

最近では、インメモリ キャッシュ サービスAzure Redis Cache (プレビュー) が、これまでサポートされていた西日本リージョンに加え、東日本リージョンでもサポートされたり、HadoopサービスであるAzure HDInsightが、西日本リージョンでサポートされたりしています。

まだ東日本/西日本リージョンでサポートされていないAzure Mobile Servicesについては、大いにご期待ください (以下自粛…) 他にも東日本/西日本リージョンで使いたい機能があれば、Feedback Forums (http://feedback.azure.com/) やその他のチャネルで、是非リクエストくださいませ。ちなみに、個人的に欲しいのは、Event Hubs、Machine Learning、API Managementですね。

■利用可能通貨

Azureは日本円での支払いが可能となっています。AWSも現在はリセラーを経由することで日本円での支払いに対応していますが、双方の大きな違いは為替の影響です。

Azureの料金設定は日本円で行われるため、為替の影響を受けることはありません。対してAWSの料金設定は米ドルで行われるため、為替の影響を受けています。

■準拠法

AWSはアメリカ合衆国ワシントン州法を準拠法としており、裁判地はワシントン州キング郡の州裁判所、連邦裁判所です。一方、Azureは日本法に準拠しており、東京地方裁判所を裁判地としています。

■データセンター

AWSは日本を含む12の地域、Azureは日本を含む22の地域でデータセンターを稼働しています。AWSは東京のみの稼働ですが、Azureは東日本、西日本とふたつのリーションが稼働中です。

■ディザスターリカバリー

日本国内に東京リージョンしか存在しないAWSは、災害復旧時に海外リージョン利用することになります。対して、Azureは東日本リージョンと西日本リージョンを組み合わせて災害復旧することが可能です。

■ネットワークサービス

AWSはAWS Direct Connect、AzureはAzure ExpressRouteで専用線接続が提供されています。Azure ExpressRouteは西日本におけるプロバイダーの対応が遅れているようです。

■その他

待望されていたRed Hat Enterprise Linuxへの対応をした、Azure。一方のAWSは主要なディストリビューションはほとんど選択可能です。

日本の国内におけるAzureの動向は?

日本国内におけるAzureの動向はどうなっていくのでしょうか。これまでに述べたようなAWSとの違いを鑑みると、Azureに幾分かの優位性があることがわかります。

特に「日本法が準拠法である」「ディザスターリカバリーが日本国内で構成可能である」「西日本にデータセンターがある」という3点は大きなアドバンテージと考えられるでしょう。

コンシューマ向けの市場では、依然としてAWSの強さが目立っているものの、エンタープライズの顧客の多くはAzureの利用に乗り出しているようです。そうした企業の多くはオンプレミスとの併用という形でAzureを活用していることもわかっています。また、Azureを利用する顧客はアプリケーションの開発をSIerに一任するケースが多いようです。

海外のパブリッククラウド市場に目を向けてみると…

海外のパブリッククラウド市場においても日本国内と同様に興味深い動きが見られます。売り上げでは依然としてAWSが2位以下に大きな差をつけて首位に立っているものの、企業に向けて行った「選択を検討しているプラットフォームはどれか?」という調査では、Azureがトップの座に君臨しているのです。

金融業、製造業では調査対象となった半数近くの企業が、Azureの利用を検討しています。対して、情報調査分析、医療の業界ではAWSの人気が未だに根強いようです。このように業界ごとにポピュラリティが違うことも分かりました。

AWSとAzureというふたつのプラットフォームの今後を分けるキーポイントは“ハイブリッドクラウドへの対応状況”にあると考えられています。多くのエンタープライズはまだクラウド技術の利用に足を踏み入れた段階であり、しばらくはパブリッククラウド、そしてプライベートクラウドをハイブリッドで運用していく見通しです。

Microsoftはパブリッククラウド、プライべートクラウド共にユーザーに提供していますが、AWSはプライベートクラウドの運用を委託しています。このことがエンタープライズに与える印象の大きさを、決して無視することはできないでしょう。

まとめ

Azure、AWSというパブリッククラウドの2強がトップを争い続けるとともに、日本ではさらなるクラウド移行企業の増加が予想されます。既に日本の大手金融機関がAWSへの導入に向けAmazonと提携する動きもあるようです。開発にとってはクラウドのナレッジをカバーしておくことはマストとなるでしょう。

プラットフォームのシェアや、それぞれの特徴についてもアンテナを張り巡らせておくべきかもしれません。

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