Azureのリージョンについて|東日本と西日本リージョン

Microsoftが提供するクラウドプラットフォームAzureは世界中に多数のリージョンを持ちます。日本国内には東日本と西日本の2つのリージョンがあります。Azureを使う上でリージョンへの理解は非常に重要です。本記事ではAzureのリージョンについて解説します。

リージョンとは

リージョンとゾーン

「リージョン」とはクラウドサービスにおいて、データセンターを設置している独立した地域の事を指します。現在Azureでは世界中に約60以上のリージョンを持ちます。更に、リージョン内に設置されている独立したインフラの運用区画を「可用性ゾーン」または「ゾーン」と言います。リージョンやゾーンを分散してシステムを構築する事により、可用性を高めます。

リージョンペア

全てのリージョンにはペアとなるリージョンが設定されています。片方のリージョンに障害が発生した際、すぐに復旧できるようペアリージョンにバックアップを取る事が可能です。可用性ゾーンは物理的に独立はしていますが、比較的隣接する物理的地域に設置されている場合が多いです。一方、ペアになっているリージョンは少なくとも300マイル以上離れた場所に設置されており、災害などにより片方のリージョンに甚大な被害を受け停止したとしても、ベアリージョンにフェールオーバーする事により復旧が可能です。メインで使用するリージョンを「プライマリリージョン」、サブで使用するペアリージョンを「セカンダリリージョン」と言います。

冗長性

Azureには冗長性オプションがあり、選択したオプションにより、どれだけの規模でバックアップを取るかが変わります。冗長性オプションの種類は以下があります。

ローカル冗長:LRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にデータのコピーが3つ作成される
・データセンターに障害が起きるとデータを利用出来なくなる

ゾーン冗長:ZRS
・プライマリリージョン内の3つのゾーンにぞれぞれに1つコピーが作成される
・1つのゾーンに障害が発生しても利用可能

geo冗長ストレージ :GRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にローカルコピーを3つ作成後、セカンダリリージョンに3つをコピー
・離れた場所で管理される為、自然災害などの重大な障害が発生しても利用可能

geo冗長ストレージ :GZRS
・ライマリリージョン内の3つのゾーンにぞれぞれに1つコピーが作成後、全てをセカンダリリージョンにコピー
・最も安全性が高い

以上のオプションのうち、リージョン間で冗長化が出来るのはGRSとGZRSです。LRSやZRSでも最低限のバックアップは取れますが、地震など広範囲に影響の及ぶ災害が発生した場合、ゾーンごと被害を受ける可能性もあるので、可能な限りリージョン間での冗長化が推奨されます。

日本国内のリージョン

冒頭でも触れた通り、日本国内には東日本と西日本の2つのリージョンがあります。国内でAzureを使用する場合は通常このどちらかを選択する事になります。この2つのリージョンはペアになっています。どちらを選んでもサービス内容は同じです。近い方を選択した方が若干通信速度が上がりますが、日本国内においては殆ど違いはありません。

リージョンの具体的な所在地は公表されていませんが、東日本は東京と埼玉、西日本は大阪にデータセンターが設置されています。

過去の障害事例

非常に信頼性の高いAzureのリージョンですが、過去にはトラブルが発生した事もあります。その事例をご紹介します。

国内の事例

2017年3月に日本国内のリージョンにて1か月の間に3回の大規模な障害が発生しました。2017年3月8日に東日本リージョンにて、2時間ストレージ障害が発生。同月28日には西日本リージョンにて3時間に渡って仮想マシンの障害が発生しました。また、同月31日には東日本リージョンにて仮想マシンやストレージなど、Azureの殆どのサービスがダウンするという大規模な障害がそれぞれ発生しました。これらの原因は冷却装置のトラブルが原因と考えられています。

国外の事例

日本時間2018年9月4日、米国中南部リージョンにて障害が発生。24時間に渡り、復旧出来ない状態が続きました。原因は落雷によりサーバーの冷却システムがダウンし、オーバーヒートした結果シャットダウンしてしまうというものでした。落雷のあったデータセンターだけでなく他のデータセンターにも影響が及んだため、長時間に渡る大規模障害となりました。

信頼性、可用性の高いAzureではありますが、こういった事例もあり、絶対的な安全が保障されている訳ではないので、しっかりと冗長化を図り、リスク管理を行う必要があります。

まとめ

今回はAzureのリージョンについて解説しました。Azureは圧倒的な数のリージョンを持ち、リスクを分散する事により高い信頼性を誇ります。また、自分に合ったプランを選択する事により、自由度の高い使い方が可能です。一方で、過去には大規模な障害が発生した事もあります。ですが、そういった時の為に複数のリージョンが用意されています。Azureをご利用の際は是非、リスク対策をしっかり行い、安全にご利用ください。

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