Azure File Storageの料金について
クラウドが普及して以来、プロジェクトの共有ストレージにクラウドを活用する場面は増えています。中でもMicrosoftが提供するクラウドサービスのAzure Storageは特に人気があり、検討されている方も多いかと思います。本記事ではAzure Storageの中でもファイル共有に特化した機能、Azure Filesにてついて、概要や料金についてご紹介します。
Azure Storageの機能
Azure Storageは「データ性質」「データサイズ」「利用方法」などに応じて、ストレージタイプを選択して利用します。
Azure BLOB
Blob Storageは非構造化データ用オブジェクトストレージです。ドキュメント、写真、ビデオ、ブログなどの他Webアプリケーションのテキスト、イメージ、バックアップデータ、ログなどが格納可能なストレージです。
Azure テーブル
Azure テーブルはNoSQLデータベースで、アプリケーションのユーザーデータやアドレス帳、デバイス情報、サービスに必要なメタデータといった構造化データを格納するためのストレージです。スキーマの設計無しで使え、データの修正を自由に行う事が可能です。
Azure キュー
Azure キューはワークフロー処理、およびサービスのコンポーネント間通信のためのメッセージング機能を提供するストレージです。主にWebサーバーからバックエンドで動作するアプリケーションへ処理を渡す際に利用します。
Azure ディスク
Azure ディスクは仮想マシンに対応し、セキュリティ保護された永続ディスクです。基幹業務ワークロード向けに最高の可用性が必要な場合などに使用します。
Azure Files
Azure FilesはWindows標準のファイルサービス・プロトコルであるSMBプロトコルを使用し、クラウドでのファイル共有を行うストレージです。Windowsとのファイル共有がそのまま行える為、Azure上に共有ファイルを格納するファイルサーバーを構築するには、こちらが便利です。
これらのサービスはいずれもクラウドストレージの機能ですが、データを保存するストレージとして使える機能はAzure BLOBとAzure Filesです。どちらもストレージとしては使えますが、Azure BLOBはオブジェクトストレージであり、構造化がされない為、大量のデータの読み書きには適していますが、共有ストレージには向きません。
一方Azure Filesは構造化ファイルストレージで、ファイルマネージャのように構造でファイルを格納できる為、通常は共有ストレージはAzure Filesを使用します。
料金
Azureの料金は従量制となっており、使って分だけ料金が発生する仕組みです。AzureFilesにはStandardStorageとPremiumStorageの2つのプランがあり、どちらかを選択します。
StandardStorage
・保存データ量と操作量による従量制
・保存データ量当たりの金額は安い
・HDD程度のアクセス速度
PremiumStorage
・操作量が無制限、保存データ量のみの従量制
・保存データ量当たりの金額は高い
・SSD程度のアクセス速度
・LRSのみ対応
上記のいずれかのプランを選択の上、以下の表の通りに料金が発生します。
料金表 2020年9月現在
STANDARD | LRS | ZRS | GRS | GZRS |
---|---|---|---|---|
保存データ量 /仕様済みGiB(月) | ¥6.72 | ¥8.40 | ¥11.200 | 利用不可 |
操作(Put, Create Container) /10000回 | ¥1.68 | ¥2.10 | ¥3.36 | 利用不可 |
操作(List) /10000回 | ¥1.68 | ¥1.68 | ¥1.68 | 利用不可 |
操作(Deleteを除くその他) /10000回 | ¥0.168 | ¥0.168 | ¥0.168 | 利用不可 |
Geoレプリケーションデータ転送 /GiB | 該当なし | 該当なし | ¥10.08 | ¥10.08 |
PREMIUM | LRS |
---|---|
保存データ量 /プロビジョニング済みGiB(月) | ¥32.256 |
スナップショットを使用する /使用済みGiB | ¥26.88 |
その他各種操作手数料 | 無料 |
以上をベースに計算されます。
実際にかかる金額がは利用状況により大きく異なります。
Microsoftの公式ページにAzureの料金計算ツールがありますので、具体的な試算価格はそちらを活用して出してみる事をお勧めします。
まとめ
今回はAzure Files Storageを用いた共有ストレージの機能と料金ついて解説しました。利便性が高く、リスク対策も同時に行えるクラウドストレージは非常に便利です。一方でAzureは従量制の料金システムを採用している為、利用状況によってはコストが大きくかかる可能性もあります。オンプレミス環境と比較し、どちらがより適してるかをご検討の上、ぜひAzure Storage、Azure Filesをご活用ください。