Azureをファイルサーバーとして利用する

今回はAzureをファイルサーバーとして利用する方法について解説していきます。

Azureをファイルサーバーとして利用するには

Azureをファイルサーバーとして利用するにはファイル共有サービスの「Azure Files」があります。

「Azure Files」はAzure上で提供されるファイル共有サービスで、OSに限定されることなくインターネット経由でどこからでも同時アクセスが可能です。また、ファイル共有でよく使用されているSMB(Server Message Block)プロトコルを使用しているため、オンプレミスファイルサーバーから移行する際もアプリケーションの互換性を気にする必要がないのも特徴です。

「Azure Files」を用いたファイル共有には以下のメリットがあります。

1.ハードウェアやOSのメンテナンスが不要

「Azure Files」は、Azureポータル上から操作を行います。Azureはクラウドサービスとして展開されているので、ファイル共有にあたって、ハードウェアやOSのメンテナンスは一切必要ありません。Windows、Linux、MacOSの複数のプラットフォームに対応しており、使用OSに縛られずにファイル共有を行うことができます。

また、ストレージはストレージアカウントを使用することによって、高い可用性が保証されている他、オンプレミスと比較した際に、夜間に停電やネットワークに障害が生じた場合でも、Azureを管理するMicrosoft側で対処するので、対応する必要がありません。

ファイル保存や転送はSMB(Server Message Block)3.0やHTTPSで暗号化されており、セキュリティ面においても万全となっているので安全性は高く、重要な脆弱性に関するアップグレードは自動化されているので、修正プログラムを適用する作業が不要になっています。これによって、アプリケーションの互換性に関わらず、複数のマシンやアプリケーションによるファイル共有をクラウド上に移行できます。また、クラウドとオンプレミスのファイル共有も可能です。

2.どこからでも接続可能

「Azure Files」はAzure上にあるため、ネットワークが接続されていればどこからでも接続することが可能です。

3.容量が自由に設定可能

「Azure Files」は一つのファイル共有あたり最大100TiB の容量、10KのIOPS、300MiB/秒のスループットがサポートされています。

4.バックアップ・リストアが簡単

「Azure Files」は共有スナップショットと「Azure Backup」を使用することによって、バックアップを行うことが可能です。共有スナップショットはスナップショット作成時点のファイル共有の状態をキャプチャするので、スナップショット取得後の誤った変更もスナップショット時点の状態に戻すことが可能になっています。最大200個までのスナップショットを保存可能で、スナップショットの取得はファイル共有単位で行われますが、リストアはスナップショット内の任意のファイル単位で可能で、管理者だけでなくユーザー側でも以前の状態に戻すことが可能です。そのため、バックアップ作業やリストアを比較的簡単に行うことができます。

また、「Azure Backup」は、その都度、手動作成した共有スナップショットを「Azure Backup」のスケジュール機能を利用して自動化してくれます。バックアップの単位は「Azure Files」のファイル共有の単位で作成されて、リストアはファイル共有全体またはファイル単位で可能となっており、Recovery Servicesコンテナー1つにつき、最大で50個のストレージアカウントから最大200個「Azure Files」ファイル共有を「Azure Backup」で保護できます。

おわりに

上記以外にも、Azure上に仮想マシンを作成してファイルサーバーとして運用するという方法があります。それは、IaaS上に仮想マシンを構築して、仮想マシン上でファイルサーバーを運用するというもので、オンプレミスで運用しているファイルサーバーと同様の操作性で扱うことができる他、運用や管理に関しても、同様に行うことが可能です。既存でオンプレミス環境にファイルサーバーを構築している場合では、Azure上への本格的な移行を後々に行うことを前提としている場合は、こちらで構築するほうがいいかもしれません。

このように、クラウドを利用したファイルサーバーやファイル共有の方法は、自由度が高く、展開されているサービスをしっかりと確認する必要があります。またストレージサービスの利用によって、ファイルそのものの保存はストレージアカウントによるアクセス制限でも可能なこともあり、ファイルサーバーを構築するかそれらのサービスの利用に抑えるかを利用団体によって考える必要があるといえます。

参考文献:
https://cloud.nissho-ele.co.jp/blog/azure-file-sharing/

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