Custom Visionとは? 料金についてもチェック!
Custom Visionの概要
Custom VisionはAzureのサービスの一つで、専門的な知識を使用せずにAI画像解析ツールを作成することができます。インターフェースは使いやすいGUIとなっておりCUIに苦手意識を持っている方でもスムーズに利用が可能です。使用するためには識別したい対象の画像と、その対象に近いが欠けている要素のある画像を用意します。用意する画像の数は少量でも始めることが可能です。ラベルごとに50枚程度の画像を用意すれば十分といえます。ただし精度が極端に求められる品質保証やとても小さな違いを識別しなければならない場合は、より多くの画像が必要となるでしょう。その画像をCustom Visionに読み込ませます。正しい画像なのか、そうでない画像なのかはこちらでラベル付けすることで教えてあげます。Custom Visionのアルゴリズムは読み込んだデータを自分でテストを行いトレーニングすることで精度を算出します。このサイクルを繰り返し精度を上げていくことで新しい画像への判断力を養っていくことができます。そうして出来上がったAIモデルはエクスポートしてオフラインで使用することもできます。スマートフォンにエクスポートすれば、スマートフォンで撮った画像をすぐに正否判定できます。
使用例
公式サイトでは工場の異常状態と通常状態を判別するためにCustom Visionを活用している事例が紹介されています。Custom Visionで異常状態が判別できるようモデルを作成し自動化することにより、監視役の人間をほかの業務に充てることができます。
日本マイクロソフトの活用事例としてはCustom Visionでヒアリチェッカーを作成しています。判別の難しいヒアリかそうでないかを判別し、危険外来種の侵入を食い止めるために活用することもできます。これはヒアリを判別するための専門家不足の対策にもなるでしょう。
このようにCustom Visionを活用すれば、普段人間が行っていた作業を自動化でき、人件費を削減したり人員不足を補うことができるのです。昨今の少子高齢化による人手不足、仕事の人気不人気の偏り、コロナリスクといった状況は、このようなAI自動化への動きを加速させていくでしょう。
Custom Visonの料金体系
大きなメリットのあるCutstom Visionですが、実際の料金体系はどのようなものになっているのでしょうか?いくら使えるものだといっても高すぎては厳しいですよね。
インスタンス | 1 秒あたりのトランザクション数 (TPS) | 機能 | 料金 |
---|---|---|---|
Free | 2 TPS | アップロード、トレーニング、予測のトランザクション 最大 2 個のプロジェクト 1 か月あたり最大 1 時間のトレーニング | 5,000 枚のトレーニング画像は無料 (プロジェクトあたり) 1 か月あたり 10,000 回の予測 |
Standard | 10 TPS | アップロードおよび予測のトランザクション 最大 100 個のプロジェクト | ¥224/1,000 トランザクション |
トレーニング | コンピューティング時間あたり ¥2,240 | ||
画像ストレージ | それぞれ最大 6 MB 1,000 枚の画像あたり ¥78.400 |
以上のような料金体系になっています(2020年10月現在)。Azureの料金体系の特徴は従量課金制度ということです。上記のように、トランザクションの処理数や、トレーニング時間、画像のストレージ容量の使用料によって値段が変わってきます。よってプロジェクトや求めたい精度によって大きく値段は変わるでしょう。まずは無料でお試しをして、どの程度の料金がかかりそうなのかを把握し予算を出すのが一般的な流れといえます。本格的に使用したいという場合ですと2個のプロジェクトや1時間のトレーニングという無料版の制約はかなり厳しそうです。
Custom Visionで選択できるリージョンは現在そこまで多くありませんが東日本リージョンは選択可能です。リージョンについての詳しい説明はこちら。
Custom Visionの学習方法
実際にどのように活用していけるのかを確認するには実際に触ってみたほうが早いです。Custom Visionの公式サイトではクイックスタートや学習用ファイルセットが用意されており、簡単にサンプルAIを作成することができます。またAzureでは使いこなせる技術者の育成にも力をいれており学習パスや充実したQAも用意されています。
現在Custom Vision用には下記学習が用意されています。
- 画像の分類
- 画像内の物体の検出
- 絶滅危惧種の鳥の分類
- 機械学習モデルを使用してWebアプリをビルドする
無料でこれらの機能を存分に活かし有料への判断の足掛かりとしましょう。
まとめ
- ・Custom VisionとはAI画像解析ツールの作成サービスである。
- ・活用事例では大きな成果を出しており今後にも期待が持てる。
- ・料金は従量制でプロジェクトによって大きくコストが変わる。
- ・無料で充実した体験ができるため、まずは無料体験を始めてみよう。
Custom Visionを紹介しました。お手軽にAIを活用できるとても魅力的なツールだと思います。是非検討してみてはいかがでしょうか。