Azure Media Servicesの機能とメリットについて

マイクロソフト社が提供するクラウドプラットフォーム「Azure」。
今回はAzureのサービスの一部である「Azure Media Services」の機能とメリットについてご紹介いたします。

Azureとは?

Azureとはマイクロソフト社が提供する「クラウドプラットフォーム」のことです。
仮想マシンをクラウド上に作成・利用したり、仮想マシンのOS事態をマイクロソフト社が管理してもらうサービスなどを提供しています。
世界に55もの拠点があり、膨大なサーバが設置されています。また、強力なWANバックボーンを持っているため、国内外を問わず多くの方が利用されています。

Azure Media Servicesとは?

Azure Media Servicesとはマイクロソフト社のクラウドプラットフォーム「Azure」が提供している動画配信用プラットフォームサービスです。
近年個人で動画配信を行う方が増えてきていますが、実は個人で動画配信環境を1から構築するとなると、大容量のストレージやサーバー、広帯域ネットワークだけでなく、
動画ファイルのエンコードやコーデックの準備、コンテンツの保護、多様なデバイスへの対応など非常にやることが多く大変な作業になります。
Azure Media Servicesを利用することにより、こういった作業を行うことなく動画の編集作業や配信に必要な環境を構築することができます。

動画配信に関する知識

今では生活の一部になっている動画配信ですが、ここで動画配信サービスに関する基礎知識をご説明いたします。

動画配信方法

動画配信を行う方法は3種類あります。まず一つ目は「プログレッシブ方式」と呼び、動画ファイルを端末に保存しつつ再生する方式です。この方式だとダウンロードが間に合わないと再生できず停止します。
二つ目は「ストリーミング方式」と呼び、プログレッシブj方式とは異なり、動画を端末に保存せず、あらかじめ分割された動画ファイルを受信・再生します。ダウンロードが間に合わなくても再生時間は進み続けますが、
画質の低下や映像の欠落が発生します。最後に「アダプティブストリーミング方式」と呼ばれる方式があります。こちらは端末の受信状況に合わせてビットレートを変更させることができます。

ストリーミングプロトコル

ストリーミングを行うための規格は国際標準規格である「MPEG-DASH」をはじめ、Apple社が策定した「HLS」Adobeが策定した「HDS」
そしてマイクロソフト社が策定した「Smooth Streaming」など複数存在します。
注意点として、これらは動画ファイルを小さくした「セグメントファイル」と「プレイリスト」の形式の違いを指します。

コーデック

コーデックとは動画ファイルを100分の1ほどに圧縮するアルゴリズムのことを指します。
主な種類として、「WMV」や「MPEG-4」、「H264」などがあります。

コンテンツ保護方式

デジタルデータの複製や再利用を防ぐ技術としてDRM(Digital Rights Management)というものがあります。
これは暗号化されたデータを特定のプレイヤーでのみ再生させるようにする技術です。マイクロソフト社やAppleがDRMの規格を提供していますが、互換性はありません。

Azure Media Servicesの特徴と利用するメリット

専門知識が不要

先述した通り本来であればインターネットで動画を配信する場合にはオンプレミス環境に動画を配信するためのサーバを用意し、動画ファイルの元データにエンコード処理を施し足りなどの専門的な知識が要求されました。
そのため動画配信の手段としてよく利用されてきたのがYoutubeに代表される動画共有サービスです。しかし、動画配信サービスを利用した場合、動画ファイルの格納先も配信もユーザーの手を離れてしまします。
そのため、外の人物に視聴してもらうのには適していても、操作マニュアルや特定人物への教育などには向いていないという課題がありました。
それらの課題を解決したのがAzure Media Servicesです。このサービスを利用することにより、動画配信用のサーバーやエンコード処理をユーザーが実施・管理必要がなくなり、Azureポータルから簡単に動画を配信することが可能になります。

充実したサポート

Azure Media Servicesでは国際標準化団体のISOが策定したストリーミング配信規格で最新のライブストリーミング仕様である「MPEG-DASH」もサポートしています。
これにより、Flashのようなベンダー独自核のプラグインが不要になり、Microsift EdgeやChromeといったHTTP5に対応した最新のWebブラウザでそのまま表示することが可能です。

他のAzureの機能との連携

Azureでは最新のグローバル配信ネットワークであるAzure Content Delivery Network(Azure CDN)を提供しています。
これとAzure Media Servicesを組み合わせれば、マイクロソフトが有するグロ-バルセンターのネットワークを利用して広範囲な帯域幅で高品質な動画を世界中どこへでも高速配信することができます。

使用する場合の料金

Azure Media Servicesを利用する場合に発生する料金ですが、他のAzureのサービス同様従量課金制を採用しています。
そのため、サービスを利用した分だけ料金が発生します。軽い目安になりますが、約2時間のライブ配信を行った場合の料金は約532円になります。
また、動画ファイルをAzure Storageに置いておく場合は1か月ごとにGB単位で約2.3円の料金が発生します。

まとめ

今回はAzureが提供している動画配信用プラットフォーム「Azure Media Services」をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
本来であれば専門的な知識が必要である動画を配信するための環境をAzure Media Servicesは非常に容易にしてくれる有用なサービスであると感じました。
この記事を読んでくださった方にAzure Media Servicesの魅力が少しでも伝われば幸いです。

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