Azure上にWindows10を導入してみる
Azureとは
Azureとは、「Microsoft Azure」としてマイクロソフト社が提供しているクラウド・コンピューティングサービスであり、膨大なサーバが設置された世界55拠点に展開しているデータセンタと、強力なWANバックボーンを持っています。
日本国内では東日本と西日本の2箇所に拠点を有し、国内の多くのユーザが利用しています。
Azureは、AWSやGPC2と同様に、初期費用無しで使用した分のみを支払う「従量課金制」のサービスとなっています。
Azureのサービス形態
Azureが提供しているプラットフォームには、一般的に「IaaS」と「PaaS」と呼ばれる2種類があり、この2つはクラウドサービスの提供者(Microsoft社)と利用者(ユーザ)で管理する範囲が異なってきます。
IaaS
Infrastructure as s Service の略です。
クラウド上に仮想マシンをインターネット経由で作成し、利用するサービス
です。
物理環境、仮想環境はMicrosoft社が管理しますが、それよりも上位部分の管理はユーザが行わなければなりません。
PaaS
Platform as a Service の略です。
アプリケーションが稼働するためのデータベースやプログラム実行環境などが提供されるサービス
のことです。
PaaSで構成できるシステムは、クラウドサービスの提供者が提供するPaaSの機能次第となります。
今回扱うWindows10の導入もPaaSとして私達ユーザが利用します。
(Azure Virtual Machines)
Azure Virtual Machinesは、仮想マシンを提供するサービス
です。
OSはWindows10のみではなく、同社のWindows Serverに加えてUbuntu ServerやCentOSなどの、Microsoft社の製品ではないOSも対象となっています。
AzureへWIndows10(仮想マシン)を導入するメリット
コスト
Azureの利用料金は、分単位の従量課金制を採用しており、長期契約の割引もあります。
企業利用を想定した料金体系もあり、エンタープライズ向けの割引も用意されています。
拡張性・柔軟性
Windows以外のOSであっても、オープンソースのDBが使えないような場合、Oracleのような商用DBが必要になります。
Azureでは、公式でOracleDBに対応しています。
データセンタ
Azureでは、世界各地の54地域にデータセンタが整備されています。
Azure Site Recoveryというクラウドで利用できる災害復旧サービスも提供しており、災害対策も万全です。
将来性
Azureは、Microsoft社による開発・投資が担保されており、多額の研究開発費を投じて、3500人のサイバーセキュリティのエキスパートを採用しています。
AzureへのWindows10導入(Windows10 on クラウド)
2017年8月より、一定の条件を満たす場合にMicrosoft Azure および 認定を受けたマルチテナントホスティングパートナーで、Windows10の稼働が認められるようになりました。
ここでは、あらかじめWindows10のライセンスを取得しているものとして進めていきます。
Windows10をクラウドで利用する場合、Azure AD ベースのライセンス認証(Windows10 Subscription Activation)を行う必要があります。
Azure AD 上のアカウントに対して、Windows10の利用権限を付与します。権限が付与されたユーザがログオンすると、自動的にライセンス認証が行われます。
ステップ1
適切なアドオンライセンスを取得すると、「サービスのライセンス認証メール(service activation email)」が届きます。
※Windows10 Enterprise E3 per Userなどの通常ライセンスに加えて、無料の下記アドオンライセンスの取得が必要です。
a. AAA-51069-Win10UsrOLSActv Alng MonthlySub Addon E3
b. AAA-51069-Win10UsrOLSActv Alng MonthlySub Addon E5
ステップ2
管理者がAzureポータルまたはOffice 365ポータルにログオンし、Azure AD アカウントに対してWIndows10の利用権限を付与します。
ステップ3
権限を付与されたユーザがWindows10にログオンすると、自動的にライセンス認証が行われます。
その際、WIndows10 Pro であってもEnterpriseにアップグレードされる点に注意してください。
また、開発・テストで少し使ってみたいという方向けに、MSDNサブスクリプションの登録者限定で、Windows 7/8/10といったクライアントOSを開発・テスト目的で利用できる無料特典が、例外として提供されています。
基本的な流れは以上ですが、実際に必要な事前準備や構成等は、環境によって異なりますので、各環境での必要な事前準備をしっかりとやっておきましょう。