IoTデバイスとAzure IoT

IoTデバイスに関係する「Azure IoT」

IoTデバイスとは、機器同士やローカルネットワーク、インターネットで接続し情報や制御のやり取りをするIoT(Internet of Things)=(モノのインターネット)のモノにあたります。
パソコンやスマートフォン、タブレットのように直接クラウドに接続する端末や、それらの端末に対して無線接続するスピーカーや照明、エアコン等の家電製品、スマートウォッチの様なウェアラブル機器が含まれます。
「Azure IoT」は、その多くのIoT資産を接続・監視・制御する、Microsoftによって管理される一連のクラウドサービスです。

Azure IoT Central

Azure IoT Centralは、安全性に優れ、ビジネスの成長に合わせて拡張出来るほか、既存のビジネスアプリとの統合も可能なIoTアプリプラットフォームです。使用しているデバイスを素早く簡単に接続でき、デバイスを更新する為の一元的な管理を提供します。
「小売業」
●「コネクテッド物流管理」場所と条件を監視して航空輸送、船舶輸送、陸上輸送での出荷をリアルタイムで追跡
●「デジタル流通センター」主要な資産と作業をデジタル化することで、倉庫から出荷する際の効率を向上させる
●「ストア内の分析ー条件の監視」ストア環境をデジタルで接続及び監視することで、運用コストを削減
●「ストア内の分析ーチェックアウト」ストア内のチェックアウトフローを監視及び管理する事で、効率を向上させて待機時間を短縮
●「スマート在庫管理」センサーを使用して入荷、製品の移動、循環棚卸、追跡を自動化
●「マイクロフルフィルメントセンター」完全に自動化されたフルフィルメントセンターをデジタルで接続・管理する事でダウンタイムを無くし、コストの削減及びセキュリティの向上
●「ビデオ分析ーオブジェクトとモーションの検出」カメラをAzure IoT Edge、AI、Azure Media Servicesを使ったインテリジェントなビデオ分析ソリューションのセンサーとする
「エネルギー」
●「スマートメーター監視」エネルギー消費量やネットワーク状態を監視し、傾向を識別してカスタマーサポートとスマートメーター管理操作を向上
●「ソーラーパネルの監視」ソーラーパネルの状態とエネルギー生成の傾向を監視して、あらゆる異常パターンを特定し、再生エネルギー全体を追跡
「官公庁/自治体」
●「コネクテッド廃棄物管理」ゴミ箱の監視と作業員の派遣により、ゴミ収集の効率を最大化
●「水消費量の監視」水流をリモートで監視及び制御する事で、消費量を削減
●「水質の監視」デジタルで水質管理し、コストの削減と健康リスクを最小化する
「医療」
●「患者の継続的なモニタリング」医療ウェアラブルや院内のデバイスを使用する事で、患者の重要な兆候や症状をモニタリングしたり、慢性疾患の患者やリハビリ患者のデータを収集する事で、患者が医療計画に従っていることや重篤(じゅうとく)な状態になる前に、医療チームに通知出来る

Azure IoT Edge

Azure IoT Edgeは、Azure IoT Hubに構築されたフルマネージドサービスです。標準のコンテナ(隔離された領域)を介して、IoT Edgeデバイスで実行する、クラウドワークロード(人工知能、Azureサービスとサードパーティサービス、または独自のビジネスロジック)をデプロイ(配置、展開)します。特定のワークロードをネットワークのエッジに移動することで、デバイスとクラウド間の通信時間が短縮し、より迅速にローカルの変化に対応でき、オフライン期間が長くなっても確実に動作します。
「機能詳細」
●「AIと分析ワークロードをエッジにオフロード」
クラウドで構築され、トレーニングされたモデルをデプロイし、オンプレミスで実行。
(例).工場のカメラに予測モデルをデプロイ。問題が検出された場合、IoT Edgeでアラートがトリガーされ、データがローカルで処理されるか、更なる解析の為にクラウドに送信される。
●「開発を簡略化」
既存の開発者スキルセットを使用して、馴染みのある言語でコードを記述。
IoT Edgeコードはクラウドとエッジ間で一貫していて、C言語・C#・Java・Node.js、Pythonなどの言語がサポートされている。
●「ほぼリアルタイムで応答」
クラウドでデータを処理するのではなく、Project Brainwave(Microsoftのハードウェアアーキテクチャ)を使用してデバイス自体で処理を行う。
FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)でリアルタイムのAI計算を行う。

Azure IoT Hub

Azure IoT Hubは、IoTアプリケーションと管理対象デバイス間の安全で信頼性の高い通信を実現します。事実上、全てのデバイスを接続出来る、クラウドでホスト(間貸し)されるソリューションバックエンドを提供します。デバイスごとの認証、ビルトインデバイス管理、スケーリングされたプロビジョニング(供給、提供)により、クラウドからエッジまでソリューションを拡張します。
「機能詳細」
●「各デバイスを認証してセキュリティ強化」
接続されるデバイスごとにIDと資格情報を個別に設定する事で「Cloud-to-Device」、「Device-to-Cloud」の両メッセージの機密性を保持。
必要に応じて、特定デバイスへのアクセス権を取り消す事が出来る。
●「デバイスプロビジョニングの自動化によりIoTのデプロイを迅速化」
デバイスをゼロタッチで、安全かつスケーラブルに登録・提供する。IoT Hubと互換性のあるIoTデバイスであれば、種類を問わずプロビジョニングのサポート可能。
●「何十億ものIoTデバイスと双方向通信を確立」
「Device-to-Cloud」の利用統計情報を使用して、デバイスの状態を把握。他のAzureサービスへのメッセージルートを定義出来る。
「Cloud-to-Device」メッセージでは、接続されたデバイスにコマンドや通知を信頼性の高い方法で送信し、受信確認メッセージを用いて、メッセージの配信を追跡出来る。

Azure IoT ソリューションアクセラレータ

リモート監視、工業用IoT、予測メンテナンス、デバイスのシミュレーション等のIoTの一般的なサービスを実装する際に利用します。ソリューションの設計に関して完全なコントロールを維持し、既にデプロイされたサービスをニーズに合わせて調整出来ます。
「機能詳細」
●「リモート監視」
リアルタイムのデバイスデータを収集・分析し、アラートアクション(リモート診断の実施、メンテナンス要求の自動開始)を自動でトリガーする。
●「工業用IoT」
総合アーキテクチャ等を使用して産業用資産に接続・監視する。既存のデバイスからデータを抽出し、現場でのパフォーマンス向上の為に分析情報の収集を行う。
●「予測メンテナンス」
センサーやデバイスからのストリーミングデータを分析する事で、装置の不具合を予測する。これにより、問題が起こる前に不安要素を捉え高額な修繕費の発生を防止する。
●「デバイスのシミュレーション」
シミュレートされたデバイスでIoTソリューションを開発してテストを行う。複雑なデバイスモデルを使用して、現実のシナリオをエミュレートしテストを実施します。

Azure Digital Twins

オープンモデリング言語を使用し、接続された環境を簡単にモデル化してデジタル表現を作成出来ます。ビル、工場、農地、電力網、鉄道、スタジアム、更に都市全体をモデル化出来ます。これらをライブの実行環境で表現することでダイナミックなビジネスロジックとデータ処理を構築出来ます。更に、強力なAPIを使用して実用的な分析情報を引き出し、Azureのデータ、分析、AIサービスとシームレスに統合出来ます。
「機能詳細」
●「接続された環境内のサイロ(他と連携や共有が取れていないモノ)を取り払う」
Azure IoT Hubを使用しているデバイスから、または任意のビジネスシステムからの入力を結びつけて、環境全体からの分析情報を提供する、単一のライブ統合レイヤーを確立。

Azure Time Series Insights

豊富な視覚化とターンキーエクスペリエンスで提供される数十年分ものIoTデータにより、運用と意思決定を向上させます。また、リアルタイムのデータ分析情報と対話型の分析を使用して、組織全体のIoTデータ利用を加速します。
「機能詳細」
●「IoT用にビルド」
様々なデータストリームを分析情報に変え、タイムシリーズモデルを使用してコンテキストを提供する。操作の開始時から産業資産の完全な接続まで、ほぼリアルタイムのデータストリーミングと過去のデータにアクセスして全体像を把握する。
●「オープンで柔軟」
IoTデータを大量にアクセス出来るようにし、Time Series Insightsエクスプローラーを使用して豊富な視覚化とターンキーエクスペリエンスを実現する。

Azure Sphere

多層防御(複数の層で防御し、脅威に対してデバイスを保護する)を使用してIoTデバイスと機器を保護します。
Azure Sphere Security Serviceは、Device-to-Cloud通信のトラストを仲介して脅威を検出し、デバイスのセキュリティを更新します。

Azure RTOS

Azure RTOSは、リソースが制限されたデバイスに信頼性の高い超高速パフォーマンスを提供する、小規模で強力なOSを含む、組み込み開発のスイート(互いに関連する複数のソフトウェアを詰めたパッケージ)です。使いやすく、世界中の62億を超えるデバイスに導入されています。最も一般的な、32ビットのマイクロコントローラと組み込み開発ツールをサポートしています。
「機能詳細」
●「リソースが制限されたデバイスでも信頼性の高いリアルタイムのパフォーマンスを実現」
予測可能で非常に高速な実行時パフォーマンスを、最小のリソース消費量で実現出来る。

Azure SQL Edge

占有領域が少なく、エッジに対して最適化され、AIが組み込まれたSQLデータベースエンジン。データストリーミングや時系列の他、データベース内の機械学習とグラフ機能を兼ね備えています。これを使用すると、Microsoft SQLエンジンのセキュリティとパフォーマンスをエッジで利用することが出来ます。

まとめ

製造業においては、工場のFA機器に設置されたセンサーやカメラ、変位計などのやり取りするデータ容量や多様性から、IoTゲートウェイやエッジコンピューティング等の中継機器を通して、インターネットに接続することが主流です。
細分化・低コスト化することで普及を進めるIoTデバイスですが、安価なデバイスのセキュリティ脆弱性を狙ったサイバー攻撃が問題視されています。
IoTは、セキュリティの強化対策が今後の課題と言えるでしょう。

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