Azureチケットの作成及び管理

1.はじめに

これからの時代、ありとあらゆる企業がクラウドサービスを自社に導入し、利用していくことでしょう。例えばマイクロソフト社の「Azure」を導入、利用を考えているがどのようなサポート形態をしているのかを知ったうえで、用途に合ったものを選択していますか。今回は、「Azure サポートチケット」の作成及び管理について展開します。

2.Azure サポート API

1.「Azureサポート API」でできること

「Azureサポート API」は、サポートチケットの作成と管理はもちろんのこと、「Azure」を利用している自社のITサービス管理システムに直接統合して、共通の手順をプログラムで自動化することによって可能となりました。
これを利用すると以下のことができます。

  • 技術、請求、サブスクリプション管理およびサービスの制限に関するサポートチケットを作成できる。
  • 詳細な情報を含むサポートチケットのリストを取得し、ステータスまたは作成日でフィルターできる。
  • 重要度、ステータスから連絡先情報を更新する。
  • サポートチケットら関するすべてのコミュニケーションを管理する。

3.サポートチケットの作成

1.作成の手順

マイクロソフトでは、適宜発生した問題に関する情報を収集して、解決への支援を行っています。以下は、サポートチケットの作成を通した問題解決の手順および各セクションになります。

  • 基本情報の収集
  • サポートチケット(サポート要求ともいう)プロセスにおいて最初にする事は、利用者が抱えている問題とそのサポートプランに必要となる基本情報を集めることから始めていきます。
    まず[新しいサポートリクエスト]より[基本]のタブからセレクターを使用して「Microsoftへの問題の説明」を始めます。
    ここで問題の種類の「カテゴリー」を特定し、関連するサブスクリプションを選択します。
    選択をしたら、「Windowsを実行する仮想マシン」などのサービス、リソースの選択をしていきます。ここまで選択できれば、自身の言葉で「どのような問題が起きたか」を記述していきます。最後に該当する[問題の種類]と[問題のサブスクリプション]を選択し、問題内容をここで具体的に記述したら完了になります。

  • ソリューション
  • 基本情報の収集が完了したら、MicrosoftはAzureエンジニアによって作成されたソリューションを掲示して問題解決に当たってもらいます。大抵の問題はこのソリューションで解決する場合があります。また、場合によってはQuick診断を実行して解決することがあります。

  • 詳細情報の追加収集
  • より詳細な情報を追加収集し、Microsoftにその集めた情報を提供することで、承ったサポートリクエストを適切なエンジニアに転送を行います。
    以下は詳細な情報を送る際の手順になります。

    • 1.問題が発生した時期と、問題がなぜ発生したのかを知るため、行った手順を可能な範囲で知らせます。これらの情報は、ログファイルや診断からの出力などのファイルをアップロードすることが可能です。
    • 2.問題に関するあらゆる情報の記述が完了したら、サポートを受ける方法を選びます。
    • 3.方法を選択したら、[詳細]の[サポート方法]セクションより、影響の重要度を選びます。この重要度は利用している「サポートプラン」によって異なります。
    • 4.既定により[診断情報の共有]というオプションが選択されていることがあります。これにより、「Azureサポート」が「Azureリソース」から診断情報を収集することが可能となり、場合によっては仮想マシンのメモリへのアクセスを要求してくるなど、既定にない質問があります。
    • 5.利用者の希望とする連絡方法および連絡が来るタイミング、サポート言語を指定していきます。
    • 6.次に[連絡先情報]セクションに入力して、自分への連絡方法を知らせていきます。

  • 確認と作成
  • 各タブにて、入力すべきすべての情報を入れ終えたら、[確認および作成]を選択して、送信する情報の確認を行います。必要に応じて、任意でタブに戻って変更や修正があれば行います。入力が完了ししサポートリクエストが適切であれば[作成]を選択します。これにより、指定された方法を通して、エンジニアから利用者に連絡が行きます。

4.問題解決の方法はサポートチケットだけではない

1.サポートチケットを開かずヘルプ参照

上段の項目ではサポートチケットの作成についてご紹介しましたが、作成が手間だという方は、以下のリソースより回答や情報を確認していくという手段があります。

  • 「docs.microsoft.comの[技術ドキュメント]」より、操作方法に関連する情報やITプロフェッショナル、開発者に向けたサンプルコードなどのコンテンツを利用して解決に努める。
  • ITプロフェッショナルパートナーや利用者が共同作業、情報の共有、学習を行う場として設けられている「Microsoft Tech Community」を活用する手段もあります。またその中での「Microsoft Tech Community Info Center」に参加することで自分のアイデアを提出することができます。加えて、お知らせやブログ投稿、専門家との質疑応答もできます。

2.サポートチケットを開く

上段でのヘルプリソースを利用しても解決策が見つからなかった場合は、「オンラインサポートチケット」を利用します。ここでは、問題の領域の専門家となるエンジニアが担当できるように、1つの問題につき1つのサポートチケットを開く必要があります。また、「Azure Active Directory」のエンジニアリングチームでは、生成されたインシデントに基づいて仕事の優先付けを行っています。
以下はPortalで「Azure Active Directory」のサポートチケットを開く手順になります。

  • 1.「Azure Portal」にサインインして[Azure Active Directory]を開きます。
  • 2.[Azure Active Directory]が開いたら、[トラブルシューティング+サポート]の項目までスクロールしていきます。
  • 3.目的の項目までスクロールしたら[新しいサポート要求]を選択します。
  • 4.[基本]ブレードの[問題の種類]から[技術]を選択します。
  • 5.項目4にて[技術]の選択をしたら[サブスクリプション]を選び、[サービス]、[Azure Active Directory]の順に選択をしていきます。
  • 6.次にサポート要求の「概要」を140文字未満で作成します。
  • 7.概要を書き終えたら、[問題の種類]を選び、カテゴリー内で該当するものを選択します。この時点で問題のカテゴリーについては「セルフヘルプ情報」でも提供されています。
  • 8.問題に関する情報の追記を行うため、[次へ]を押します。
  • 9.この段階で[ソリューション]ブレードに「セルフヘルプソリューション」と「ドキュメント」が提供されます。どのソリューションからも解決がしない場合は、[次へ]を押します。
  • 11.[詳細]ブレードが開いたら、必要な情報を入力していき、入力後[重要度]がどれくらいかを選びます。
  • 12.最後に利用者自身の連絡先を入力します。
  • 13.入力を終えたら[次へ]を押すと確認画面が開きます。
  • 14.変更や修正がなければ、[作成]を押します。

ここまでの手順を踏んで、もし課金またはサブスクリプション関係の問題については、Microsoft 365管理センターを使用する必要があります。さらにMicrosoft 365管理センターで「Azure AD」のサポート受けられるのは、管理者のみとなります。

5.まとめ

「Azure」を利用していく上で、サポートエンジニアとの連携はビジネスの成功と運用の正常性を実現していく上で、欠かせない関係性にあります。統合コンソールである「Azure Portal」を利用してサポートチケットの作成や管理をしてきましたが、「Azure サポート API」がリリースされて以来、プログラムによってサポートチケットの管理および作成ができるため、利用者はより仕事に励みを成せます。

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