IT業界でよく聞くAzure(アジュール) とは

はじめに

皆さん、「Azure(アジュール)」という言葉は聞いたことはないでしょうか?「AWS」や「GCP」は聞いたことがありますか?IT業界に携わっている多くの方は聞いたことがあるでしょう。簡単に解説すると「Azure(アジュール)」、「AWS」、「GCP」これらの事を、「クラウドサービス」と言います。そもそも「クラウド」についてはご存じですか?

「クラウド」とは「クラウドコンピューティング」の事で、インターネットを経由して、別のコンピューターが持っているメールサービスや文章作成サービス、ストレージ、サーバーなどを利用することができるサービスの事です。

「Azure(アジュール)」とは、マイクロソフト社が提供するクラウドサービス、「AWS」とは、Amazon Web Servicesの略称でAmazon社が提供するクラウドサービス、「GCP」とはGoogle Cloud Platformの略称でGoogle社が提供するクラウドサービスの事なのです。この記事では、これらの中の1つ「Azure(アジュール)」について基礎的なことから解説していきます。

「Azure(アジュール)」とは

2008年に10月に「Windows Azure(アジュール)」が発表され、2010年2月に「Windows Azure(アジュール)」の正式リリースが始まりました。2014年3月に「Microsoft Azure(アジュール)」へと名称変更し、2020年4月現在でもサービスを提供しています。読みは先ほどから書いていますが「Azure(アジュール)」と読みます、IT用語というわけでもなく、英語で意味は「青空」という意味です。ちなみに英語圏だと「アジュア」と読みます、英語圏で「アジュール」と言っても通じません。それなら日本も「アジュア」でいいのでは通じるのかと思ってしまいますね。アズレとかアズールではないので注意が必要です。「アジュール」です。

「Azure」は世界最大のクラウド

「Azure」には他のどのクラウドプロバイダーよりも多く58のリージョンがあり、140か国で利用することができる巨大なクラウドサービスです。日本国内にも東日本リージョンと西日本リージョンが設置されています。リージョンが近くにあるので、データ転送の遅延を少なくすることが可能となっています。ちなみにITインフラ用語で使うリージョンというのは、データセンターがある独立した地域の事を指します。

DRやAzureのセキュリティについて

DRというIT用語をご存じでしょうか?DRというのは、ディザスタリカバリ(Disaster Recovery)の事で、自然災害対策、その回復や復旧の事を指します。日本でも2019年に大きな災害もあったので、今や大企業だけではなく、中小企業も取り組まないといけない問題です。Azureには、DRのサービスとして「Azure Site Recovery( ASR )」が組み込まれ、「DaaS」として提供されています。ちなみに「DaaS(IT用語:Desktop as a Service)」とは、デスクトップ仮想化システムの事で、クライアントPCなどのITリソースを効率的に運用する仕組みの事です。このような仕組みがAzureには備わっているので、災害や地震などがあっても復旧に不安がありません。またAzureは多層構造のセキュリティが提供されており、全世界で3500名以上のサイバーセキュリティ専門家のチームが常にセキュリティを監視し、DDoS(IT用語:攻撃対象が正常に稼働できないように妨害する攻撃)などの脅威からの保護にも対応しています。

「Azure」が提供する「サービス」とは

「Azure」が提供する「サービス」は、IaaSとPaaSの2種類があります。まずIaaSとはIT用語の事で、「Infrastructure as a Service」の略語で、読みは「イァース」です。システムを稼働させるための、サーバーやストレージなどのインフラをインターネット経由のサービスとして提供する形態の事です。PaaSもIT用語の事で、「Platform as a Service」の略語で、読みは「パース」です。アプリケーションソフトウェアを構築、稼働させる為に必要な土台(ハードウェア、データベース、OSなど)となるプラットフォームをインターネット経由のサービスとして提供する形態の事です。Azureはこれらの2種類のサービスが多岐に渡ります。ちなみにですがSaaSというIT用語もあります。これは「Software as a Service」の略語の事で、読みは「サース」です。これまではパソコンにインストールしていたアプリケーションが、インターネット経由で使えるようになった形態サービスの事です。マイクロソフト社の「Office365」や「OneDrive」がSaaSですね。それでは話を戻してAzureのサービスをいくつか以下に紹介させていただきます。

Azure Storage

Azureのストレージサービスです、PaaSに該当します。Azure Storageを使用することにより、クラウドに様々なデータを保存するサービスです。あらゆる非構造化データを保存できるBlob StorageというものやAzure Filesというシンプルで低価格なストレージがあります。

Azure Site Recovery

「Azure Site Recovery( ASR )」というのは、上記で説明している通りの自然災害対策、その回復や復旧を行うサービスです。

Azure Virtual Machines

「Azure Virtual Machines」は仮想マシンを提供するサービスです、IaaSに該当します。Windows Serverだけではなく、MS(Microsoft)社の製品ではないLinux Serverの仮想マシンも提供されています。

Azure Cloud Service

「Azure Cloud Service」は、PaaSです。拡張性と信頼性が高い動作環境です。アプリケーションを構築、運用しやすいように、カスタマイズされたWindows Serverインスタンスを利用できるサービスです。仮想マシンほど自由度は高くない反面、開発、構築のサポートが充実しているため、容易にアプリケーションを展開できます。

Azure Virtual Network

「Azure Virtual Network」とは、Azureの内部、外部と仮想的なネットワークを構築できるサービスです。更に複数のサブネットに分割することが可能です。「Azure Virtual Network」はルーティング( パケットを正しく送信先へ送ることができる経路の事 )を設定することなく、インターネットや仮想ネットワークでの通信が可能です。必要であれば、ルーティングの設定を上書きして、ルーティングを変更することも可能です。仮想ネットワーク同士の通信では、ピアリングの接続をすることによって、同じネットワークとして利用ができるようになります。ピアリングはリージョン( 領域、区画の意味 )をまたがってのピアリングや、サブスクリプションとのピアリングを行うことも可能です。

Azure Traffic Manager

「Azure Traffic Manager」とは、DNS機能により宛先サーバーを振り分けることができるサービスです。複数のリージョンをまたいでの負荷分散、性能の向上が可能となっています。

Azure Web Apps

「Azure Web Apps」は、WebアプリケーションやRest API( Web上に公開されているサービスを外部から呼び出し利用するもの )をホストするためのクラウドサービスの事です。OSはWindowsでもLinuxでも利用可能です。特徴としてはフルマネージド型のサービスです。フルマネージド型のサービスというのは、コンピューターの障害監視、バックアップやソフトウェアのバージョンアップといった運用にかかわる作業をクラウド業者が行ってくれるサービスの事です。つまり顧客がシステムに対して何か技術的なことを行うといったことが全く必要のないサービスの事ですね。

Azure Active Directory

「Azure Active Directory」とは、簡単に言うと、Active Directoryのクラウド版です。ちなみに、Active Directoryというのは、オンプレミス環境の社内アカウントやデータを認証、認可するためのサービスです。つまり「Azure Active Directory」というのは、クラウドサービスのアカウントに対する認証、認可する為のサービスです。

Azure CDN

「Azure CDN」とは、「Azure Content Delivery Network」の頭文字をとった略称です。コンテンツの読み込み時間の短縮、サーバーの負荷を軽減、コンテンツ配信の最適化やコスト削減を行うことが可能です。つまり効率的に配信するCDNサービスですね。ちなみにCDNとは、Webで送受信されるコンテンツを効率よく配送するために作られたネットワークの事です。

Azure SQL Database

「Azure SQL Database」は、クラウドデータベースサービスです、PaaSに該当します。幅広いSQL Serverエンジンとの互換性を備えており、コードを変更することなく円滑に移行することが可能です。他には、SQL ServerをPCにインストールし、運用する場合と比べ、サーバー管理の大部分をAzureに任せることが可能というメリットもあります。

Azure Backup

「Azure Backup」とは、オンプレミスのWindows Server上のデータをAzure上に1クリックでバックアップ可能なサービスです。「Azure Backup」はコスト面でも優れており、転送する受信データ、送信データの量に制限がなく、転送されるデータに費用はかかりません。

Azure Functions

「Azure Functions」とは、サーバーの存在を意識せずに、プログラム(C#、Java、Pythonなど)を実行することができるサービスです。注意点としては、サーバーレスと呼ばれる「Azure Functions」ですが、サーバーがなくても問題ないということではありません。あくまでサーバーの存在を意識せずに、という点が注意です。

Azure ExpressRoute

「Azure ExpressRoute」とは、通信回線のプロバイダーが提供する専用回線を用いて、企業内のオンプレミスで構築されている社内ネットワークを拡張し、Azureとプライベート接続を実現するサービスです。通常のインターネット回線とは異なり、高速であり、信頼性も高いという点が「Azure ExpressRoute」の特長です。

Azure Service Bus

「Azure Service Bus」とは、Azureやオンプレミス、他のクラウドサービス間で、サービスの連携やメッセージ通信を行うサービスの事です。送信者がメッセージを送信し、それをService Busに蓄えておき、受信者が必要な時にそれを受信して処理を行うというような使い方をします。

Azure無料アカウント登録

ここまで、読んでAzureに興味を持って頂けたら非常に嬉しいです。実際に触ってみたくなった方もいるのではないでしょうか。なんと、Azureは初アカウント作成だと、12か月間無料でアクセスが可能なのです。注意点としてはすべてが無料ではありません。25以上のサービスへのアクセスが無料であるという点には注意が必要です。しかし、それでも驚くことに最初の30日間は22,500円分のクレジットがもらうことができるのです。つまり、実質1か月間はすべてのサービスの利用ができるという事ではないでしょうか。もちろん、22,500円分のクレジットを節約してうまく使うという前提です。このようにAzureはとても試しやすい「クラウドサービス」なのです。実際に触ってみて、満足のいくものであれば、このまま継続して使用していきましょう。考えていたようなツールでなければ解約するという使い方をしてみてもいいのではないでしょうか。

まとめ

本記事では「Azure」の基礎的なことをご紹介させていただきました。Azureは、セキュリティ面も優れている世界最大のクラウドであり、様々なサービスがあります、興味を持っていただけた方や利用したい方は一度、実際に無料アカウント登録を行っていただいて、使用感を確認してから使い始めることをお勧めします。最後までご覧いただき、ありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です