Azure上でファイルサーバを構築するメリットは?

はじめに

Azure(アジュール)で提供しているクラウドサービスの中に存在する、Azure Files。ファイル共有サービスなのですが、どのようなメリットがあるのかよく分からない方も多いのではないのでしょうか。Azure上でファイルサーバを構築するメリットは何なのか、分かりやすく紹介していきます。

Azureについて

そもそもAzureとはどのような製品なのか、Azure Filesの説明を始める前に簡単に紹介します。Azure(アジュール)は、Microsoft Azureのことを指しており、Microsoft社が提供するクラウドサービスの集合体のことです。クラウドサービス自体は他社にも存在しますが、Azureの特徴としてクラウドプロバイダーを比較した際、データセンター設置地域が多いことが一つ挙げられます。また、明確なセキュリティやプライバシーの要件を定義しながらも、それを確実に遵守し続け業界をリードしていることが強みと言えるでしょう。また、Azure Files(ファイル共有サービス)は、Azure ストレージサービスの1つです。(4種類に分かれている)一般的にストレージは、パソコン内で長期間データを保存するために必要な補助記憶装置のことを指します。それでは、いよいよAzure Filesの内容を紹介していきます。

Azure Filesについて

Azure Filesはクラウドで、業界標準のServer Message Block (SMB) プロトコルを介してアクセスできる、ファイル共有サービスです。クラウドまたはオンプレミスにあるOSに同時にアクセスでき、Azure File Syncを使用すれば高速アクセスで近くのWindows サーバにAzure ファイル共有をキャッシュできます。Azure上にあるため、世界中のどこからでもファイル共有可能で、OS等におけるメンテンナンスの必要がない利便性のよいサービスと言えるでしょう。

Azure Filesで可能なこと

従来のオンプレミス ファイル サーバまたはNAS デバイスの代わりにWindows、macOS、Linuxなどの一般的なOSに置き換えが可能なため、世界中のどこからでもファイル共有ができます。Azure File SyncやAzure Files AD 認証の最新リリースを用いれば、パフォーマンスを向上させることも可能です。”従来の” リフト アンド シフト シナリオ(アプリケーションとそのデータの両方が Azure に移動)と”ハイブリッド” リフト アンド シフト シナリオ(オンプレミス上でアプリケーションを実行する)の両方に対応できる柔軟さもあります。また、新しいクラウド開発プロジェクトを簡素化するため、次にあげる様々な使用方法も存在します。一般的な構成ファイルの配置場所に限らず、ローカルでSMB共有をマウントすることでアクセスできます。開発者はFile REST APIを通してアプリケーション インスタンスによって書き込まれたログにアクセスし、柔軟性を得ると共に使い慣れたツールでクラウド開発を行えます。開発、テスト、デバッグ時にコピーせずともユーティリティやツールにすばやくアクセスできます。

Azure Filesのメリット

上記の「Azure Filesで可能なこと」に被る部分もありますが、続いてメリットを簡潔に紹介していきます。Azure Filesは共有アクセスのため、共有性を必要とするアプリケーションにおいて多大なる効果を発揮します。開発者は、ファイル システム I/O API を介して共有内のデータにアクセスできるため、既存のコードとスキルを活用しながら既存のアプリケーションを移行することができます。 さらに、ハードウェアまたは OS を管理する必要がないのも強みの1つと言えるでしょう。

Azure Files AD 認証について

Active Directory (AD) (プレビュー) および Azure Active Directory Domain Services (Azure AD DS) (GA) を介したサーバー メッセージ ブロック (SMB) 経由のID ベースの認証が、Azure Filesではサポートされています。このため、既存のファイル サーバーをAzure Filesに置き換えて既存のディレクトリ サービスを使用し続けることができ、共有に対するシームレスなユーザー アクセスを維持することができます。また、Windows ファイルサーバーと同様に、Windows DACLの保持、継承、および適用をサポートしています。オンプレミスのファイル サーバーの置換などに適しています。Azure ファイル共有の AD 認証を有効にする方法については、公式サイトを参照ください。

まとめ

Azure上でのファイルサーバ構築について、少し見えてきましたでしょうか。Azure Filesを使用することで、オンプレミスのファイルサーバの置換または補完、ファイルアプリケーションやユーザーデータをファイル共有に保存、クラウドにアプリケーションを簡単に “リフト アンド シフト” 、新しいクラウド開発プロジェクトを簡略化することが可能になります。実際に使用する環境や緊急性など総合的に判断し、ファイルサーバ構築の手助けとなれば幸いです。最新のAzure Filesの料金、Azure サービス自体の料金は公式サイトに計算ツールが用意されていますので、そちらを利用してください。

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