AzureとAWSの違いは?

はじめに

クラウドコンピューティングサービスの中でも、シェア率の高いMicrosoft社のAzureとAmazon社のAWS。使用する環境によって、どちらがより使いやすいかは変わりますが、一体どのような違いがあるのでしょうか?

今回は、AzureとAWSのそれぞれのメリット・デメリットや両者の共通点・違いについてまとめていきます。

Azureの特徴

Azureを使用するメリット

・Microsoft社の製品との連携が容易

AzureはMicrosoft社のサービスなので、Office365やSharePointといった、Microsoft社が提供するサービス、アプリケーションとの連携や移行がスムーズに行えます。

・オンプレミスサーバーとの親和性が高い

IT業界に強い影響力を持つMicrosoft社が提供するサービスですので、オンプレミス(自分たちで情報システムを保有し、自分たちの設備によって運用すること)サーバーとの連携が容易となります。パソコンだけでなく、保有サーバーにもWindowsを採用していることは多いため、それらのサーバーとの親和性が高いことも、他のクラウドコンピューティングサービスとの大きな違いです。

Azureを使用するデメリット

・仮想マシンの起動速度が遅い

仮想マシンを起動する際の時間ですが、AWSは1分程度なのに対し、Azureは2分30秒程度かかってしまいます。起動完了までの時間がかかるため、運用面において他のサービスとの違いが出てしまうのが難点です。

AWSの特徴

AWSを使用するメリット

・長期にわたる安定したサービス提供実績

AWSは2006年7月に公開され、10年以上にわたってクラウドコンピューティングサービスを提供していることが、他との大きな違いです。

・豊富なサービスを数多く展開

ビッグデータ分析、ストレージ、サービス系アプリなど、165を超えるサービスを提供しており、AWS のみで多くのサービスを組み合わせて構築することが可能です。

AWSを使用するデメリット

・法務上の弱点

日本の企業が日本でAWSのサービスを使っていても、AWSに適用される法律(準拠法)はアメリカの法律でした。何かあったときに裁判で判断してくれる管轄裁判所もアメリカの裁判所ということになっていました。

2017年4月から利用者が任意で準拠法を日本法、管轄裁判所を東京地方裁判所へと変更することが可能となりました。しかし、これは任意なので選択を変更するのを忘れてしまうとアメリカの法律適用のままになってしまうので、注意が必要です。

AzureとAWSの比較まとめ

共通点

・従量料金制度を採用

どちらもイニシャルコストを抑えることができる上、ランニングコストは従量制料金となっています。サービスを使った分だけ支払いをすればいいので、無駄なコストが抑えられるというクラウドサービスならではのメリットがあります。ただし、利用サービスによっては、オンプレミスに比べて、クラウドサービスの方が、維持費用が高くなる場合もあります。

・スムーズなグローバル展開が可能

世界中に拠点があり、それぞれの国でサービスを提供しているような場合でも、アプリケーションの展開を容易に行うことができるので、同じサービスを提供することが可能です。

・安心のデータ保護

どちらのサービスにおいても、データ保護の観点から見てもしっかり保護してくれます。他にもサーバーが故障し、利用できなくなった状態であっても、前もって設定しておくことにより自動復帰サービスを利用できるため、安心して利用可能です。

・リスクの分散

オンプレミスサーバーでバグや情報流出などの問題が発生した場合、100%自社で責任を負うことになります。しかし、クラウドコンピューティングサービスを利用することでクラウドサービス提供者へのリスクの分散ができます。

違い

・既存のMicrosoftライセンスを活用する場合はAzure

Microsoftの製品でシステム構築を行った場合、共有やスムーズな作業を行えるメリットがあるのが、他のサービスとの違いです。Microsoftの専門的な技術と得意分野なら、Azureサービスを利用するのがおすすめです。既存のWindowsサーバーのライセンスを使用すると、Azureへ移行する際に割引料金が適用されます。

・より広い分野での使用を考える場合はAWS

Azureで利用できない幅広い分野での仕様を考えている方は、AWSのサービスを利用したほうが良いでしょう。Microsoft社が提供する以外の製品との連動や、共有を行う利用用途を活用する場合においては、AWSを利用するのが適切で効率が良い方法です。さまざまな方面にアプローチをかけることができ、利用したい用途に合わせて1ライセンス(1つのサービス課金)を利用することができる点が、AWSと他のサービスとの違いです。使いたい時に使いたいだけ利用する使い分け方が、効率的な利用方法かと言えます。

まとめ

ここまでAzureとAWSの違いについてまとめてきましたが、どちらも細かく見ていくとさまざまな特徴があります。また、クラウドコンピューティングサービスは、オンプレミス環境と比較して保守や運用面などの自由度が低いなど、クラウドサービスとオンプレミスとの違いも検討する必要があります。どれか一つのみの利用ではなく、両者や他のクラウドサービスを併用する例もありますので、ご検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献:
https://www.geekly.co.jp/column/cat-technology/1909_009/

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