Microsoft Azure導入事例

Azureの導入・日本のクラウド化

Microsoft社が提供するクラウド・コンピューティングサービス、Azure。世界中でクラウド化が進む中で日本はクラウド支出の割合が最低ランクとなっており、アルゼンチン、インドネシアと並び、「クラウド抵抗国」に分類されています。クラウド抵抗国以外の国々ではクラウドでない方が珍しいというレベルまで普及している国もあります。ではなぜ日本のクラウド化が遅れているのでしょうか?気になったので調べてみることにしました。

クラウドの導入を迷う原因

企業が導入を迷う原因として考えられているのは、システムの保守費に費用をまわしているのでクラウド導入にまわす費用がない、企業固有のシステムとの相性が悪く連携が難しい、などが考えられています。日本人の特徴として、不確かなものを積極的に取り入れようとしない、失敗のリスクを負いたがらない、知らないものには触れない、というのも原因として考えられそうですね。Azureではライセンスごとに出来ることが決まっていて、ライセンスを組み合わせて導入することで柔軟な働きをさせることができます。失敗のリスクを最小限に抑えるためには専門的な知識は必要不可欠です。次は実際の導入事例をもとに、どんな運用方法があるのか見ていきましょう。

Azure 導入事例

ユーザー:KAGOME CO,. Ltd. (カゴメ株式会社)の導入事例
パートナー:JSOL Corporation (株式会社JSOL)

導入前の問題点、導入のきっかけ:正確さと効率が求められる管理業務においてSAP ERPを利用していたが、業務にシステムを合わせてきた結果、稼働するアドオンの数が1,000を超えてしまっていました。それに加えて、独自に開発した.NET システムも多数乱立しており、システム間の連携が困難になっていました。10名程の常駐開発者とAMO(アプリケーション マネジメント アウトソーシング)サービスでシステム環境を運用していたが利用者からの問合せの対応に追われ、会社にとって本当に取り組むべき業務領域にリソースを割くことができなくなったのでクラウドへの移行を検討しました。どこの会社の提供するクラウドを導入するかについては、Windows Server、SQL Serverなど複数のMicrosoftのサービスを利用していたためAzureと相性が良いと考え、これらのサービスを含むAzureのライセンス契約へ踏み切きました。
Azureを導入した結果:1,000以上あったアドオンの数を100未満に削減し、経理、会計、人事、購買に関わる約91%の業務の標準化に成功しています。管理部門の業務を年間 4.6 万時間分ほど効率化できる見込みです。

ユーザー:TOEI ANIMATION Co.,Ltd. (東映アニメーション株式会社)
パートナー:INFORMATION SERVICES INTERNATIONAL-DENTSU, LTD. (株式会社電通国際情報サービス)

導入のきっかけ:将来を見据えた事業継続性を確保したかったためクラウドへの移行に踏み切りました。クラウドの構築、移行フェーズで事件が起きました。東映アニメーションではIBMのホストコンピューターAS/400を利用してSAP ERPを運用しており、このAS/400は導入から14年トラブル無しに稼働し続けていました。しかし、機械というのはいつかは壊れてしまうもので、構築の最中にAS/400の部品が故障してしまいました。問い合わせをしてみたところ、部品の在庫が日本に1つしかなく東京に保管されているとのことでした。これがもし日本に在庫がなく、海外から取り寄せることになっていたら、数日は業務が停止していたでしょう。東映アニメーション株式会社 経営管理本部 情報システム部の榊原 健司 氏はこの件を受けて、クラウドへの移行は英断であったと評価し、大きな手応えを感じています。
Azureを導入した結果:SQL Server 2016のファイル圧縮機能によって、ディスクの総容量を大幅に引き下げることができ、SAP ERPの性能が大きく向上しました。レポート実行では2倍近く処理性能が向上し、総容量の引き下げにより情報関連経費の削減にも成功しました。クラウドならではの従量課金制というのも活かし、約30%のコストを削減できる見込みです。

終わりに

ここまで Azureの導入事例とサポートについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。パートナー、サポートとの連携でスムーズな移行、導入を可能とし、より効率的な業務をこなせるようになります。この先、社内のシステム、セキュリティの管理を自社で行うよりもクラウドに任せ、社内の人間でなくてはできない業務にリソースを割いた方が効率的だと言えるでしょう。導入を迷う原因のところで述べた日本人特有の「知らないものには触れない取り入れない」スタンスではとても勿体無いので、この記事が少しでも皆さんの知識としてお役に立てたらと思います。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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