Microsoft Azureを無料で試用できるサービス4選

はじめに

アイキャッチ

Microsoft AzureはMicrosoft社が提供するクラウドプラットフォームです。
社内環境のバックアップや開発・テスト環境・ファイルサーバーとして目的に合わせ利用することもでき、豊富な製品群によりAIや機械学習といった流行の技術に触れることもできる非常に柔軟性・安全性の高いサービスです。ですが、従量課金制のため利用するには高額の費用がかかりそうだと躊躇している方もいるのではないでしょうか。そんな方向けにMicrosoft Azureの機能を無料で試用できるサービスをこれから紹介していきます。

Microsoft Azureの無料試用サービス紹介

1.Microsoft Azure無料アカウント

無料アカ

特徴

  • 12ヶ月間無料でAzureを体験できます。
  • 30日間は22,500円のクレジット枠内で任意の機能を使用することができます。
  • 25種類以上のサービスがいつでも無料で利用可能です。
  • 必要なもの

  • Microsoftアカウント、もしくはGitHubアカウント
  • どちらも公式サイトからアカウントが作成できます。その際にメールアドレスが必要なので準備しておきましょう。

  • 電話番号
  • SMSの入力が必要になるので、SMSの受け取りが可能な電話番号を準備しましょう。

  • クレジットカード
  • 本人確認のために必要です。無料枠を全て使い切っても、自動的に課金されることはないので安心して使えます。

    機能

    12か月間無料の製品
  • コンピューティング
  • Azureサービス無料枠機能
    Linux Virtual Machines750時間オンデマンド機能を備えたLinux仮想マシンを作成可能
    Windows Virtual Machines750時間オンデマンド機能を備えたWindows仮想マシンを作成可能
  • ストレージ
  • Azureサービス無料枠機能
    Managed Disks64GB×2Azure Virtual Machines向けの保護されたディスクストレージ
    Blob Storage5GBあらゆる種類の非構造化データに対応するストレージ
    File Storage5GBコードの変更をせずに分散型クロスプラットフォームファイルストレージに移行できる
  • データベース
  • Azureサービス無料枠機能
    SQL Database250GBインテリジェンスが組み込まれたSQL Databaseを作成
  • ネットワーク
  • Azureサービス無料枠機能
    Bandwidth15GB(受信データ転送は無料)送受信データの転送
  • AI
  • Azureサービス無料枠機能
    Computer Vision5,000件のトランザクション画像から情報を抽出し視覚化データを分類して処理
    Personalizer50,000件のトランザクション機械学習を使用しコンテンツの最上位のアクションを予測
    Translator2,000,000文字複数言語のテキスト翻訳をリアルタイムでアプリ、Webサイト、ツールに追加
    Anomaly Detector20,000件のトランザクションデータの異常を検出・特定してトラブルシューティングを行う
    Form Recognizer500ページドキュメントからのテキスト、キー/値のペア、テーブルの抽出を自動化
    Content Moderator10,000件のトランザクションテキストや画像をモデレートし、より安全で好ましいユーザーエクスペリエンスを提供
    Custom Vision10,000回の予測ユーザー固有のユースケースに合わせてコンピュータービジョンモデルを簡単にカスタマイズ
    Face30,000件のトランザクション画像内の人物とその感情を検出して識別
    Ink Recognizer2,000件のトランザクション手書きの文字、図形、ドキュメントのレイアウトなどのデジタルインクコンテンツを認識
    Language Understanding10,000件のテキスト要求トランザクション自然言語を解釈する機能をアプリ、ボット、IoT デバイスに組み込む
    QnA Maker3日既存のコンテンツから、会話形式で質問に回答するボットを作成
    Text Analytics5,000件のトランザクションテキストからセンチメント、キーフレーズ、固有表現、言語などの情報を抽出
    いつでも無料の製品※無料アカウントを含む任意のAzureサブスクリプションで試用可
  • コンピューティング
  • Azureサービス無料枠機能
    App Service10まで(Web、モバイル、APIアプリ)Node.jsやPHPなど好きなツールに使用でき、
    どんなプラットフォームに対応したアプリでも作成可能
    Functions要求数1,000,000サーバー不要のコードアーキテクチャを使用し、イベントを処理
    Azure Kubernetes Service (AKS)無料使い慣れたツールでコンテナーをデプロイ・管理できる
  • データベース
  • Azureサービス無料枠機能
    Azure Cosmos DB400RU/秒オープンAPIを使用し高速のNoSQLデータベースサービスで
    最新のアプリをあらゆる規模で構築可能
  • 開発者ツール
  • Azureサービス無料枠機能
    DevTest Labs無料高速で簡単な、無駄のない開発およびテスト環境を扱える
  • 統合
  • Azureサービス無料枠機能
    Event Grid操作数100,000信頼性の高い大規模イベント配信を実現可能

    まとめ

    無料のクレジット枠と12か月間の期間内であればIaaS、PaaS環境で検証、開発、テストまで一通りのAzureの機能を試用することができます。
    無料期間が終了した場合は、Azure無料アカウントを解約するか、従量課金プランのサブスクリプションとして継続することもできます。
    また「いつでも無料」の枠内であれば無料のまま一部のAzureサービスを使うことも可能です。

    注意すべきこととして、

  • 使わないリソースの停止を忘れない
  • どのサービスを使いたいかをある程度決めてから試用を開始する
  • の2点があります。

    2.Microsoft Learn

    トップページ

    特徴

  • クレジットカードなしで利用可能な無料学習サイトです。
  • 本物のAzure環境でハンズオン学習が可能です。
  • Azure環境のセットアップなどの初級者向けからアプリケーションの設計などの上級者向けレベルまで様々なコースが用意されています。
  • 必要なもの

    Microsoftアカウント

    どちらも公式サイトからアカウントが作成できます。その際にメールアドレスが必要なので準備しておきましょう。

    ※アカウントなしでも利用できます。ですが、アカウントがあれば

  • ブックマーク機能が使える
  • ラーニングパスが確認できる
  • ので、学習しやすくなります。

    機能

    1555件(2020年7月6日時点)のコースの中から製品・ロール・レベル・種類で検索し、自分の状況や学びたいことにあったコースを選ぶことができます。

    実際の画面は以下のようになっています。

    コース一覧1
    コース一覧2

    フィルタの内訳

  • 製品:”.NET”,”Azure”,”Github”,”Microsoft365″といった大項目から、さらに小項目で絞り込める
  • ロール:AIエンジニア,開発者,学生,管理者のような職業を選択できる
  • レベル:初級,中級,上級の3レベルに分かれており、学習レベルに応じて選択できる
  • 種類:モジュールとラーニングパスの2種類から選択できる
  • ※モジュール:単体の学習コース(組み合わせるとラーニングパスに)
    ラーニングパス:同テーマの学習コースを複数組み合わせ体系的にまとめたもの

    例:Azure初級者向けのコースを検索する場合

    画面左のフィルタで製品:Azure、レベル:初級を選択すると、以下のように「Azureアカウントを作成する」「クラウドの概念 – クラウド コンピューティングの原則」などAzureをこれから始める人向けのコースが表示されます。

    Azure初級開発者

    まとめ

    Microsoft Azure無料アカウントと異なり、アカウントもクレジットカードも必要なく、期間の定めもないので気軽に始めることができます。
    また、環境構築や製品の購入をしなくとも実務でも使われているクラウド環境をそのまま学習に使うことができるので、「Microsoft製品に少し興味が湧いた」方から、「Microsoft製品への理解をもっと深めたい」「資格を取得したい」方まで間違いなくお勧めできるサービスです。

    3.Azure Machine Learning Studio (クラシック)

    AMLS

    特徴

  • Azureの機械学習サービスの1つです。
  • Microsoftアカウントや職場や学校のアカウントでサインイン可能で、匿名でゲストアクセスも可能です。
  • Pythonに加えてR言語もサポートしています。
  • プログラミングなしでも予測分析モデルを作ることができます。
  • 必要なもの

  • ゲストワークスペース(8時間のトライアル)を利用する場合:アカウントやサインインの必要はありません。
  • 無料ワークスペース(有効期限なし)を利用する場合:Microsoftアカウントが必要です。
  • 機能

    実際の画面は以下のようになっています。

    AML画面

    対話型ワークスペースが提供されていて、データセットとモジュールを視覚的に繋ぎ、直感的に予測分析モデルを作成できます。
    また、テスト・反復作業、Webサービスとしてのデプロイまで行うことができます。

    まとめ

    後述するCognitive Servicesと比べ、学習コストは大きくなりますが予測分析モデルのカスタマイズができ、データを用意することで独自の学習モデルを作成することもできます。
    ある程度AIの開発知識やスキルがある方なら、直感的な操作でアルゴリズムを構築できるAzure Machine Learning Studio (クラシック)はお勧めな学習サービスです。

    4.Cognitive Services

    Cognitive Services

    特徴

  • 人間の認知機能の一部をAPIとして利用することができます。
  • 直接的なAIやデータサイエンスのスキル・知識がなくてもアプリケーションを構築できるAIサービス群です。
  • →活用することでAIエンジニアの不足問題を解決できるかもしれない、と言われています。

  • 言語やプラットフォームを問わず利用可能です。
  • 必要なもの

  • Microsoftアカウント
  • 各APIのキー
  • が必要です。

    機能(一例)

    Vision API
  • Computer Vision
  • イメージ内のコンテンツを分析することができます。無料枠では5,000トランザクション (1分あたり20回)まで利用できます。

  • Face
  • イメージから顔や感情を検出・識別することができます。無料枠では30,000トランザクション (1分あたり20回)まで利用できます。

  • Ink Recognizerプレビュー
  • コンテンツのデジタルインクを認識します。無料枠では月ごとに2,000トランザクションまで利用できます。

    Language API
  • Text Analytics
  • 感情・キーフレーズ・言語・エンティティを検出することができます。1か月あたり5,000トランザクションまで利用できます。

    Decision API
  • Anomaly Detector プレビュー
  • 異常検出の機能を埋め込めます。無料枠では月に20,000トランザクションまで利用できます。

  • Personalizer
  • パーソナライズされたユーザーエクスペリエンスを作成できます。無料枠では月に50,000トランザクションまで利用できます。

    まとめ

    Cognitive ServicesではMicrosoftが構築したAIモデルを利用できるので、機械学習やディープラーニングなどの知識やスキルがなくてもAIを扱うことができます。
    反面、すでに構築されたモデルを使用する為にやや自由度は低くなってしまいますが、個人レベルでは到底集められない量のデータを基にしたAIを利用できること、学習にかかるコストを大幅に削減できることは大きなメリットです。

    おわりに

    ここまでMicrosoft Azureを無料で試用できるサービスを紹介してきました。どれも無料枠が定められていますが、Microsoft Azureの機能を幅広く体験できる優れたサービスです。興味がある方はぜひお試しください。

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