Microsoft Azureのコスト管理で想定外の課金料金を防ぐ
Azureの料金について
Microsoft Azureの課金方式は、使った分だけ支払う従量課金制です。
従量課金制はMicrosoft Azureのみならず、パブリッククラウドに取り入れられている制度であり、コストを管理できれば便利な制度ですが、クラウドに不慣れ、使い始めなどの場合不要なリソースを使ったままにしてしまうと、思わないところで料金がかさんでしまうことがあります。
Azureで課金を行うにあたり、支出を把握して、管理できる手段について記載していきます。
Azureで支出を把握するために行えること
1. サービス追加前:「料金計算ツール」や「Azure 価格シート」を使用して推定コストを把握、管理する。
2. サービスを追加している場合:「Azure portal」を使用して推定コストを把握、管理する。
3. 「予算」、「アラート」、「コスト分析」でコストを監視する。
4. 請求書に記載される請求金額を、「詳しい使用状況ファイル」で比較して確認する。
5.「Billing API」、「Consumption API」で課金およびコストのデータをレポートシステムに統合する。
・「料金計算ツール」で料金を見積る
料金計算ツールを使用して、追加したいサービスにかかる推定コストを把握することができます。
通貨を変更することができるため、想定したい通貨での見積もりが可能です。
・「Azure 価格シート」を表示してダウンロードする
マイクロソフト エンタープライズ契約 (EA) または Microsoft 顧客契約 (MCA) を通じてAzureにアクセスできる場合、
すべてのAzureサービス価格が記載されているExcelファイル式のAzureアカウントの価格シートを表示してダウンロードすることができます。
・サービスを追加している場合:「Azure portal」で推定料金を把握して管理する
すでにサービスを追加している場合は、1 か月あたりの推定コストを「Azure portal」で表示できます。
・Azureサービス使用中にコストを監視する
・予算とコストのアラートを使用することで、予算を作成して、コストを管理し、異常な支出や浪費が発生した場合、自動的に通知するアラートを作成できます。
・Azureサービスを実行中、定期的にコストチェックをしてAzureの利用状況を追跡します。
コスト分析を使用することで、Azure利用に関するコストの発生源を把握することが可能です。
・「Billing API」、「Consumption API」と統合する
Azure の「Billing API」と「Consumption API」を使用して、請求データとコストデータをプログラムから入手することも可能です。 課金対象の使用状況を取得するには、「RateCard API」と「Usage API」を組み合わせて使用します。
Azureの使用制限を活用する
Azure の使用制限を設定することで、クレジット額を超過する支出が防止できます。
無料アカウント、または複数月にわたるクレジットが含まれるサブスクリプションタイプにサインアップする場合、新規の時点で既定で使用制限が有効化されています。
使用制限額は、クレジットの金額と等価であるため、変更することはできませんが、使用制限の削除を行うことは可能です。そのため、制限なし設定とするか、クレジットと同額の制限を設けるかの二択を選ぶこととなります。
・使用制限に到達した場合
使用制限を使い果たす額に使用量が到達した場合、デプロイしたサービスは、請求の残り期間中、無効になります。
たとえば、無料アカウントに含まれているすべてのクレジットを使いきった場合、デプロイした Azure リソースは運用環境から削除、Azure 仮想マシンは停止して割り当てが解除、ストレージ アカウントのデータは、読み取り専用となります。
使っているサブスクリプションに複数月のクレジットが含まれる場合、請求期間の開始時点でサブスクリプションは自動的に再び有効化されます。有効後はAzure リソースを再デプロイし、ストレージ アカウントおよびデータベースに再び完全にアクセスできるようになります。
使用制限に達した場合は、Azureにより電子メールで通知が送信されます。 Azure portalにて使用制限に到達したサブスクリプションに関する通知を確認できます。
なお、Azure無料アカウントでサインアップして使用制限に到達した場合、もしくは30日間の無料期限が切れた場合、従量課金制価格にアップグレードすることで使用制限が解除され、サブスクリプションが自動的に再度有効化されます。
Microsoft Azureの課金方式は使った分だけ支払う従量課金制であるため、使用する状況によって価格は変動します。こまめにチェックを行い、不要なリソースを残さず、浪費がないように気を付けましょう。