データ分析結果と比較

はじめに

IT技術の進歩により、大量のデータを集めることが以前より容易になりました。集めたデータを目的に応じて分析することで、データはその目的に応じた意味を持ちます。また、データ分析の結果同士を比較することで、より目的に沿った次の行動へとつながります。データ分析を比較するためには、どのような方法があるでしょうか。

データ分析

データ

データとは、数字や記号を用いて、事実として物事を表しているものを指します。データだけでは、ただ単に事実を表しているだけなので、数字や記号の羅列にすぎません。それらは目的をもって分析をすることで意味を持ちます。データは真実を表しますが、データ収集の際に誤ったデータを集めないように気を付けないと、分析・比較の結果が変わってしまう可能性があります。

分析

データは、分析することで意味を持ちます。分析とは、そのデータの中で規則性や、傾向等を探し出すことで、データに意味を与えるのです。分析をするにあたって、分析の目的を明確にすることが重要です。目的に関係のないデータを分析しても、その分析結果に意味はありません。また、正確でないデータが混ざった状態で分析をしてしまうと、誤った意味を持ってしまう可能性があります。

分析結果

目的をもって分析した結果、データは情報になります。データは、グラフや表でまとめることで、視覚的になりわかりやすくなります。

円グラフ

円全体を100%として、各項目の構成比率を示すのに用いるグラフです。関連する2つの項目を比較したいときには、反円グラフを使います。また、円グラフの構成要素に内訳を示したいときには、二重円グラフを用います。

折れ線グラフ

時間の経過に伴う値の変化を表すのに用いるグラフです。色や線の形状を変えることで、複数の折れ線を重ねることができます。使用例としては、営業所ごとの売上高のデータを、折れ線として重ねることで、変化の把握や比較ができます。

レーダチャート

レーダチャートは、複数の項目のバランスを見るために用いるグラフです。円を等分するように放射線状に放火軸を伸ばし、軸上にデータをプロットして各値を線で結んで、多角形のグラフを作成します。グラフの凹凸が項目のバランスを示します。レーダチャートは、蜘蛛の巣チャートとよばれることもあります。試験の平均点など、比較の基準となるデータと重ね書きすることで、値の特徴を把握しやすくなります。

ヒストグラム

連続したデータを小さな範囲ごとに区切り、各範囲のデータをそれぞれ棒グラフで表したものです。ある区分に集中してデータが分布する場合は、その区分を中心とした山型のグラフとなり、データの分布を把握します。区分の集中している山が2つある場合、異なるデータが混じっている場合があるので、一度データを確認したほうが良いかもしれません。例えば、男女身長体重のデータを分けてヒストグラムを作らなければならないのに、分けずに使っていた場合、山は2つできます。

データ比較

比較基準

データの比較基準には、時系列による比較や、男女、年代に分けて比較する方法があります。

時系列による比較

時系列による比較の例としては、売上の前月比や前年比を用いた比較です。データそのものとは別に、時間に関するデータが用いて比較することで、比較だけでなく変化の仕方を把握することができます。

男女比較

男性と女性では、身体的な特徴や、志向に違いが出ることが多いです。商品開発のマーケティングで、男女のデータの比較をしたりします。

年代比較

性別と同様に、年代でも志向に違いが出ることがあります。こちらもマーケティングでの比較等で使用されることがあります。

分析比較

分析結果は、比較することでより特徴をつかみやすくなります。特徴を理解することで、そこからさらに改善方法を考えることができるのです。

比較と意思決定

分析結果は、比較することで経営の意思決定や、マーケティング戦略などに役立てることができます。また、同じ製品カテゴリーでの比較は、客観的に見た購入の判断基準にもなります。相対評価が一つの目安になるのです。

システムにおける性能比較

システムの性能を基準値と比較するために、一定の条件で標準的な処理を行わせ、その処理時間を計測するテスト方式をベンチマークテストと呼びます。スマートフォンやパーソナルコンピュータの製品を比較する場合に参考にするとよいでしょう。

まとめ

データは、分析することで意味を持ち、比較することでさらに特徴を把握することができます。私たちは日々の生活の中でも、感覚的に物事を比較して行動を決定することが多いはずです。その比較をする際に、よりデータに着目して比較することができれば、より良い選択をできるのではないでしょうか。目的に応じた正確な比較をできるよう、データについてこれからも学んでいく必要があります。