エクセルでできるデータ分析

はじめに

データ分析というと専用のソフトを導入して行うようなイメージがありませんか?確かに世の中には様々なソフトがありますので、それぞれのソフトの強みに実現したいことが合致している場合専用のソフトの導入も手でしょう。

しかし、多くの人が使い慣れたエクセルでも十分に分析に必要な機能が備わっているのです。様々な機能を知ることによってエクセルでのデータ分析が可能になるでしょう。

エクセルは社会人はもちろん学生にとっても馴染み深いソフトです。多くの学校教育でも使用されており、私もPCの授業ではまずエクセル、ワードの使い方を教わった記憶があります。

なぜここまで浸透しているのかというと、備わっている多くの機能が関係しているといえます。「表計算ソフト」の名の通り数字に強く、分析や解析に役立つ機能がとても多く備わっています。

この記事ではエクセルに関する、便利な操作方法からデータの分析や解析に役立つ機能を紹介していきます。

便利な機能紹介

ピボットテーブル(ショートカットキー(Windows)Alt+D+P+F)

こちらは聞いたことがある人が多いと思いますが、意外と実際に使った経験のある人は少ないように感じます。

ピボットテーブルはクロス集計分析するための機能です。データ量や項目の量が増えれば増えるほどその便利さが感じられる機能です。

そもそもクロス集計とは「2つ以上のデータ項目を掛け合わせて結果を集計すること」※参考1 を指します。例えば、Web広告の表示回数に紐づくダウンロード回数を集計したり、クリックに紐づく課金額を集計したり、複雑なデータから知りたい情報を得ることができます。

エクセルでは対象のデータのシートでピボットテーブルを作成すると自動で範囲を検知し作成してくれます。

項目の量が多い場合、表示する項目を選ぶことが出来たり、行の項目にするのか列の項目にするのかも自在に変更できるので簡単に様々な観点からデータの分析が可能になります。

何パターンか項目を変更したり、行と列の入れ替えなどを行いコピーして別シートに貼りつけていけばそれだけで立派な分析資料になります。

さらに便利な点として、一度作ったファイルを残しておくことで使いまわすことが出来るのです。使いまわすとはどのようなことかというと、集計対象のデータがいつも同じ形式の場合、一度作成したファイルのデータを貼り変えればよいだけなのです。データの貼り変えを行い、ピボットテーブルに更新をかけると最新のデータを分析した結果が表示されます。

参考1:https://www.dsk-cloud.com/blog/basics-of-data-analysis

条件付き書式

こちらは使用したことのある人、使用しているデータを触ったことがある人は多いと思います。条件に合った数値部分の書式を変えるというものです。

条件というのは「10より大きい数値」であるとか、「内容にクリアという文字を含む場合」であるとか様々な条件を必要に応じて設定することができます。自分で関数を組んで条件として指定することもできますし、関数を組むのが苦手な人もエクセルに最初から分かりやすく条件の指定ができる設定が用意されています。

具体的には書式設定したい範囲を選択し(列や行、シート全体も可能)「10より大きい」の10を入力するだけです。魔法みたいですよね。

ただの表と条件付き書式設定を施されている表では見やすさが段違いです。

フィルター(ショートカットキー(Windows)Shift +Ctrl +L)

こちらも条件付き書式と同じく使用したことのある人も多いですね。列に対してチェックボックスや条件で見えるデータを絞ることが出来ます。

あくまでも見えるデータにしか違いが出ないので元のデータを壊すこともありません。見えない部分は折りたたまれているイメージです。

一つの列項目に対して何パターンか決まったデータが入る場合などはチェックボックスで絞りやすいですし、数値の場合は条件付き書式と同じく式で指定することもできます。

機能を組み合わせて使う

上記で紹介してきた3つの機能を組み合わせて使うことによってより分析がしやすくなります。例えば、1つのcsvファイルを分析する場合を考えます。

まず初めに元データをエクセルファイルに変更します。これは保存する際などcsvデータでは上記で紹介した機能や関数などが消えてしまうためです。

次に元データをピボットテーブル化します。抽出したい項目など必要に応じて変更したら、できた表ごとコピーします。元データはcsvが残っているのでいらない場合はその上に上書いても良いですし、新しいシートに貼りつけても良いです。

そして今度はその貼りつけたデータを加工していきます。ここで条件付き書式の出番ですね。任意の条件でデータに書式をつけていきます。書式は複数条件も指定可能なので、色による違いなどを欄外にまとめるなどすると見やすくなりますね。

最後にフィルターです。これはかけた状態で保存するとそのまま違う人が開いてもフィルターがかかった状態で開くことが出来るので見せたい情報に絞っておくと良いでしょう。また、書式でフィルターをかけることも可能ですので、先ほど条件付き書式で付けたいろでデータを絞ることができます。

おまけ 便利な操作方法について

なぜ機能だけではなく操作方法まで記事にするのかというと、理由は2つあります。

1,操作の仕方は効率の良し悪しにダイレクトに響いてくる

2,覚えた機能は増えても操作はマウスが中心になっている人が多い

操作方法とは具体的に言うと何かというとショートカットキーです。ショートカットは今どき誰でも知っていますし使っているので今更、と言うかもしれません。そうですよね、でもCtrl+cの説明なんてしないので安心してください。

これから紹介するのはあくまでも「エクセルで使える」ショートカットキーです。今日はぜひこれも覚えて帰ってください。(紹介するショートカットはWindowsのエクセルに限ります)

・Alt+E+S+●(下記アルファベットが入ります)

V ・・・ 値貼り

T ・・・ 書式貼り

F ・・・ 数式貼り    etc…

押すキー多くてカットできていないのでは?と思われるかもしれません。実はこれ慣れると非常に便利です。

エクセルを使ったことある人は絶対に経験していると思われる

「Ctrl+cしたらここだけ文字が大きい」「元データでは数値が入っていたはずなのに貼りつけたら0になってしまった」「貼りつけのときはマウス右クリックして値を選んで…」
これがなくなります。

自分が貼りつけたいと思った要素だけ貼りつけが可能になるからです。書式だけ貼りつけ、数式だけ貼りつけ、値だけ貼りつけ、その他応用で行と列を入れ替えての貼りつけなんかも簡単に左手でできます。

実はこの要素を絞っての貼りつけは、使う場面が非常に多いにも関わらず専用のショートカットは無いのです。ですから多くの人はマウスで対応しようとするのですね。

では今回紹介したAlt+E+S+●で何をしているかというと、Alt+E+Sで貼りつけメニューを呼び出しています。その後に続くアルファベットで何を貼りつけるかを選んでいます。慣れると流れ作業のようにその時々に最適な貼り付けをすることが出来るようになります。慣れていなくてもキーを押していくことでメニューが表示されますので、表示されたメニューに従ってキーを押下すると簡単に実現可能です。

さいごに

以上エクセルを使ってできるデータ分析についてでした。ほかにもエクセルには多くの機能が備わっていますし、関数も覚えれば覚えるほど便利に感じるようになります。馴染み深いとはいえ機能は決まったものしか使っていなかった人や、職場の先輩のやり方をそのまま実行している人もいろいろ触ってみるともっと自分の業務に役立つ機能があると思います。興味を持って触ってみてください。