SNS解析・調査の可能性と導入事例

SNSでマーケティング

SNSとは、Social Networking Serviceの略で、インターネット上でネットワークを構築できるサービスのことです。Twitter、instagram、facebook、LINEなどがSNSにあたります。これらはコミュニケーションツールとして広く認知されていますが、企業が公式のアカウントを作成し、消費者とSNSでつながるなど、マーケティングツールとしても活用されています。

SNSマーケティングは、企業の製品やブランドの認知度や好感度を高める広告やCMといった一方的なマーケティングから、消費者の特徴、消費者のニーズをリアルタイムで調査できる特徴があります。

今回は、SNSマーケティングの有効性と、解析・調査の効果を得られた事例をご紹介いたします。

SNSマーケティングの特徴

SNS解析調査の重要度

SNSが普及し、ユーザーはユーザー生身のネットワークの他に、インターネット上でもネットワークを作ることが可能となりました。それによって、いつでも気軽に消費者が意見を交換し合い、情報を発信しています。SNSはリアルタイムな意見の集合体であるともいえるでしょう。SNSはもはや、日常生活の延長から日常生活の一部となっているため、SNSを解析することで、ユーザーの生で真の声を調査することができるのです。

SNS解析調査でわかること

ユーザーのSNS上の行動や発言を解析することで、トレンド・志向・ニーズが調査できます。例えば、世界中で約10億人が利用する写真や動画を共有できるInstagramでは、気に入った写真や動画を気に入った場合に押すことができる『いいね』ボタンの機能があります。『いいね』の数が多ければ多いほど、多くの人が好感を持っているということです。また、写真や動画を種類別に分類したり、撮影状況を説明する『ハッシュタグ』という機能があります。ハッシュタグには、場所や製品名などが入力されることが多いため、ユーザーの人気製品やトレンドを調査することも可能です。
Instagramは写真・動画を中心したSNSですが、意見・情報といった文字を中心としたTwitter、日常的な会話を中心としたLINEなど、SNSによって収集できる情報も異なります。多種多様なSNSが展開されているため、調査項目にあったSNSを見つけることができます。

SNS解析・調査の事例

SNSの解析調査が導入された事例をご紹介いたします。

CMの反響調査

消費者の口コミや製品イメージが売上に大きく影響するため、広告作成に対して多くの企業が慎重になっているでしょう。

子供を中心に人気な鮮やかな色合いのゼリー「JELL-O」という製品が人気の食品・飲料会社クラフトフーズ・グループは、CMに対するSNS上の意見を解析調査し、新規顧客層の獲得と売上拡大に成功しています。

大人向けにイメージを刷新し、母親が子供たちに怖い話をして早く寝かせ、両親のみでゼリーを楽しむCMを流したところ、不快であるという苦情の電話が殺到してしまいました。CM継続の判断に迫られた際に、SNS上の反響を調査したところ、苦情の電話を上回る肯定的な反応があったことがわかったのです。この結果をふまえ、CMを継続の決断を行い、売上の拡大と新しいイメージの定着・新規顧客の獲得に成功しました。

製品や企業に対する消費者の意見はさまざまですが、SNS解析を用いることでより多く人の意見や企業に直接届けられていない意見も調査することができます。

製品の使用状況の調査

既存製品の売上拡大の為には、製品の新たな価値を発見・創造するために、市場調査や使用状況の調査を行います。

日本コカ・コーラ株式会社では、大人気商品であるコカ・コーラがどのような状況で飲まれているのかをSNSに投稿された画像を解析することで調査をしています。コカ・コーラのロゴが映っている画像だけを抽出し、さらに、一緒に写っている物体の識別を行うことで、どのような状況で飲まれているかがわかるという解析方法です。この解析調査の結果、これまで行われたアンケート調査の結果の他に、コカ・コーラと共にペットが写りこんでいる写真が意外にも多く発見されています。

これまでのSNS調査は、文字を解析し調査するものが多かったですが、近年は写真や動画を中心としたSNSのユーザーが増加していることから、画像の状況を解析することができれば、トレンドに乗り遅れることなく、リアルタイムな市場調査が可能となります。製品と消費者の関係性や、今まで見落としていた市場を発見することができます。

SNS解析調査のこれから

今回は、SNS解析調査の特徴と、導入事例をご紹介いたしました。
今後は、意見・状況のみならず、投稿された文章の言い回しや絵文字、さらには画像や動画に写った人の表情を読み取り、どんな気持ちなのかを解析していく技術の開発が進められています。より詳細で、多様な消費者の本音が調査できるようになれば、より消費者のニーズに適したマーケティングを行うことができます。
ありがとうございました。

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