【Python】無料で使える!便利ツールキット「Anaconda」について
0.はじめに
開発環境ごとに異なる「IDE」。プログラマーの方であれば、言語ごとにIDEを変えて開発を行ったことがあると思います。今回は、これからPythonでの開発を行う方なら必ず触れるであろう「Anaconda」について、便利なライブラリ、選べるIDEについて簡単に解説していきます。
1.AnacondaはIDEをまとめたもの
タイトルの通り、Anaconda自体はIDEではなく、IDEなどのツールをまとめたパッケージです。「jupyter Notebook」や「Spyder」もAnacondaに同梱されています。ただまとめるだけではメリットがないように感じますが、こちらに含まれている「Anaconda Navigator」が開発者にとって嬉しい役割を果たしてくれます。特にライブラリの管理機能においては、仮想環境ごとにライブラリのインストールやアップデートが行えます。たいていの場合はコンソールへのコマンド入力が必須ですが、AnacondaNavigatorには画面で見て一目でわかるよう用意されているので、手順書を読まなくても操作が容易に行えます。それでは、下記にAnacondaに同梱されている便利なライブラリを簡単に記載していきます。
2.Anaconda同梱の便利なライブラリ
Pythonでの開発を行う上で、下記のライブラリがあることで非常にスムーズに開発を行えます。
・NumPy
・SciPy
・Pandas
・scikit-learn
それぞれ下記にどんなライブラリなのかを解説いたします。
・NumPy
数値計算を行うための拡張モジュールです。Pythonのリスト機能もありますが、高速計算処理であればNumPyが向いています。NumPyを使用すれば機械学習や画像処理など大量のデータを処理が高速に行えるため、Pythonでの開発を行うのであれば重宝するモジュールです。
・SciPy
化学計算を行うための拡張モジュールです。こちらはNumPyをインストールしていないと使えません。もちろん、無料で使えるオープンソースのライブラリなのでご安心ください。こちらは積分や行列演算を高速で行えるため、統計や解析を行う際には非常に便利なモジュールです。
・Pandas
データ解析を行う上で分析・処理を行うことに優れているライブラリです。スマートデータリンクも含まれており、大量のデータの中から自動的にデータを持ってきたり、データを次元ごとに操作することも可能です。統計・分析・貿易でも幅広く利用されています。
・scikit-learn
機械学習を行うためのライブラリです。「サイキット・ラーン」と読み、オープンソースのため個人利用・商用利用問わず無料で利用することが可能です。NumPyとやりとりしながら設計を行うことも可能です。サンプルのデータセットも付属されているので、機械学習をこれから勉強したいと言う方もすぐに試してみることが可能です。
煩雑なコードを書かなくても、上記のライブラリを使えば統計や解析・AI開発もスムーズに行えます。
3.AnacondaはIDEも選べる
冒頭で触れた「Jupyter Notebook」や「Spyder」もAnacondaに同梱されています。世の中には様々なIDEが溢れていますが、それぞれの違い・どんな開発に向いているかも簡単に記載いたします。
・Jupyter Notebook
ブラウザー状で動作するWebアプリケーション作成に向いているIDEです。プログラム実行結果やグラフ描画などのビジュアル面が充実しており、プログラムを書いたらその結果がすぐ出力されるのが魅力的です。大規模開発など、一つのプログラム・ソースコードを毎回動かしながら動作を確認する際には非常に便利です。ディープラーニングなどの開発でよく使われるIDEです。
・Spyder
アプリ開発向けのIDEです。Spyderの特徴として、変数の現在地やソースファイルが含まれるディレクトリを表示する画面があります。変数の現在地をリアルタイムで観察できることから、統計開発や科学技術全般で利用されることが多いです。モジュール単位で開発が行えるため、アプリ開発においてはSpyderの方が向いています。
4.AnacondaとPythonは切り離せない関係
いかがでしたでしょうか。簡単に概要を解説いたしましたが、これからPythonで開発を行う方は、Anacondaを利用する方がほとんどだと思います。急成長しているAI、機械学習、科学計算において、「いかに早く処理をするか」がキーになってきます。大量のデータを扱っていく分野だからこそ、短いコードで正確な指示を出せることがプログラマーには求められます。オープンソースで便利なライブラリがたくさん公開されているAnacondaで、快適な開発をお楽しみください。こちらの記事が、これからPython開発を行う方に少しでも参考になれば幸いです。