ソリューションアーキテクトって何?

はじめに

本記事に興味を持って下さり、ありがとうございます。あなたはソリューションアーキテクトという言葉をご存じでしょうか?私はソリューション(解決)、アーキテクト(建築家、設計者)という個々の単語の意味は知っていましたが、聞いたことありませんでした。さて、簡単に説明いたしますと、ソリューションアーキテクトとは顧客と開発の橋渡し的な役割のことです。顧客に対して技術や活用方法の最も有効な手段を紹介する他、顧客の要望を開発チームとの間に入って調整していきます。この記事ではAmazon Web Service(AWS)のソリューションアーキテクトにフォーカスを当てて記事を作成しています。また、専門用語は先頭に(※)を付けて各パートの下の方に記述してありますので参考にして頂ければ幸いです。

どんな部門があるの?

上記ではソリューションアーキテクトは顧客と開発との橋渡し役と説明しましたが、その役割は多岐に及び、様々な部門があります。ここではどんな部門があるのか紹介していきます。

ストラテジックエンタープライズ

顧客の課題解決を技術面で支援、ワークショップや設計のレビュー、開発・運用時の性能の検証などの業務を行います。

金融担当

金融関係の顧客のクラウド移行の支援などの業務を行います。

エンタープライズ

大企業の顧客への状況・ニーズに合わせた技術支援、より良いアーキテクチャの作成などの業務を行っております。また、クラウドやAWSサービスに関する勉強会も行っています。

ミッドサイズエンタープライズ

ミッドサイズエンタ―プライズはその名の通り、中から大企業の顧客へのサービスを行っている部門です。これからAWSを使う顧客が多く、セキュリティや拡張性、コストなどの観点でより良いアーキテクチャを顧客やパートナーと作り上げていきます。

スタートアップ

おもに(※)スタートアップへの技術的支援を行います。時には、顧客のオフィスに赴き実装やプロトタイプ開発を密にサポートすることもあります。

セキュリティスペシャリスト

セキュリティの観点からビジネスを見つめ、AWSの魅力を最大限プッシュします。そのために顧客課題を察知して解決策を提案します。

IoTソリューションビルダー

IoTに関わるAWSサービスの設計の検討やサンプルとしてコード開発やデモンストレーション開発をしながら、顧客のもとへ提案する業務を行っています。

マシンラーニング

マシンラーニング(機械学習)を担当しており、AWSでデータ活用に課題を抱いている顧客に対し、より深く技術的な支援を行っています。また、他の地域と協力しながら技術的な解決策を作っていく仕事もしており、そこで得られた知見をセミナーなどで発信しています。

テクニカルソリューションズ

AWSのオフィスに来る顧客に対し技術相談会を実施したり、システムのクラウド化などを検討している顧客の質問や悩みを聞き、問題解決のアイディアや方向性をすり合わせてゆく職務です。内勤なので顧客のもとへ出向くことはありません。

アソシエイト

ソリューションアーキテクトのサポートを受けて活動し、1年以内に独り立ちすることを目標とした業種です。見習い的なポジションです。ちなみに、検索ワードで「ソリューションアーキテクト」と検索すると真っ先に上がってくるのは「ソリューションアーキテクト_アソシエイト試験」についてです。合格率の程はAWSが公表していないため分かりませんが、試験対策によりAWSを効率よく学び、資格取得により知識や技術を証明できる上、実務ですぐ使えるスキルを取得できるので人気の資格となっています。

専門用語説明

【スタートアップ】

新しいビジネスモデルを開発し、ごく短時間のうちに急激な成長と収穫物を狙うこと、人々の一時的な集合体のことをいいます。ベンチャー企業とかぶることも多いのですが、ベンチャーは長期的に、スタートアップは一時的に、と覚えると良いでしょう。

どんな人がやっているの?

下記でも触れますが、AWSのソリューションアーキテクトに求められる要素の一つがあります。AWSにはOur Leadership Principles(OLP)と言って、全員がリーダーであるという考えのもとで社員が枠にとらわれず、自分がやるべきと思ったことはどんどんやるという積極的かつ、自由に働けるといった点もハングリーなエンジニアにとっては大変魅力的な要素でしょう。そんなソリューションアーキテクトになるためにはいくつかクリアしなければいけない点があります。

必要なスキル

・ネットワーク、データベース、セキュリティ、OSなどのコンピューターサイエンスに関する基本的な知識

・Webアプリケーション、(※)DevOps、(※)Bigdata、(※)コンテナ、機械学習等の技術領域をキャッチアップできる要素

・情報技術に覚えのあるお客様と会話できるコミュニケーションの能力

・英語の読み書き

・OLPに共感、実践できる人

・専攻、AWS利用経験は不問

歓迎するスキル

・特定の技術領域に突出したスキル(コンテナ・機械学習・(※)HPCなど)

・アプリケーションの開発、運用経験

・流暢な会話レベルの英語

・博士号取得者

求める人物像

・コードの読み書きに長けている

・学生からCIOなどまであらゆるレベルにおける技術者兼開発者とすぐに信頼関係を築くことが出来る人物

・自分の情熱を他者と共有することを望む人物

・実行に際して戦略的な機会における優れた判断力を示せる人物

・業界の活動に携わりたいだけでなく、けん引したいと望む人物

上記の通り技術的な能力はもちろんのこと、世界中の同僚たちとメールまたは電話でのやり取りをするために高い英語能力が必要とされます。なかなか狭き門になりますが、グローバルな舞台で仕事しているということ、これが砕けた言い方をしますが自身を上げるということに繋がるのではないでしょうか。

専門用語説明

【DevOps】

開発(Dev)と運用(Ops)を組み合わせたものです。人、プロセス、テクノロジーを統合したもので、利用者に持続的に価値を届けます。

【Bigdata】

データ量が多いだけでなく、様々な形をした、様々な性格を持った、様々な種類のデータのことです。

【コンテナ】

ミドルウェアやアプリケーションが動くための前提条件を、仮想OSを必要とせずパッケージ化する仕組みです。

【HPC】

ハイパフォーマンスコンピューティング、大規模で高性能なコンピュータシステムを用いて、膨大な数の計算を必要とする処理を行うことです。また、一般的にはスーパーコンピューターを利用した科学技術計算などを指すことが多いです。

おわりに

この記事を読んでソリューションアーキテクトとはどんな職業なのか、どんな志とスキルを持って仕事に取り組んでいるか、ご理解頂けたら幸いです。私が抱いた印象はソリューションアーキテクトに就くには技術や英語力、地頭の良さはもちろん必要ですが、常に自分を奮い立たせる、それを持続させる「継続力」が最も必要だと感じました。以上、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です