IT業界の概要とトレンド

IT業界とは

ITは、今や私たちの生活に必要不可欠な技術です。インターネットやスマートフォンだけではなく、近年は家電、自動車、ゲームなどにもIT技術が使用されていて、今後さらにIT技術は多くの分野に進出するでしょう。そのような技術やサービスを担っている業界が「IT業界」です。

IT業界を知るべき理由

IT業界で働いてみたい!と思う方も多いでしょう。ITと聞くとなんとなく最先端な感じがしますし、自由な働き方が出来るイメージもあるのではないでしょうか。しかし、IT業界の中身をよく知っていないと、自分のイメージと異なる仕事をするハメになってしまいます。IT業界といっても幅広く、自分がどの仕事をしたいのかによって勉強することも求められる能力も違います。プログラミングが好きな人が要件定義や設計に携わっていては、プログラミングを使う機会は少ないです。このようなミスマッチが起きない為にも、IT業界について詳しく学んでいきましょう。

IT業界の種類

ここではまず業界の違いについて解説していきます。プログラマーとエンジニアの違いなどは職種の違いですので、混合しないようにしましょう。

IT業界には大きくわけて情報処理サービス業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界、インターネット業界、通信サービス業界があります。名前だけ聞いてもあまり仕事内容が想像できない場合が多いでしょう。これらについて詳しく解説していきます。

情報処理サービス業界とは

情報処理サービス業界とはシステムの設計、開発、運用、保守を請け負う業界のことでシステムインテグレーター(sIer)と呼ばれています。銀行などの業務系のシステム開発から官公庁のシステム開発を請け負ったりと、幅広い業界と関わり合う業界です。基本的に規模の大きな開発が多く、足りない人員はフリーランスやSESを使い補充します。情報処理サービス業界の有名な企業を挙げるとNTTデータ、富士通、野村総合研究所などがあります。

ソフトウェア業界とは

IT業界と聞いて多くの人が、イメージするのがこのソフトウェア業界でしょう。ソフトウェアとはコンピューター上で動作するプログラムのことでwindowsやMacOSなどのオペレーションシステム(OS)と、OS上で特定の作業を行うためのアプリケーションソフトウェアの2種類があります。ExcelやWordがアプリケーションソフトに分類されます。スマートフォンのアプリケーションを開発している企業もソフトウェア業界と呼べるでしょう。クライアントのニーズは日々変化しており、それに対応してソフトウェア業界も拡大しています。

ハードウェア業界とは

ハードウェア業界はソフトウェア業界と相対の意味で用いられ、形のある機器の開発を行う企業のことを言います。ゲーム機や家電、モバイル端末、ロボットなどの開発を行う企業が当てはまります。また、ハードウェア製品の制御システムを開発するエンジニアを組み込みエンジニアと呼びます。これからはIoTの普及により、組み込みエンジニアの需要は高まると予想されています。ハードウェア業界の代表的な企業は富士通やNECなどです。また、今までは物理的なサーバーを購入しなければいけなかったものが、クラウドサーバーというものが登場し、必ずしも物理的な購入を必要としないように時代は変化しています。最近はクラウドサーバーやクラウドwifiなどクラウド化がトレンドとなっています。本記事では詳しい説明は割愛しますので、詳しく知りたい方は調べてみてください。

インターネット業界とは

インターネット業界はブロードバンドの普及で爆発的に成長しました。企業のコーポレートサイトやECサイトを作成するweb制作企業やネットワーク構築を行う企業、SEO対策やSNS運用代行の企業などもこの業界に含まれます。インターネット業界で働く代表的な職種はwebディレクター、webデザイナー、webマーケターなどがあげられます。BtoCからBtoBまで幅広い企業が存在しています。

通信サービス業界とは

通信サービス業界とは、音声やデータなど様々な情報をやりとりするための通信サービスを提供する業界です。
インターネット接続の為のサービスを提供するインターネットサービスプロバイダというものと、固定電話を提供する固定通信、スマートフォンや携帯電話等などの通信するサービスを提供する移動体通信の3つがよく知られています。近年インターネットサービスが爆発的に普及したのはこの通信サービス業界の貢献のおかげと言って良いでしょう。また、最近は大手のau、docomo、ソフトバンクに加えて楽天も参入しましたし、格安simでLINE、mineo、UQモバイルなど新規参入が増えています。WIFIも、どんな時もwifi、クラウドwifi東京など提供する企業が増えて良い競走が生まれています。

IT業界の種類の解説をうけて

いかがだったでしょうか。ひとくちにIT業界といっても様々な種類があることをおわかり頂けたでしょうか。IT業界とは特定の企業や働き方を述べたものではなく、ITに携わる仕事を行う業界の総称と認識するのがよいでしょう。もしIT業界で働いてみたいという考えがあるならば、より細分化して、上で述べた5つの業界のどの業界が魅力的に感じるかを考えてみると良いかもしれません

IT業界のトレンド

IT業界にも流行り廃りがあります。これから流行っていくと予測される仕事につけば需要の拡大が見込めますので、よりよい待遇で働くことができます。逆に需要が減少しているものに関する仕事につけば、厳しい待遇となります。IT業界自体が伸びていく可能性が高いですが、その中でもさらにトレンドとなるものを紹介します。これからIT業界のトレンドとなるのはIoT、ブロックチェーン、フィンテックです。これからそれら3つの技術についてより詳しく解説していきます。

IoTとは

IoTとは「Internet of Things」の略で、物のインターネットと呼ばれています。現時点ではスマートウォッチやスマートスピーカーくらいしかイメージが湧かないかもしれませんが、家、自動車、家電、医療、農業、スポーツなど、IoTが進出すると言われている分野はまだまだ幅広くあります。将来、声で操作できる家や自動で動く車、遠隔で手術できる医療機械、自動運転の農機などができるかもしれません。IoTによって物がインターネットと接続されると、よりデータ収集が容易となり、AIを活かすことができますので、人工知能と相性の良い技術とも言えます。これらの発展により、ハードウェア業界の紹介で述べた組み込みエンジニアになるメリットは今後大きくなる可能性が高いです。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンテクノロジーとは改ざん不可能な分散型台帳技術のことです。ブロックチェーンが使われていて有名なのはビットコインです。ビットコインと聞くと、怪しい投機商品というイメージの人も多いかと思いますが、ビットコインで重要なのはそこではありません。ビットコインはブロックチェーンによって信用を担保しており、普通の通貨と違って中央管理者がいません。つまり、送金をする時などに多くの手数料を取られることもありませんし、より便利な通貨というわけです。この技術があまりすごいと思えないという人も多いかもしれませんが、ブロックチェーン技術はインターネット以来の大発明と言われています。今後はこの技術によって、中央管理者や中間業者の必要がなくなる時代が来るかもしれません。

フィンテックとは

フィンテックとは、ファイナンシャルとテクノロジーを掛け合わせた造語のことで、金融とITの融合というイメージで間違いないでしょう。今までは銀行が独占していた貸付業務や為替業務が、フィンテックによって奪われていく可能性があります。銀行の行う貸付業界とは預金者から集めたお金を安全な企業へ貸出し、その金利の利ざやで稼ぐ方法です。銀行は貸出す前に審査を行いますし、堅実な企業にしか貸し出さない傾向があります。なぜなら、将来性のある企業の目利きができないからです。将来性はわからないので、過去の実績や担保がなければ貸出しを行いません。

一方フィンテックの貸出しを例にあげると、Amazonレンディングがあります。過去の売買の履歴から安全性を判断し、迅速な融資を行ってくれます。その他にもクラウドファンディングという仕組みもあります。資金が必要な人が資金を募集し、多くの人から小額づつ集める方法です。お金を出す人は単純に理念に共感して寄付をする人や、リターンを求めている人、特典が欲しい人など様々な理由があります。このように、銀行が融資できなかった、過去の実績のない融資や迅速な融資がフィンテックにはできます。銀行と比べて人件費や支店の経費も掛からないため、金利も低くなる可能性が高く、フィンテックは金融を飲み込んでいくと言われています。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回はIT業界の大まかな分類と、IT業界の未来のトレンドについて解説してきました。IT業界で働いてみたい、なんとなくと思うだけでは危険ということがわかったのではないでしょうか。IT業界全体としては需要の拡大傾向があるとしても、廃れる技術も伸びる技術もあります。自分がどういった仕事をしてみたいかを一つ一つを詳しく調べながら考えてみましょう。また、業界を決めたとしても様々な職種があります。例えば、webページのデザインを担当するwebデザイナーや見た目を担当するフロントエンドエンジニア、中身のシステムをつくるバックエンドエンジニアなどがあります。そして企業の業務形態によっても働き方に違いがあります。IT業界は思っている以上に広くて複雑です。少しづつで良いので一つ一つ理解してから比較・検討するのがよいでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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