ソーシャルゲームの開発について

はじめに

現在、日本国内のソーシャルゲーム業界の企業は1031社と言われております。中でも有名な企業といえば、パズル&ドラゴンズ、モンスターストライクで知られるガンホーや、白猫プロジェクトで知られるコロプラ等では無いでしょうか。他にも任天堂やセガなどコンシューマーゲームの時代から名をはせた大企業から、ラインやミクシィなどのSNS企業まで様々な会社がソーシャルゲームに力を入れています。これはスマートフォンの普及が関係しており、基本無料や300円/月で始められる手軽さと、携帯できどこでも好きな時間に出来ることから、ソーシャルゲームの時代へと突入したのです。特にアジア圏はソーシャルゲームの主戦場となっており、日本でもゲーム開発に関わりたいと熱を込めている若者も多いのではないでしょうか。そんな、憧れのゲーム開発では具体的にどんな作業をするのか、どんな課題があるのか、ご紹介していきます。

ゲーム開発の役職

様々な役職の人が関わることで、ゲーム開発は成り立っています。ここでは一部ではありますが、どんな役職にどんなスキルが必要か説明していきます。

ゲームプランナー

ゲームの内容、ストーリー、キャラクター、バトルシステム、イベントなどの、いわばゲームの骨組みをつくります。さらに、売り上げやユーザーを増やすためにマーケティング戦略の考案を行うなど、幅広い業務を担当します。ソーシャルゲームではいかに顧客に課金をしてもらうかがポイントなので、そこも意識して戦略を練らなければなりません。

プログラマー

企画・開発が決定したゲームの制作仕様書をもとにプログラミングし、実際にゲームそのものが動くようにする仕事です。キャラクターの動き、ユーザー画面の設計、サーバーの構築など、その業務は多岐にわたります。プログラマーが居なければ、どれだけゲームをプランニングしても実際に動かすことが出来ないため、ゲームの中枢を担う仕事といえるでしょう。開発したゲームのWEBサイトやゲーム開発に関わる特殊なツールを作る場合もあります。プログラマーとして必要とされる主なプログラミング言語には、C#、C++、Java、JavaScript、PHP、Objective-C、Rubyなどがあります。また、ゲーム業界ではUnity、Unreal Engineといった専用のゲーム開発エンジン(プラットフォーム)を利用して開発することも多いです。特にソーシャルゲームにはRubyやUnityが最も広く使われています。

デザイナー

ゲームのキャラクター、背景、アイテム、武器、魔法演出、エフェクトなど、ゲームにおけるビジュアル制作を担当します。これらの項目を平面で制作するなら2Dデザイナー、立体なら3Dデザイナーと分類分けされ、更にキャラクターデザイナー、背景デザイナー、エフェクトデザイナーと細分化されます。IllustoratorやPhotoshop、MAYAや3DS MAXといったデザインシフトを使用します。また、2Dデザイナーも3Dデザイナーもデッサン力が非常に重要な能力だと言われております。

デバッガー

作成されたゲームが仕様通りに動くか検証し、バグやエラーがないか細かくチェックする仕事です。ゲームリリース後もアップデート、コンテンツの追加の度にテストをしなくてはなりません。「通常」通りプレイしてバグがないか確かめる一方、「普通、ユーザーがやらない動作」を試してバグを見つけることがデバッガ―に求められる仕事です。資格や特別なスキルは必要なくても忍耐力と根気、探求心が必要な仕事と言えるでしょう。

サウンドクリエーター

ゲーム内の音楽、効果音の制作および編集を行う仕事で、もともと音楽が得意な人に向いている職務です。資格はこれといって必要ありませんが、Pro ToolなどのBGMや音楽作成ソフトや編集ツールを使いこなす技術が必要です。

データベース設計、管理者

ソーシャルゲームはユーザーがセーブ機能を用いなくても自動的にアクションを起こせば、その都度、更新されていきます。このように常に更新や、削除を繰り返していくのでデータベースツールを使いこなせる人物が必要となってきます。特に頻繁に使われるクエリは「INSERT」「UPDATE」「DELETE」です。

開発時の苦悩

「はじめに」ではソーシャルゲームにはあらゆる企業が力を入れているとお話ししましたが、実はソーシャルゲームの業界は全く甘くないのです。一言でお伝えしますと「レッドオーシャン」状態です。ライバル企業が多いうえに、ヒットしなければ爪痕も残せず、新しいゲームは消えてゆくことが多いのです。

例えば、開発費が1億円かかったゲームがあったとします。なかなか好評で1,000万円/月に売り上げていたとしても、売り上げからGoogleやAppleへ手数料として30%支払わなければなりません(残り700万円)。更にそこからサーバー代、人件費、広告費といったコストを仮に、総額200万円引かれるとすると、手元に残ったのは500万円です。開発費を取り戻すのに20か月かかる計算です。このように月に1,000万の利益を出すゲームだとしても黒字に持っていこうとするのは大変難しいことです。

さいごに

最後まで目を通していただき、ありがとうございます。ソーシャルゲームの業界は一見華やかな世界に見えますが、実は大変厳しい業界で、新しいゲームがリリースされにくい状況ではあります。しかし、夢が詰まっている業界であるのは確かです。これから社会人になる方々、もしくは20代、30代の方々は幼いころからゲームに接してきて、自分も将来ゲームに関わる職に就きたいと思っている方も多いのではないでしょうか。私自身もゲームとの関りが強く、一時期はゲーム関係の仕事をしてみたいと思った時期もありました。ソーシャルゲームはコンシューマーゲームのようにリリースされたら終わりではなくて、常にサーバーやデータベースに目を光らせる他、顧客に飽きられ無いよう、定期的に企画やイベントを開催しなくてはなりません。そのため残業や休日出勤も多く、予期せぬエラーで家に帰れない事も数多くあるでしょう。そんな苦労を天秤に掛けてもゲームが好きで、仕事が楽しい、やりがいを感じるという方々が現在のゲーム業界に在籍し、牽引しているのではないでしょうか。自分が本当に好きなものに関わってお金を貰い、賞賛を受けるということは、大変幸せな事のはずです。

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