未来のゲーム業界予測

ゲーム業界の未来を予測するには

ゲーム業界の未来を予測するには何が必要だと思いますか?どんなゲームが今後流行るかなんてわかるわけが無い!という意見もあるかもしれません。ただ、どのようなストーリーのゲーム、どのようなルールのゲームが出るのかの予測は難しくとも、どのような技術を使ったゲームが出来るのか、ということは予測できます。多くの人が想像するゲームはパソコンのオンラインゲーム、テレビでするテレビゲーム、そしてスマホのアプリケーションのスマホゲームだと思います。しかし、これからは全く新しい、今までにないゲームも多く出来てくると予測されています。今後のゲーム業界での予測をする為に必要な技術のキーワードはVR、AR、MR、SR、5Gです。これらの技術はゲーム以外にも多くの分野に活かされる可能性を秘めており、本記事ではこれらの技術についてそれぞれ解説していきます。

VRとは

VRとはVirtual Reality(バーチャルリアリティ)の略で、日本語では「仮想現実」と呼ばれています。発祥は1930年あたりの飛行機のシュミレーションからですが、現在は多くの分野に進出しています。VRはVRゴーグルを装着することで、その世界に入り込んだかのように疑似体験できます。VRゴーグルを装着して、右を向けばゴーグル内の世界も右に動く、と言ったように自分の視点と世界が連動するVRもあります。視点の連動だけではなく、仮想現実内で風が吹けば実際に風を吹かせるなどの工夫を施して、より没入感を高めるゲームも登場していますが、そういった没入感を高める工夫が施されたゲームは家庭用ではなくゲームセンターなどに設置してあることが多いです。今後は安価になり、家庭でも楽しめるようになるかもしれません。

VRの課題

VRの課題として、解像度や処理性能の低さがあります。過去と比べれば綺麗な映像にはなっているのですが、さすがに現実ではないとわかる解像度です。より高い解像度で現実との区別が出来ないレベルにすると、膨大な情報処理が必要となりますが、VRゴーグルのチップではそこまで大量の情報処理を行えないので、現在の解像度に留まっているという状態です。しかし、近年その課題を解決する為にGoogleは新たな技術を開発しました。それが視線追跡技術(アイトラッキング)です。これは人間の見ている視線を感知し、見ている部分だけ超高解像度でレンダリングをし、その他の部分は支障にならない程度の低解像度でレンダリングします。Googleは現在20メガピクセルのVRディスプレイを開発しています。現在世に出まわっているVRディスプレイは2メガピクセル前後のものが多いため、Googleが新たに開発したVRディスプレイはその約10倍にあたります。本来ならば20メガピクセルのVRの情報処理は難しいのですが、先程述べた視線追跡技術を活用して実現させようとしています。この技術があれば、現実と区別のつかないVRができるのもそう遠くない未来かもしれません。

ARとは

ARとはAugmented Reality(オーグメンテッドリアリティ)の略で、日本語では「拡張現実」と呼ばれています。VRはコンピューターで作り出した映像が主体であるのに対し、ARは現実が主体であり、現実世界にコンピューターがCG技術などで作り出したものを反映させる、というものになっています。最近ARが有名になったきっかけとしては、ARスマホアプリが爆発的人気となったことです。位置情報を組み合わせて、画面内に現実の世界と一緒にゲームのキャラクターがいるかのような技術体験ができます。また、この技術はゲームのみならず様々な分野で応用される可能性があります。サングラスにARを映し出すARグラスの他に、コンタクトレンズにARを映し出すARコンタクトレンズの開発まで着手しているようです。これが実用化されれば、今日のスケジュールが視界の中に現れたり、仮想のテレビを再生できたりと、新しいライフスタイルが生まれる可能性があります。今後の発展によって大きく人々の生活を変化させる技術と言えます。

MRとは

MRとはMixed Reality(ミックスドリアリティ)の略で、日本語で表すと複合現実と呼ばれています。仮想現実を現実世界に重ね合わせて体験できるという技術です。MRを使えば複数人で同時に同じ体験ができるので、仲間と協力して複合現実の敵を倒すゲームなんかもでてくるかもしれません。MRの代表的な例としては、マイクロソフトが開発した「Microsoft HoloLens」があります。これを使うことで現実の中に現れたホログラムを手で動かしたり操作することができます。このように、MRはVRのように仮想現実の中に入るだけでもなく、ARのように現実にグラフィックを表示させるだけでもなく、仮想現実と現実をまさしく複合させたものなのです。調査会社のフロスト&サリバンジャパンが行った調査の結果、MRを「グローバル規模でイノベーションとビジネス成長を実現する新興テクノロジートップ50」の2017年版で、ICT部門では人工知能(AI)やブロックチェーン、5G(第5世代移動体通信方式)などと並んでピックアップしています。このテクノロジーはそれほど可能性を秘めた技術ということがわかります。

SRとは

SRとはSubstitutional Reality(サブスティチューショナルリアリティ)の略で、日本語で表すと代替現実というものです。これはまだ実験段階にある技術ですが、現実世界に過去の映像を差し替えて流すことで、昔の出来事があたかも現在起きているかのように錯覚させる技術で、現実世界と同じ場所で撮影した映像を流すことでこれを実現できます。これだけ聞いても、具体的にどんなことができるのかイメージがわかないかも知れませんので具体的にどんな事が出来るのか解説します。例えばペットの犬を部屋で撮影するとします。そして犬を他の部屋に移して、SRのヘッドマウントディスプレイを装着します。すると犬は別の部屋にいるのに、あたかも今この部屋に居るような体験ができるといった流れです。現実世界と虚構という点ではARと似ている部分もあります。こういった技術を利用したゲームもでてくるかもしれません。

5G

5Gとは第5世代移動システムの略です。6GHz以下の周波数帯を使用して、LTE/LTE-Advancedと互換性を持ちながら、6GHzを超えたセンチ波により近い28GHz帯帯域も使った、新しい無線通信方式を導入するものというのが5Gの説明ですが、それを聞いても具体的にどのようなものなのかイメージがわきにくいでしょう。5Gの特徴を簡単に説明すると、「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という3つです。この5Gの普及によって私たちの生活は大きく変化すると言われています。そしてその変化はゲームにも現れます。5Gがもたらすゲームへの変化のひとつはクラウド化です。現在のスマホゲームなどは1GBを超えるものもあったりと容量が大きく、アップデートの度にダウンロードが必要となりますが、そのような仕組みはスマホ端末の負担が大きくなります。しかし、これからはゲームの処理のクラウド化が進むと言われています。クラウド化されたゲームとは、ゲーム内で発生した演算や処理が全てサーバー側で行われ、ユーザーの操作した結果はストリーミングで送信されるゲームのことです。このゲームのクラウド化はGoogleも積極的に取り組んでいます。クラウドゲーム市場は2019年時点で、過去4年間で約11倍近く成長しており、これから更にその成長は大きくなっていくことが予想されています。

ゲーム業界の変化を受けて

ゲーム業界はこれから大きく変化していきます。VR、AR、MR、SR、5Gによってこれまで無かった体験が出来るようになるでしょう。しかし、それはゲームに限った話でしょうか?ゲーム業界以外にもこれらの技術は活用されます。5GやAIによるシステムで多くのものが自動化されていくでしょう。それぞれ我々の生活をより豊かにしてくれる素晴らしい技術ではありますが、同時に自分の仕事が奪われるのではないかと不安になる人もいるでしょう。実際、オックスフォード大学のオズボーン博士の雇用の未来という論文では、47%の労働者の仕事が自動化される可能性が高いとの結果が出ています。そうなると未来が暗いと思う人も多いかもしれませんが、決してそうではなくむしろ未来は明るい方に進んでいると考えられます。その理由は食糧生産、農業も自動化されるからです。自動化される事でコストが削減され、より安く、無料に近いくらいの値段で食料が手に入る時代もくるかもしれません。あらゆるサービスが超低価格で提供され、お金が無くても、また、働かなくても生きていけるような時代がくるかもしれません。国民に毎月生活に必要なお金を配布するベーシックインカムという制度も各国で議論されているほどです。そのような中で人間はどのように過ごすでしょうか。これからはよりエンターテインメントや遊びが重要な時代となってきます。その中でゲームは重要な意味合いを持ってくる業界となる事が予測されます。

まとめ

いかがだったでしょうか。これまで、VR、AR、MR、SR、5Gの普及により、ゲーム業界にどのような変化が起きるのかについて解説して来ました。この出来事をどのように捉えるかは読者の方次第です。この技術の変化の波に携わる仕事をしてみたいと思うのか、このゲームを体験してみたいと思うのか。これから技術は指数関数的に伸びていき、思いもよらないゲームやサービス、商品が出てくるでしょう。今後、人類のライフスタイルが根本的に変化するような過渡期の時代を我々は生きています。ゲーム業界の変化を通じて、技術の変化を実感し、自分の理想とするライフスタイルや人生について考える事ができると、よりよい生活を送ることができるでしょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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