【解説】SEのさまざまな職種19個|活かせるスキルや資格とは?

そもそもSE(システムエンジニア)とは、クライアントの要求から仕様を決定するいわゆる上流工程を担当するエンジニアのことです。上流工程とは、「要求分析・要件定義」「基本設計」「詳細設計」「テスト」などで、プログラミング以外の業務を指します。SEと区別のつきにくいプログラマーは、実際にプログラミングをするエンジニアです。

【解説】SEのさまざまな職種19個

近年、コンピュータシステムが企業のあらゆる分野に導入されるようになり、SEの仕事もソフトウェア開発の専門家というだけではなくなりました。クライアント企業の情報収集・分析から、導入プロセスやシステム開発、また導入後における保守管理のマネジメントなど、業界や企業によって幅広い職種を指すようになりました。その企業のSEがどのような職種なのかを充分見極め、自分に向いた職場を選ぶ参考にして頂ければと思います。

職種1:アプリケーションエンジニア

アプリケーションエンジニアは、システム開発の一連の作業を担当し、情報システムにおける設計、プログラムの開発、開発したシステムの動作テストなどを担うエンジニアです。一般的にSEの仕事だと思われているのはこの分野でしょう。顧客にヒアリングをして、顧客がどのようなシステムを望んでいるのかを明らかにし、仕様を設計書に取りまとめます。設計書に基づきプログラムを作成し、テストをする場合もあります。

職種2:組込みエンジニア

組込みエンジニアは、家電製品や携帯電話、自動車など様々な機器の機能を正常に作動させるコンピュータシステムを開発するエンジニアです。組込みシステム開発用のOSやプログラミング言語を使用し、機器の動作環境などを考慮した設計・開発を担うため、組込みシステムの開発プロセスの理解とハードウェアに関する知識、また力学など物理の知識も必要となります。

職種3:データベースエンジニア

データベースエンジニアは、顧客情報や商品情報などを格納するデータベースを構築・維持管理・運用をするエンジニアで、スキーマの設計や、データベースのチューニングまで携わります。 この職種には、データベースの効率的な運用を見据えた設計・開発が求められ、近年は自然言語処理やネットワークの技術、企業の重要な情報を守るためのセキュリティ技術など、幅広い周辺技術力も重要となっています。

職種4:ITコーディネータ

ITコーディネータとは、ITと企業経営両方の知識を基に、クライアントの経営戦略に沿ったITに関するサポートやアドバイスをするプロです。この職種には経営者の立場で考えた視点と市場への知識が求められます。 またベンダーやSEと協力し、導入への的確な助言をします。導入のためには最新技術の適用事例の研究や、将来性を見極めて問題点を予測するなどの知識や洞察力が必要です。

職種5:サーバーエンジニア


サーバーエンジニアとは、ネットワーク上において他のパソコンに様々な機能やサービスを提供するコンピュータの設計・構築・保守をするエンジニアです。サーバーエンジニアの仕事内容は、サーバー機器の構築作業、そしてサーバーの運用・保守作業です。この職種ではサーバー構成設計、運用設計、冗長構成設計などのサーバーの設定全般を担います。

職種6:ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、サーバーやPCを専用機器に接続し、ネットワークシステムを設計・構築・運用するエンジニアです。企業や官公庁の情報システムにとってネットワークは不可欠でしょう。ネットワーク技術は勿論、UNIXやWindowsなどへの理解など幅広い知識が必要な職種です。また、進化するネットワーク技術に対応する適応力や、プログラマーやデータベースエンジニアなどのメンバーと協力し合うことも大切です。

職種7:セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、個人情報の漏洩対策や企業の情報セキュリティなど情報セキュリティ専門のSEです。ネットワーク構成、業務用PCの構成、業務ルールまで、様々な面から対策を検討し、コンピュータウイルス、不正アクセス、内部犯行など多様な攻撃からシステムを守ります。年々進化するIT犯罪に対処するために知識や高い技術レベルが必要です。企業の機密情報に接することも多いため、高い倫理観も求められる職種です。

職種8:ミドルウェアエンジニア

OSとソフトウェアの中間に位置し、通信・音声動画再生などに使用されるミドルウェアを開発するエンジニアです。ミドルウェアは汎用性があり、近年のマルチメディアやネット環境にも適した重要なソフトウェアです。ミドルウェアエンジニアは、効率的なシステム開発をするためOSとソフトウェアの両方の知識と高い技術力が求められます。

職種9:SEOエンジニア

SEOエンジニアは、検索エンジンを実験・研究し、SEO実行計画の策定や指示、実務をするエンジニアです。SEOとは、検索をかけた際、自分のWebサイトがページの上位に表示されるように工夫するための技術やサービスです。検索による順位が上位なほど利用者の目につきやすく、訪問者が多くなります。年々高度化するサーチエンジンのアルゴリズムに適応し、顧客ニーズに応える必要があります。

職種10:プロジェクトマネージャ

プロジェクトマネージャは、期限内にチームに与えられた目標を達成するため、人材・資金・設備・物資・スケジュールなどの調整、管理するSEで管理責任者です。「プロジェクトマネジメント」と呼ばれる管理業務を担い、進行の遅延・中断を引き起こすリスク管理をし、実施計画を立て、全体の進捗状況を管理する職種です。プロジェクトチームの中心として、メンバー間を調整し、チームをまとめ目標を達成することも重要です。

職種11:ITアーキテクト

ITアーキテクトとは、情報システムやソフトウェアの開発において、全般的な構造を考え、大規模なシステムや製品の全体的な設計をするSEのことです。ITアーキテクトは、対象ごとに「ITアーキテクト」「システムアーキテクト」「ソフトウェアアーキテクト」のように呼ばれることもある職種で、専門分野のエンジニアがシステム全体を見通せるようになり、転身するケースが多いでしょう。

職種12:ITコンサルタント

ITコンサルタントは、企業の現状を分析して、戦略を立てる上での課題を導き出します。システムやIT技術のニーズを引き出して、改善案を提案する職業です。顧客側に必要な経営知識と最新のIT技術の両方に広い知識が必要な職種です。また、顧客とは経営戦略や戦略情報化企画を立案し、現場のSEとはシステムの開発、運用について技術的な面で話しを詰めていくため、豊富な経験、コミュニケーションスキルも大切です。

職種13:セールスエンジニア

セールスエンジニアは、営業と同行し、顧客が自分たちの商品を正しく活用できるように製品・機器の仕様等の技術的な説明をして、営業を手助けするエンジニアのことです。顧客の要望に沿った商品や活用法を提案する「営業サポート」と、システム導入時に使い方を説明しテスト運用をサポートする「導入支援」と、導入後の不具合などに対応する「アフターサポート」の三つが主な業務です。

職種14:サポートエンジニア

サポートエンジニアは、企業などに導入した情報システムの顧客に、様々なサポートをして、IT製品の仕様や技術的な問題に関する問い合わせに対応するエンジニアです。システムの使い方についてアドバイスしたり、システム障害の状況を聞いて原因を特定してそれを開発部門へ連絡したり、改善のためのリクエストを出したりすることもあります。製品仕様を熟知し、何よりエンドユーザーに分かりやすく説明する力が求められます。

職種15:フィールドエンジニア

フィールドエンジニアは顧客先に出向いて、コンピュータの設置や保守・点検、修理などを担うエンジニアです。機器導入・修理やソフトウェアの導入・設定などが主な仕事となる職種です。導入時には機材の設置や配線をし、稼働後は保守・点検や部品の交換・修理、また障害発生時には原因究明や復旧作業などをします。顧客の業務への影響を配慮し、休日や夜間などに業務をすることもあるでしょう。

職種16:ブリッジSE

ブリッジSEは、オフショア開発をするようになり誕生した、国際的に活躍できる職種で、日本企業と外注先の海外企業との間で橋渡しを努めるSEのことです。オフショア開発とは、人件費の安い国にシステム開発を発注することで、現在アジア諸国との取引が盛んですが、今後ますます拡大傾向にあるでしょう。ブリッジSEには、日本と海外の文化やビジネスの違いを熟知し、現地の国のスタッフに指示・管理する高い語学力と管理能力が求められます。

職種17:ITインストラクター

ITインストラクターは、パソコンスクールやソフトウェア会社、また専門学校などでSE向けの研修やセミナーをする講師のことです。 基本操作の指導や自社のソフトウェアのセミナーを開催する場合もあり、分野に特化した指導をする場合もあります。 受講者に詳細な説明をするための技術知識とコミュニケーション能力が必要であり、人と接する機会が多いので、明るく前向きな人に向いている職種と言えます。

職種18:社内SE

社内SEは、企業などで自社の情報システムの開発や調達、導入、運用、管理、サポートなどの業務をするSEのことです。 社内SEの業務の一部を外注することも多く、ITシステムの担当者として外部のIT関連業者への窓口となり、条件交渉や仕様・発注の策定などを担います。また、従業員や利用部門からのシステムに対する窓口の役割もあります。そのため会社内の業務を一通り理解し、現場経験を経て社内SEとなることが多いでしょう。

職種19:インフラエンジニア

インフラエンジニアとは、企業の情報システムを構成するコンピュータや通信ネットワークなど企業活動の基盤となる部分の業務を担います。サイトの閲覧やメールの送受信の際、受け渡しが行われるデータの基盤部分をITインフラと呼びますが、それを支える機材、コンピュータ本体、ソフトウェアの導入や設定・管理運用、障害発生時の対応などが主な業務になるでしょう。

SEに活かせる資格とは?

高い専門知識が求められるSEの業務をする上で活かせる資格について紹介します。多くのSEが習得する、基礎となる国家資格が「基本情報技術者」です。レベルアップして「応用情報技術者」の資格を取得するとさらに強みになるでしょう。また、それぞれのSEに応じて「システムアーキテクト試験」「ネットワークスペシャリスト試験」「プロジェクトマネージャ試験」等の資格があります。

SEのさまざまな職種を理解しよう!

SEと言っても、様々な職種があります。SEの仕事は、システム関連のものでも専門によって細分化され、業務内容も社内だけでなく対外的な業務や対人的な職種、海外に目を向けた職種まで非常に幅広く存在しています。企業によってSEの役割や位置づけも違いますので、働きたい企業の特性や、自分自身の適正などをよく見極め、自分に最適なSEの職種をぜひ見つけましょう。

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