AWS RoboMakerサービスについて

AWS RoboMakerとは?

概要

AWS RoboMakerというサービスはご存知でしょうか?その名の通りロボットに関わるサービスです。クラウドベースでのROS(Robot OS)開発やロボットのシミュレーション環境がAWS RoboMakerです。

近年では様々な所でロボット化が進んでおります。以前までのように、工場での特定ルーティンを行うだけのロボットは既に古く、簡単な所ではピッキングから梱包、ラストマイル配送や環境のモニタリングなどに利用され、難しい所では複雑な組み立て、捜索や救助、更に手術支援などと使用用途は年々高度化しており、社会で幅広く使用されています。

では、なぜAWS RoboMakerが生み出されたのでしょうか。

AWS RoboMakerの背景

ロボット開発の難しい所はテスト環境と言われています。コンピュータ内でコードを走らせるだけであれば簡単ですが、ロボット開発の場合、コードを書き終え実際のテストを行おうとした場合に物理的な環境を整える必要があり、テストと修正を繰り返すフェーズには多大な労力が必要になります。

しかし、今回のAWS RoboMakerでは、クラウド上にロボットのシミュレーション環境を構築する事で、実際に物理的な構築を行わずともテストが実施できるのです。そうする事で得られるものは単純な労力以上のものがあるでしょう。

AWS RoboMakerが登場した事で、ROSを実行するロボットがデータのナビゲーションや通信、理解、ストリーミングや学習を行えるようになったのです。これまで実行することができなかったタスクや、実施に数週間から数ヶ月間かかっていたような大きなタスクを、AWS RoboMakerによって数時間や数日で実行できるようになったのです。

AWS RoboMakerのメリット

サンプルアプリケーション

AWS RoboMakerにはすぐに使用を開始する為に、サンプルのロボット工学アプリケーションが複数用意されています。AWS RoboMakerの複数のサンプルは、一般的にインテリジェントロボット工学アプリケーションに必要な音声コマンド機能、モニタリングの機能、フリート管理機能の開始点、認識機能があります。

サンプルアプリケーションには、シミュレーションアプリケーションコードとロボット工学アプリケーションコードが付属しています。サンプルシミュレーションアプリケーションには、室内、競走場や小売店など構築済みの仮想世界が幾つか備わっている為、すぐに開始する事を実現しています。

フリート管理とシミュレーション

AWS RoboMakerではフリート管理機能を使用し、大軍のロボットにアプリケーションをデプロイできます。また、RoboMaker シミュレーション機能を使用することで、色々な環境でロボット工学アプリケーションを意図も簡単にシミュレートし、仮想上でテストを行う事ができます。

CloudWatchメトリクスおよびログのROS向けの拡張機能を使用する事で、これらのロボットをライフサイクルを通してモニタリングする事ができ、CPU、スピードなどロボットの状態を把握できます。ロボットの状態や環境を更新する必要がある場合には、AWS RoboMakerのフリート管理を使用して、デプロイ前にシミュレーションを使用して回帰テストを行う事ができます。

AWSサービスとの連携

AWS RoboMakerはAmazonCloudWatch、AmazonRekognition、AmazonKinesis、AmazonPolly、AmazonLexのためのクラウド拡張機能を開発しました。これらのクラウド拡張を行った事により、追加のハードウェアのインストールや、複雑なソフトウェアを開発したりすることなく、ロボットの機能を強化できるようになっています。

ユースケース

日本でも良く知られるiRobotも、このAWS RoboMakerを導入しています。主力製品でもあるお掃除ロボットのシミュレーションに活用し、テスト範囲を改善しながら、コード品質とリリース速度を向上させています。

AWS RoboMakerにより、40 件を超える自動テストを各コードコミットで実行し、500 件を超える自動テストをリリース候補ごとに実行するようになりました。

最後に

今回AWS RoboMakerの解説を行いました。その中でAWS RoboMakerの最も素晴らしい所を挙げるとするならば、最初に思う事はやはりその可能性に尽きるでしょう。ロボット開発と言う煩雑であるものを、容易にかつ便利なものに変換できるAWS RoboMakerは、今後のロボット開発に無くてはならないものになるでしょう。そして、このAWS RoboMakerのようなサービスがもっと広まる事で、ロボット開発は飛躍的に進歩していくのではないでしょうか。

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