Amazon S3 Glacierとは

はじめに

今回はAmazon S3の中でもAmazon S3 Glacierについて知っておいた方がいい基本的知識について説明していきます。

Amazon S3 Glacierとは

Amazon S3のサービスの一部で安全性と耐久性に優れてあり、極めて低コストでAmazon S3クラウドストレージクラスでデータのアーカイブや長期バックアップが可能です。

特徴

アーカイブ

Amazon S3 Glacierでは、データはアーカイブに保存されます。 アーカイブでは、写真、ビデオ、文書などのあらゆるデータが構成可能です。1つのファイルをアーカイブとしてアップロードしたり、複数のファイルを1つのTARファイルまたはZIPファイルに圧縮して1つのアーカイブとしてアップロードしたりできます。
1 つのアーカイブの最大サイズは40TBです。Amazon S3 Glacierに保存可能なアーカイブ数とデータ量に制限はありません。各アーカイブには作成時に一意のアーカイブIDが割り当てられ、作成後はアーカイブを変更できません。

ボールト

Amazon S3 Glacierでは、アーカイブを保存するためのコンテナとしてボールトを使用しています。AWSマネジメントコンソールでは、ボールトのリストを表示できます。また、AWS SDKを使用して、ボールトの作成、ボールトの削除、ボールトのロック、ボールトのメタデータのリスト表示、ボールトインベントリの取り出し、ボールトのフィルタリング用タグ付け、ボールトの通知の設定といった、ボールトに関するさまざまな操作を実行できます。また、ユーザーに対して特定のアクティビティを許可または禁止するボールトごとのアクセスポリシーを設定することもできます。1つのAWSアカウントでは、最大1,000個のボールトを使用できます。

メリット

多彩なデータ取得

Amazon S3 Glacierのストレージクラスではユーザーの目的に合わせて3つのデータ取得オプションがあります。

  • 高速取得:通常1~5分でデータの取得が可能、アクティブアーカイブの場合に最適です。
  • 標準取得:3~5時間でデータ取得が可能、バックアップデータ、メディア編集、または長期分析といった時間的制約が少ないニーズに適しています。
  • バルク取り出し:5~12時間でデータ取得が可能、最も低コストのオプションになっています。

高い耐久性

Amazon S3 Glacier のストレージクラスは世界最大のグローバルクラウドインフラストラクチャ(安全性、広範性、信頼性に最も優れたクラウドプラットフォーム)で実行されており、99.999999999%の耐久性を実現するように設計されています。データは、1つのAWSリージョン内で地理的に分離された少なくとも3つの物理的アベイラビリティーゾーンにまたがって自動的に分散されます。

セキュリティ性

Amazon S3 Glacierのストレージクラスは、監査のためにストレージAPIコールアクティビティをログに記録、モニタリング、保持するAWS CloudTrailとの高度な統合を可能にし、3つの異なる暗号化形式をサポートしています。これらのストレージクラスは、多数のセキュリティ標準とコンプライアンス認証もサポートしています。また、WORM機能(書き込み済みのデータを消去したり、書き換えたりすることができなくなる。)を有効化するAmazon S3オブジェクトロックは、世界中の実質すべての規制機関に対するコンプライアンス要件を満たすために役立ちます。

低コスト

Amazon S3 Glacierは、AWSのサービスの中でも極めてコストの低い Amazon S3ストレージクラスとなるように設計されており、大量のデータをきわめて低コストでアーカイブすることができます。これにより、データレイク、分析、IoT、機械学習、コンプライアンス、メディアアセットのアーカイブといった場合のために必要なすべてのデータを保持することができます。1ヵ月あたりのストレージ料金は$0.005 / GBとなっており、Amazon S3の$0.025 / GB(最初の50TBまで)に比べ安価なのが分かります。費用は実際に使用した分だけ支払う従量課金制のため、最低料金や前払い料金はありません。

サポート体制

AWSのサービスやソフトウェアを Amazon S3ストレージクラスと連携させて、バックアップと復旧、アーカイブ、災害対策などのソリューションを提供しています。クラウド提供者の中でも、多くのサービスと連動するように事前統合されたソリューションを持つのはAWSの他ありません。

まとめ

如何だったでしょうか。今回はAmazon S3 Glacierについて説明させていただきました。ユーザーにとって必要な機能で運用が可能なAmazon S3 Glacierは様々な業界で使われてくること増えてきました。AWSには無料期間枠もあり、Amazon S3 Glacierにはチュートリアルで学ぶことができますので、一度試しで触ってみるのもいいかもしれません。

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