AWS IoTボタンってどんなの?

はじめに

突然ですが、あなたはトイレットペーパーやお水など継続的に必要な日用品はどのように購入しますか?お店へ行って購入する方もいらっしゃるでしょうし、オンラインで購入する方もいらっしゃるでしょう。もし、それらの行動がボタン一つで済ませてしまえるとしたらどれだけ便利でしょう。

IoTボタンとは

簡単にいうと「指示した内容がボタンを押すだけで実行出来るという物」です。その用途は様々で、上記にもあった買い物から、車やガレージの開け閉め、簡単な観察日誌をつけることも出来ます。IoTボタンの特徴は、Lambda関数を使うので、コーディングスキルが高い人にとってより幅広い利用が可能なところです。もちろん、コーディングスキルが無くてもテンプレートがあるので誰でも簡単に機能の設定が出来るので安心してください。なお、AWS IoTボタンは「AWS IoTボタン」と「AWS IoT 1-Click」という物があるのですが、この記事ではより新しく、知名度の高い「AWS IoT 1-Click」をIoTボタンと呼び、記述しています。

ダッシュボタンとの違い

この記事をご覧の方々の中には「Amazonダッシュボタン」というものをご存じの方もいらっしゃるかも知れません。ダッシュボタンとはAmazonオンラインショップで紐づけされた商品がボタンを押すことによって自動的に清算、配達されるという働きを持つボタンのことです。残念なことに2019年2月で販売を終了しており、その後釜として、ダッシュボタンが進化したIoTボタンがやってきました。実はダッシュボタンとIoTボタン見た目がよく似ていますし、ボタンをワンクリックで買い物を済ませてしまうところなどの機能も似ています。ここでは、この二つの間にどんな違いがあるのかをご紹介していきます。

クリックの種類が分かれている

ダッシュボタンはワンクリックしか出来なかった事に対し、「クリック」「ダブルクリック」「長押し」の3種類の操作が可能で、命令にバリエーションを付けます。

Lambda関数を使える

上記でも触れましたが、Lambda関数を使えることが特徴の一つです。Lambda関数では、Java、Python、C#などの言語を使用してロジックを実装できます。

IFTTT(イフト)につながる

そもそもイフトとは、異なるソーシャルメディアやプラットフォームを連携させるWebサービスです。インスタグラムやGoogle Drive、Evernoteといったプラットフォームの仲介役をしてくれるものです。このイフトと繋げることで、例えばラインに紐づけたボタンを子どもに渡し、今から帰るなら「クリック」、友達の家に遊びに行くなら「ダブルクリック」などといったように、簡単な連絡手段に用いることも可能です。

下の図はAWS IoTボタンがイフトに繋がり、実行するまでの流れを簡単にまとめたものです。

使うまでの流れ

ここではIoTボタンを使うまでの流れをご紹介いたします。

初期セットアップ

AWSに登録していない方はまず、登録するところから始めましょう。また、スマートフォン向けの「AWS IoT 1-Click」というアプリケーションをダウンロードしておきましょう。AWS IoT 1-Clickというページにアクセスし、「AWS IoT 1-Clickを試す」というボタンをクリックします。

デバイスの登録

「デバイスの登録」ボタンをクリックします。ボタンの裏側にDSNから始まる16桁のシリアルナンバーを入力して「登録」ボタンを押します。

Wi-Fi接続

ここで、スマートフォンにダウンロードしたアプリケーションを使います。右上にWi-Fiマークがあるのでクリックして、IoTボタンWi-Fi設定を行います。するとボタンの長押しを指示されるので、6秒ほど押し続けます。Wi-Fiアクセスポイントとパスワードが求められるので入力すると、「Configration:In progress」が「Configration:Succeeded」に変わります。これでWi-Fiに接続できました。

プログラム登録

Lambdaの設定が分かる方はここから実行する関数を設定できます。また、プログラムの登録でテンプレートも用意されているので、動作によってはコーディングの必要はありません。

実行

プロジェクトの作成が完了したらプレイスメントの作成を行い、ボタンとプロジェクトを紐づけます。あとはボタンをクリックするだけでプロジェクトの内容が実行され、メールを送ったり、商品を注文したり出来ます。

料金

毎日同じ作業を行わなければならない場合などにはIoTボタンは便利な道具だと思われますが、値段の方はいかがでしょうか?ここでは値段について掘り下げていきます。

本体価格

AWS IoTボタンの本体価格は2,500円程度です。他の企業のIoTボタンは高いものだと14,000円程度、安いものだと3,000円程度です。しかし、電池交換が出来ず、電池がなくなったら新しいボタンを買う必要があります。

使う量によって値段が変わる

AWS IoTボタンには少し変わった課金制度があります。

有効なデバイス数有効なデバイス当たりの月額料金
1~14,9990.25USD
15,000~74,9990.20USD
75,000~99.9990.15USD
100,000以上0.10USD

上記の表のようにデバイスの数によって請求される金額が変わってきます。しかもご覧の通りアメリカンドルで換算されるので注意が必要です。

さいごに

IoTボタンとは持ち主のコーディング次第ではどんな操作もワンクリックで可能にする道具でした。個人で使用するケースでは、赤ちゃんの行動をスプレッドシートに書き込んだり、IoT家電に命令を飛ばしたり出来ます。企業で使用するケースとなると、カーシェアリングサービスなどで、ボタンを押したときの時間、場所、鍵の開け閉めなどを遠隔操作でコントロールすることが出来、より厳密な管理に基づいたカーシェアリングサービスを提供できるでしょう。以上、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。

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