AWSの多様な使い方

はじめに

 まず、AWSには100を超える豊富なサービスがあり、それに従って様々な使い方が出来ます。今後においても分析業務の効率化や高度化が期待されており、既に名だたる企業においても各サービスを組み合わせて、より便利な使い方がされています。そこで本記事では、特に需要が高いと言われている使い方や対象のサービスについて整理していきます。

AWSの多種多様な使い方

①Webサイト、Webサービスの構築及び運用

 まずAWSの王道な使い方として、Webサイト、Webサービスの構築及び運用が挙げられるのではないでしょうか。主に使うサービスはAmazon EC2、Amazon Lightsailなどで、Amazon EC2などを使ってサーバーを構築及び運用します。利点としてはWindowsやLinuxといったOSが選べる点や、メモリ内容やCore数が選べるインスタンスタイプ、また、サーバーにアクセスするポートを設定する事のできるセキュリティグループなど、必要に応じた幅広いカスタマイズが可能である点が大きな魅力です。また、5分程度でサーバー構築を完了させることが出来たり、Amazon Lightsailでは事前に設定されたWordPressなどのアプリケーションを使うことにより、WebサイトやWebアプリを数クリックで作れるスピード感の高さも魅力です。

②統合開発環境(IDE)の構築

 AWSは統合開発環境の構築を行うことも可能です。主に使うサービスとしてはAmazon Cloud9が挙げられます。Amazon Cloud9自体の利用は無料であり、Google ChromeやSafari、Firefoxといったような各種ブラウザ上で動作する、統合開発環境の構築を行うことも可能です。こういった使い方を可能としている理由として下記が挙げられます。まずはAmazon Cloud9が40以上のプログラミング言語をサポートしており、各言語を扱うために必要なツールがパッケージ化されている点です。さらにコードチェックをリアルタイムで行うことも可能です。そしてチャット機能が組み込まれているため、複数人で行う開発プロジェクトであっても作業を快適に進めることが出来るだけでなく、クラウド上で動作するサービスであるため自宅などでの在宅ワークやリモートでの作業が可能な点も大きな魅力です。

③データのバックアップ及び災害対策

 主に使うサービスはAmazon S3です。名前くらいは聞いたこともあるかと思いますが、簡単に概要を説明するとS3とはSimple Storage Serviceの頭文字をとっており、データの保存や取得を簡単に行うことの出来るオブジェクトストレージのことです。Amazon S3は、業界屈指のパフォーマンスやスケーラビリティ及び耐久性を誇るだけでなく、コスト効率の高いストレージクラスを有しており、データのバックアップ、復元や分析などにも活用できる他、インターネット経由で膨大なデータを保存することが出来ます。

④ビッグデータの蓄積、分析、運用

 AWSの複数サービスを併用することで顧客情報やIoTデータ等、企業が扱う膨大なビッグデータの蓄積から分析、運用を行うといった使い方をすることも可能です。IT技術の導入が各企業で加速していく昨今の流れにおいて、こういった使い方は珍しくないのではないでしょうか。主に使うサービスとしては、ビッグデータの分析処理に優れたAmazon EMRが挙げられます。機械学習やデータ変換などによる解析が可能です。例えば上記で紹介してきたようなAmazon EC2やAmazon S3を使ってデータの蓄積を行い、Amazon EMRと連携することにより効率よくビッグデータの解析を行うといった使い方も今後ますます増えていくのではないでしょうか。

AWS国内導入例

 ご覧いただいたように無数の使い方ができるAWSですが、業種や職種に関わらず国内の各企業においても導入が進んでいるようで、その中でも特に基幹・業務システム用途でのAWS国内導入は盛んなようです。具体的には顧客管理や販売管理、給与計算といった基幹・業務システムの構築のような使い方がされており、とある企業では給与システムや会計システムをAWSへ移行したことにより、ハードウェア切れやサイジング等といった課題の解消に至り、運用管理がスムーズになったといった声も挙がっているようです。

おわりに

 初期費用がかからない点や、必要に応じてサーバー台数の増減が可能であり、CPUやメモリ、ストレージのサイズ変更を行うことも可能である柔軟性なども相まって、AWSは今や国内導入例だけでも10万を超えると言われています。最近ではスマートフォン単体で対応できることも増えてきているからこそ、クラウド上で必要な時に必要なだけ使うといったような需要が今後も増えていくのではないでしょうか。

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