AWS認定資格(SAA)取得のメリットとデメリット

はじめに

 昨今、国内においてもAWS(Amazon Web Services)導入例が10万を超えるほどにAWSを採用する企業が増加していく流れの中で、エンジニアではない方の認知度や関心も高まっているのではないでしょうか。また、幅広いクラウド関連の知識や、AWSにおける各種サービスの知識や技術力が求められる機会がIT業界を除いても増加しています。そういった流れがある一方で、いざ勉強しようと思っても、書店に並んでいる参考書等のほとんどがクラウドデザインパターン集や実例集のようなものであり、入門書のようにAWS全体の概要を学習したい方にとっては若干的外れといった印象があります。そこで、「何から勉強したら良いか分からない」といった方におススメしたいのがソリューションアーキテクト資格の学習です。AWS提供の認定資格にはグレードやカテゴリが複数ありますが、本記事ではその中でもソリューションアーキテクトアソシエイト(SAA)に絞って、資格取得のメリットを整理していきます。現在エンジニアの方だけではなく、これからAWSの学習を始める予定の方の学習のきっかけになればと思います。

AWS認定資格(SAA)取得のメリット

 まず簡単にSAAの概要についてですが、SAAでは「設計者」目線でシステムの全体構成に関する問題が頻出するため、幅広いサービスの概要や特徴の認知が必然的に求められます。したがって極端な例を挙げるならば、試験を受けずとも試験対策の参考書を読むだけで効率よくサービスの概要を知ることが可能です。そして、何より昨今においては多くの企業や現場でAWSの需要が高まっているにも関わらず、知識やスキルを持っているエンジニアは依然として不足している現状です。つまり今のうちに知識やスキルを確実に身につけておくことで、エンジニアとして近い将来に重宝される立場を勝ち取ることができるのではないでしょうか。そこで知識の保有を証明できるのは、やはり資格です。では実際にAWS認定資格にはどういったメリットがあるのでしょうか。

①企業から求められるエンジニアになれる

 まずは、今後AWSエンジニアとしての知識が企業から必要とされやすいといったメリットがあります。AWSは世界中の企業で高い人気を誇っており、パブリッククラウドのシェアでAWSは依然として上位にあります。世界各国では既に人気があり、SAA資格を保有するエンジニアの年収は1,000万を超えることも珍しくないようです。日本においてもAWSエンジニアの年収は平均水準以上のようですが、日本での本格利用はこれからといったところにあります。WEB系など、先進的技術を積極的に採用する企業においては既に利用が進んでいるようですが、大企業ではこれからの導入が見込まれており、将来性が高い技術であると同時にAWSエンジニアの需要が今後ますます高まっていくと予想されます。

②最新技術が学習できる

 SAAを含めたAWS認定資格は常にバージョンアップをしていきます。SAA試験内容は基本的なスキル確認問題はもちろん、最新のAWS情報をベースとした問題が出題される傾向にあります。したがってAWSを業務で利用しているエンジニアも学習しながら直接業務に役立つ最新のAWSに関する情報を得ることが可能です。以上のことからも当然、企業においてもプロジェクトにおいても市場価値は高く、その知識やスキルを求められるエンジニアになれるといったメリットがあります。

③AWSの知識の証明

 SAAはAWS認定資格の中でも中級程度の知識保有を証明する資格に値します。もはやSAAの資格を得るために学習する過程で、AWSについての理解が深まるため、これからAWSの知識を得たいと考えているエンジニアにとってはもちろん、AWSをさらに極めて学習していきたいと考えているエンジニアにとっても、SAAレベルの知識を保有しているメリットは大きいと言えます。

④クラウド環境の構築及び提案力の証明

 平たく解釈すると、SAAに合格出来る = 顧客のニーズを満たす環境構築及び実装が可能であるということの証明でもあります。クライアントや社内の上長に対して自身のスキルを証明する手段としては、もちろん実務経験も外せませんが、やはり資格は高い説得力があります。SAAも例外なく上記のようにニーズの高い作業に対するスキル証明に有効であるメリットがあると言えます。

AWS認定資格(SAA)取得のデメリット

 将来性も高く、ニーズも高いスキルであるため資格を持っているだけで多くのメリットを得られるSAAですが、取得に際してのデメリット(注意点)もあるので、整理していきます。

①受験費用が割高である

 資格取得に際して受験料はつきものですが、SAAの受験料は税別15,000円であり、必要に応じてとなりますが模擬試験を受けるためにも税別2,000円がかかります。以上のように比較的費用がかかる資格ですので、不合格だった際のリトライは容易ではないかもしれません。受験の際には学習期間を充分にとり対策を練ってから挑戦することをおススメします。ちなみにAWS認定資格を1つでも取得している場合は模擬試験の費用は不要です。

②資格認定の期限(3年)がある

 AWSの資格には資格認定の期限がある点がデメリットとして挙げられます。AWS認定資格は3年に1度のペースで再度認定を受けなければならず、仮に再認定を受けなかった場合は資格を失効してしまいます。前述したように、常に最新の技術がバージョンアップする分野であるため情報も当然更新されます。したがって1度試験に合格したからといって永久的に使える資格ではない点は、バージョンアップが繰り返されるが故のデメリットと言えるでしょうか。

おわりに

 いかがでしたでしょうか。SAAの取得に際しては、求められる知識量が幅広く取得までも簡単ではありませんが、将来性のあるスキルであり、ニーズも高く、その分の対価も得られるといったように、総合的にメリットが多い資格です。クラウド化が加速する昨今の状況から見ても、取得しておいて損は無い資格ですので興味のある方は是非、学習してみる事をおススメします。

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