AWS EC2 は無料で使える? EC2にかかる費用について

はじめに

AWS EC2(Elastic Compute Cloud)とは、Amazonが提供するクラウドサービスの内のひとつで、仮想サーバーを提供しています。
「Elastic」とは「弾力性のある・伸縮自在の」という意味があり、AWS EC2ではLinuxやWindowsなど様々なOSの仮想サーバーを素早く実行するための環境を用意することができます。
複数の仮想サーバーを立てることもでき、突然のアクセス増加にも対応できるので、業務用としても使われます。
AWS EC2を利用することで、システム構築にかかる時間を短縮したり、スペックの変更にも柔軟に対応できるため、AWSのなかでも利用者が多いサービスです。

AWS EC2の料金体系

AWS EC2の費用は、選択するサーバーのOSやコア数、メモリ容量に応じて、時間単価は異なるものの1時間あたり約2円が目安となります。ただし、それ以外にも運用費用としてデータ通信量等が発生します。
いくつかある支払いプランによっては通常料金よりも割安で購入できたりすることがあるので、それぞれのプランの特徴を確認し、用途に合わせて選択しましょう。料金プランは、主に以下の3種類になります。

1.オンデマンドインスタンス

EC2上で構築したサーバー数や利用している時間に応じて、秒単位で料金が発生する標準的な課金体系です。長期間の契約や前払いは必要なく、数あるプランの中では最もシンプルな形式だと言えます。
オンデマンドインスタンスは、以下の場合に該当する人におすすめです。

  • 週末や月に1回といった短期間、あるいは短時間のみ利用したい人

     また、予測不能な作業負荷があっても中断できないアプリを利用する場合

  • 初めてAWS EC2で開発、またはテストをする人
  • 2.リザーブドインスタンス

    リザーブドインスタンスは、あらかじめ稼働時間を決め、使用する分に対しての費用を先払いする方式です。
    1年間または3年間分(年単位)を契約する必要があり、オンデマンドインスタンスに比べて料金が最大75%割引になるため、長期間に渡ってAWS EC2を使用する人や長時間アプリを稼働させ続ける必要がある場合に使いやすいプランです。

    3.スポットインスタンス

    スポットインスタンスは、AWS上にすでに存在している使われていないインスタンスを落札して利用するオークション形式の料金体系です。
    インスタンスのスポット価格(市場価格)が、入札価格を上回るとインスタンスが停止してしまうリスクがありますが、オンデマンド価格から最大90%割引で購入ができるため、最も費用を抑えることが可能です。
    スポットインスタンスは他の料金体系に比べて特殊なため使いにくい一面もありますが、安価で仮想サーバーを使いたい場合にはお得なプランと言えます。

    また、冒頭でも記述した通りAWS EC2を利用するには上記の契約方法以外に、以下の関連費用が必要となります。

  • EC2インスタンスレンタル料金
  • データ転送料金(通信費)
  • EBS料金(HDD代)
  • EIP料金
  • EBS最適化インスタンス料金
     ※EBS最適化インスタンスを利用する際は別途料金が請求される
  • オンデマンドの場合、費用は【インスタンスが開始してからそれが終了または停止するまでの時間(インスタンスの消費時間)】あたりの価格となります。
    1時間未満の場合は1時間分として請求され、また、負荷分散や詳細モニタリング、グローバルIPアドレスの数によって追加料金が発生することもあるので注意してください。

    AWS EC2が無料で使える?

    AWS EC2には一定期間、特定のサービスを無料で利用することができる【無料利用枠】というものがあります。無料利用枠は3種類あり、それぞれ有効期限等が異なりますので、各プランの特徴を確認しましょう。

    1.12ヶ月無料

    AWSアカウントを新規作成した人が対象となる12ヶ月無料枠です。
    アカウントを作成した日から1年間、様々なサービスが無料で利用できますがOSは Amazon Linux、Windows Server、Red Hat Enterprise Linux、を指定する必要がある等、いくつか利用制限はあります。
    期間中は毎月750時間/月 分のLinuxおよびWindowsのt2.microインスタンスが使用でき、これは1ヶ月(最長31日)間、毎日24時間稼働させたとしても充分な時間が確保されているため、単体で利用する分には問題ないでしょう。
    注意点としては、12ヶ月をすぎると自動的に標準料金へ移行してしまいますので、期限間近に手続きする必要があります。

    2.無期限無料

    先程紹介したの無料利用枠が12ヶ月間の制限付きだったのに対し、こちらは無期限で利用することが可能です。また自動的に期限切れになることがなく、新規ユーザーに限らず既にアカウントを作成している人でも利用することが可能です。

    3.トライアル

    トライアルは、対象サービスを初めて利用する場合に限り、一定期間の間無料で使用することができる無料利用枠です。トライアル期間が終了すると標準料金へ移行となります。
    AWSの無料地用枠には、枠によって受けられるサービスが異なるものもあります。
    具体的にどのようなサービスを受けることができるのかは公式サイトの「料金」ページ欄から確認ができます。

    https://aws.amazon.com/jp/free/?nc2=h_ql_pr_ft&all-free-tier.sort-by=item.additionalFields.SortRank&all-free-tier.sort-order=asc

    まとめ

    AWS EC2を利用する場合、まずはAWSアカウントを作成する必要があります。
    その上で、無料利用枠を使用するか、有料で利用するかを選択することになりますが、AWSを学習したいけど費用が気になる人は、まずは無料利用枠を試してみるのも良いでしょう。

    ただし、無料利用枠には無料で利用できるものとそうでないものが混在していたり、利用制限時間を超えると費用が発生するなどがあるので、利用する際は注意してください。
    有料版を使用する場合は、「オンデマンドインスタンス」「リザーブドインスタンス」「スポットインスタンス」の中から支払い方法を選択する必要があります。
    オンデマンドインスタンスは最も標準的と言える従量制なので、初めてAWS EC2を利用するならオンデマンドインスタンスがおすすめですが、費用を少しでも低額に収めたい場合はリザーブドインスタンスや、スポットインスタンスを選択するのもいいでしょう。

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