Amazon EC2の値段 ~破産しないために気をつけること~

はじめに

“Amazon Elastic Compute Cloud”通称Amazon EC2はいわゆるクラウドコンピューティングサービスです。様々な性能の仮想コンピューティング環境をクラウド内で提供しています。いまやNetflixやairbnbを筆頭に、全世界で最も採用されているクラウドサービスといえるでしょう。
そんなAmazon EC2は、もちろん企業に関わらず、個人でも利用することができます。そこで気になってくるのはやはり値段でしょう。便利なクラウド技術ですが、料金体系もわからず使っていると、気づかないうちに破産していた…なんて恐ろしいことにもなりかねません。そんなことは無いようにこの記事でAmazon EC2の値段について学んでいきましょう。

無料利用枠

さあ、以下では5つの支払い方法について解説していきますが、その前に紹介したいのが無料利用枠。AWSで提供されているサービスには、ある程度までは無料で利用できる「無料利用枠」が用意されています。Amazon EC2についても例外ではなく、アカウントを作ってから12ヶ月間まで、以下の無料利用枠が使用できます。

750 時間/月の Linux、RHEL、または SLES t2.micro インスタンスの使用
750 時間/月の Windows t2.micro インスタンスの使用

ハードな使い方をしてみる前に、お試ししてみるにはぴったりなので、ぜひ利用してみてください。

Amazon EC2、5つの支払い方法

Amazon EC2には5つの支払い方法があります。オンデマンド、Savings Plans、リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、そして、専用物理EC2サーバーであるDedicated Hostです。

オンデマンド

オンデマンドインスタンスは、利用するインスタンスに合わせて、時間あたり、もしくは秒あたりの料金が発生するものです。一定期間の契約を行う必要ありません。また、前払いなどを行う必要もありません。つまり、必要になったときに、必要な分だけ利用することができるのがオンデマンドインスタンスなのです。
最も低コストなt3インスタンスを東京リージョンで利用する場合、cpuやメモリなどの性能に合わせて、1時間あたり0.0052USD~0.3341USDで利用することができます。

リザーブドインスタンス

リザーブドインスタンスは、上記のオンデマンド料金に比べて、大幅に割り引かれた価格でEC2を利用できるものです。最大で70%以上割り引かれるという、大変オトクな利用方法ですね。リザーブドインスタンスはインスタンス属性、契約期間、オプションの3つの要素から価格を決定します。使いたいインスタンス性能と期間を予約しておくとイメージするとわかりやすいでしょうか。予約したインスタンス内であれば、自由にインスタンスサイズを変更したり、サードパーティとしてまた別の誰かに販売することもできてしまうのだから驚きです。「契約したけど余してしまっている」なんて心配はしないで安心して契約可能ですね。
先程の紹介したt3、最も高額なt3a.2xlargeでも、全額前払い・スタンダード三年間で契約すると、3870USDで利用できます。これは、実質的時間単価に換算して0.147USDと、オンデマンドに比べて62%お得に利用することができます。

Savings Plans

Savings Plansは1~3年間といった期間を決めて、一定のコンピューター使用量を契約する代わりに、安価でEC2使用料金が提供される料金モデルです。リザーブドインスタンスよりも最近登場したモデルで、使用量が変わると自動で金額が削減されるため、ニーズに適した柔軟なオプションを選択し続けてくれます。よって、使用量が変化しても、交換や変更を行うことなく、常に最もお得な値段で使用し続けることができるというわけです。リザーブドインスタンスよりも柔軟な変化に対応できる料金プランということですね。
先程紹介したt3a.2xlargeを東京リージョンで使用するのであれば、0.2019USDで利用することができます。単純な値段で言えばリザーブドインスタンスよりも若干高価ですが、柔軟な利用に特徴があるため、それ以上の価値を提供してくれる料金プランとなっています。

スポットインスタンス

スポットインスタンスは、AWSサーバーに存在する使われていないEC2インスタンスに入札して、利用することができるというものです。スポットの値段は、需要と供給の関係性によって変動しますが、最大で90%の割引価格で利用することができるサービスです。
一方で、スポットインスタンスの需要が増え、サーバーの価格が上がってしまうと、入札価格がサーバーの値段に達しなくなり、自動的にサーバーが落ちてしまうため、遅延してもよいタスクなどでの利用が推奨されています。

Dedicated Host

Dedicated Hostは、EC2のインスタンスの容量を利用した専用の物理サーバーのことです。こちらを利用すると、Windows ServerやSQL Serverなどのライセンスコストを削減することができるため、EC2を活用しつつ金額を節約することができます。

さいごに

この記事ではAmazon EC2の値段について、5種類の料金体系について解説していきました。それぞれの支払方法の特徴を理解して、より良いAmazon EC2ライフを!

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