SAP on AWSとは?

SAP on AWSとは?

SAPとは?EAPとは?

「SAP」とは簡単に言うと「SAP社」の「ERP」製品のことです。と一言で言ってしまえばそれで終わりなんですが、きっとここにいたどり着いた方は「そもそもSAPもERPも全くわからない!」という人達だと思います。今回はSAPについて、そしてSAPとAWSがどういう関りを持っているかについて紹介していきます。

SAPとは?

SAP(エスエーピー)とは、ドイツに本社を置くソフトウェアの大手ベンダーです。一般的には提供しているソフトウェアをさしていることもありますが、正確にはSAPは会社名であり、製品名ではありません。SAPは、1972年ERPパッケージ(統合業務パッケージ)ソフトのベンダーとして、ドイツのワルドルフで設立されました。ERPパッケージとは、企業の業務を統合して一括管理するソフトウェアのことを指しています。このERPパッケージで財務、人事管理、給与計算、販売管理、購買管理などの企業の運営に欠かすことのできないシステムを構築することができるのです。

SAP on AWS

クラウド以降への背景

2025年の崖問題の課題としてDX(デジタルトランスフォーメーション)が挙げられていますが、基盤としてクラウドサービスが注目されており、実際にシステムやインフラをクラウドサービスに移行している企業も増えてきています。ではなぜクラウドサービスがDXの基盤後なっているのでしょうか。理由としてはクラウドであれば、インフラを購入・構築することなく、必要な時に必要なリソースだけ利用することができます。その結果、素早くチャレンジし、より多くの時間とリソースを試行錯誤に費やすことができるのです。またクラウドではAIやIoT、ブロックチェーンをはじめとする最新技術のキャッチアップも早いので、既存システムでは実装が難しい最新技術もサービスとして利用できます。またチャレンジが成功した場合、今度はそれをいかに早く広く世界にスケールするかが重要になります。クラウドであれば、それも容易に行うことができるのです。

SAPをクラウドへ移行するなら

現在、多くの企業ではSAPアプリケーションが使われてきており、2018年 国内ERM(Enterprise Resource Management)市場、シェア首位は富士通を抑えSAPとなりました。日本企業のシステムに欠かすことのできないSAPシステム、SAPアプリケーションとなっていますが、そのSAPアプリケーションの多くはオンプレミス環境での運用となっています。DXのためにもオンプレミス環境からクラウドへ移行する際に、「今現在稼働しているSAPアプリケーションがすべて正常に移行できるかどうか」という不安を抱えている企業も少なくありません。その有効な選択肢の一つにあげられるのが、SAPアプリケーションをAWSで運用する「SAP on AWS」なのです。具体的には、SAP on AWSにどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で説明をしていきます。

SAP on AWSの大きなメリット

SAPの本稼働認定を受けたAWS

SAPはさまざまなアプリケーションを提供しています。AWSは、データベース、プラットフォームを含め、SAPの全ての製品について、本稼働認定を受けている唯一のクラウドベンダーです。AWSは通常、SAPの新製品提供開始と同時に認定を受けているのです。これが実現しているのは、2社の強固なパートナーシップがあるからこそでしょう。さらに強調すべきなのは、SAP本稼働認定Amazon EC2インスタンスの豊富さであると言えます。この認定を取得するのは容易ではなく、厳しいベンチマークテストを通過したものだけが認定されています。SAP NetWeaverおよびSAP HANAの認定プラットフォームリストには記載されているプラットフォームの大部分はAWSのEC2インスタンスとなっています。非常に豊富な選択肢から、ユーザー企業が自社に適したスペックを選べるプラットフォームベンダーは、他に存在しないと言っていいでしょう。しかも、一旦あるEC2インスタンスタイプを選んだからといって、そのインスタンスタイプに縛られることはなく、インスタンスタイプの変更は、再起動だけで行うことができます。

可用性と安定的なパフォーマンス

AWSにおけるSAPの可用性は、オンプレミス環境との違いはほとんどないと言ってよいでしょう。まず「Amazon EC2 Auto Recovery」という機能により、ハードウェアに障害が発生した場合でも、自動的に他の物理マシン上で他の正常なホストが仮想マシンを自動的に再度稼働させます。ディザスタリカバリが、従来とは比べ物にならない低価格で行えることも大きなメリットです。パフォーマンス面では、AWSでは仮想CPU、メモリのリソースを、各インスタンスに対して固定的に割り当てているため、物理マシンを他のユーザーと共用していたとしてもパフォーマンスが低下することはありません。

開発・導入・移行期間の短縮

物理サーバを使って開発や移行を始めようとすると、ハードウェアの調達から始めなければなりません。これだけで1~2カ月の時間がかかってしまいます。一方AWSでは、EC2インスタンスを立ち上げるだけで、すぐに作業に取り掛かることができます。この違いは皆さんにも一目瞭然でしょう。また、上述の通り再起動だけでインスタンスタイプを変更できるので、開発から検証、本番稼働に至るまで、サイジング作業から解放され、さらに物理マシンの買い替えで発生するタイムロスはなくなるので非常にスピーディーな開発が可能となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。SAPとAWSの関係について、まず「SAPとは何なのか」というところから解説していきました。またDXに向けて、より柔軟でスピーディーな環境のためにクラウドサービス移行が注目されている現在、国内におけるSAP on AWS導入企業は急速に増えてきています。SAP on AWSは新たなSAP環境としての有力候補であるといえるでしょう。

参考文献:
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/19/aws1217/
https://www.nttdata-gsl.co.jp/company/column/what-is-sap.html
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1711/30/news006.html

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