AWS導入費用について

AWSとは

AWSとは米Amazon.comが提供しているクラウドサービス「Amazon Web Services」のことで、クラウドサービスとしては世界1位のシェアを獲得しています。この記事では、AWS導入にあたって必要な費用について説明していきます。

AWSの料金システム

AWSには100を超える様々なサービスがあり、それによってかかる費用が異なってきます。それぞれの費用をすべて覚えることは不可能といえますので、AWSにおける基本の料金システムを理解することが大切です。AWSの料金体系の基本は、「使ったら使った分だけ支払う」です。つまり、使ってみないと正確な請求金額はわかりません。しかし、それではいくら請求が来るかわからないので、社内稟議が通せないという方も多いです。ここでは、AWS利用前でもAWS利用料の概算見積もりを把握するための基礎的な知識について解説します。

サーバー利用の場合

AWSでサーバー利用を行う場合、稼働時間による従量課金制(1秒単位)となります。契約内容にもよりますが、料金は1時間あたり約0.03USD(約3円)で契約することが可能です。24時間で換算すると約72円ですが、深夜帯などの稼働する必要がない時には停止することで費用を抑えることができます。また、前払い(予約)や、年単位の契約を行うことで料金の割引がされるため、継続して利用することが決定している場合はこちらを活用することで費用をある程度削減することができます。

ストレージ利用の場合

AWSでストレージ利用を行う場合、使用したストレージ容量による従量課金制(1GB単位)となります。料金は1GBあたり約0.02USD(約2円)で契約することが可能です。利用するストレージ容量が大きくなるほど(51TB以上)1GBあたりの費用が割引されます。

別途かかるデータ転送の料金

インターネットからAWSにデータ転送する場合には無料ですが、AWSからインターネットに1GBを超えるデータ転送を行う場合には別途料金が発生します。この料金についても、従量課金制(1GB単位)となります。料金は1GBあたり約0.1USD(約11円)の料金が発生します。こちらも同様に、データ転送する容量が大きくなるほど1GBあたりの費用が割引されます。こちらは気づかないうちに料金がかさんでしまうこともあるため、特に注意が必要です。

その他

IPアドレスの数や、頻度設定などのその他の契約設定によってはさらに追加料金がかかってしまう可能性があります。これらも使用しない場合は停止等をすることで費用の削減が可能です。

費用の見積もり

AWSの費用を見積もる場合、前述の各料金はもちろんのこと現在使用しているクラウドやサーバー、オンプレミスとの比較や、構成予定のクラウドをしっかりと把握することで詳細な金額を算出することができます。また、見積もる際にはAWS公式に問い合わせるだけでなく、ツールやサイトを利用することもできます。すべてのサイトではありませんが、一部を紹介します。

見積もりに役立つページ

AWS公式サイトには、クラウドの構成例やその費用が確認でき、日本担当チームに問い合わせができるページが用意されています。
英語サイトのみですが、現在使用しているクラウドとAWSクラウドの比較サイトもあります。

費用を抑えるには

費用を抑えるためには、稼働の必要がないときには停止することや、インスタンスやストレージタイプを精査するということが大事になってきます。オーバースペックになってしまうと、費用だけが高くなってしまい無駄が多くなります。適切なインスタンスやストレージタイプを選択することで、費用を抑えることができます。そこで、費用削減に役立つツールを使うとより効果的に費用を削減することができます。

費用を抑えるために役立つツール

AWSサーバーとしてよく使われているEC2を事前にスケジューリングすることで自動的に起動や停止をしてくれるツール、「EC2 Scheduler」です。毎日手動で起動や停止を行うのは面倒だったり忘れがちになりやすいため、EC2を利用している場合は導入を強くおすすめします。
https://aws.amazon.com/jp/answers/infrastructure-management/instance-scheduler/
上記と同様なツールとして、「opswitch」もあります。アカウント作成を行い、AWSアカウントと連携を行うことで簡単に起動や停止、バックアップなどを自動化することができます。注意点としては、初回60日以降は有料となってしまうため、ツールを利用してもあまり費用が削減できない場合にはツール導入にかかった費用の方が大きくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。

AWS Cost Explorer

AWS Cost Explorerは、請求書によってかかった費用がグラフで表示されます。毎月ごとや毎日ごとにグラフで表示されるので、費用の遷移がとても見やすいことが利点です。Cost Playerを利用するには、管理画面から事前に設定を行って有効化しておかなければなりません。そのため、Cost Playerを利用する以前の費用を対象に比較することはできませんので注意が必要です。

Amazon CloudWatch

Amazon CloudWatchは、AWSのアラーム機能です。アラームを設定することで、一定の利用額に達するとアラームが鳴ります。アラームの設定については個人で設定できますので、各々の水準で設定することができます。もちろん、あとで変更も可能ですので、とりあえず使ってみることも可能です。

AWSの無料利用枠

使ってみたいけど個人で試しに利用するには費用が高い…そんな時に使えるのが無料利用枠です。AWSではサインアップ日から12カ月間無料で使用することができ、一部機能のみ使う場合には無期限に無料でAWSを利用することができます。また、サービスごとに別途、時間や使用データ量ごとに無料利用枠が決められていますので、確認しておく必要があります。

まとめ

AWSにも細かく分けると無数の種類があり、それぞれ料金が異なっています。すべてを把握することは難しいですが、利用する可能性のあるサービスを理解することで削減のポイント等も見えてきます。最終的には利用者の判断でコストカットを行うことが最も早い方法ですので、AWSサービスの取捨選択が必要です。この記事ではAWSの基本的な料金システムや、利用されることの多いサーバーなどを紹介しましたが、AWS導入の一助となれば幸いです。

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