AWS WorkSpacesの利用価格について

はじめに

本記事では、AWS(Amazon Web Services)が提供するWorkSpacesの利用価格について取り上げていきたいと思います。WorkSpacesといえば実際に物理的なデスクトップPCを用意するよりも安価に収めることができ、また「テレワーク」という言葉も最近では多く聞くようになってきたため、これからWorkSpacesを使おうと考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。本記事が少しでもWorkSpaces導入の参考になれば幸いです。

WorkSpacesとは?

AWSが提供しているサービスで、様々な環境下でも仮想デスクトップを安価に導入することができるサービスです。仮想デスクトップを作ることで、リモートワークへの活用や社内情報などのデータを個人のデバイスに保存する事がないため漏洩などのリスクも減らすことができるメリットを持っています。

WorkSpacesの料金形態について

料金形態については、バンドル(OSや性能などのスペック)ごとに決められた額の月額料金と時間単位の料金との大きく2つに分けた2パターンから好きな支払いプランを選ぶことができます。また月/時間額に加え、通信料や追加オプションなどにより料金が加算されます。これについては後に詳しく説明していきます。月額や時間料金の支払いは、同じアカウントで複数のユーザーがあってもそれぞれに設定することができます。また、初期費用は不要であるため初期投資のことを考えることなく簡単に始めることができます。

WorkSpacesの価格について

WorkSpacesを利用するにあたり、まず事前にAWSユーザーとしてのアカウント登録をしておかなければなりません。新規アカウント作成は無料でおこなうことができます。

=バンドル毎に決められた月/時間料金=

月額の場合、最初の月は月末までの日割りの計算で料金が決まります。それ以降の月から月額が請求されます。この方法は特にWorkSpacesを常に仕事で利用する方など、ひと月のうちで使用する時間が多い場合に適しています。
時間料金の場合は、時間単位の料金プラス、月ごとの基本料金(インフラストラクチャ固定額)の合計額の支払いになります。月額と比べ、月の使用時間が短い、非常勤などの場合に適していますが、いくら短期間の使用予定でも月の固定額があることは知っておきましょう。

以下は、東京リージョンでの価格です。
※以下、各バンドルの最低価格であるルートボリューム(Cドライブ)が80GB、ユーザーボリューム(Dドライブ)が10GBのタイプの価格のみを抜粋しています。その他のストレージも揃っていますので、詳しくは公式サイトを参照ください。

◆Linux OSの場合

◇バリュー:1 vCPU、2GiBメモリ
月額の場合 30 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.25 USD/時間
◇スタンダード:2 vCPU、4GiBメモリ
月額の場合 41 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.36 USD/時間
◇パフォーマンス:2 vCPU、7.5GiBメモリ
月額の場合 55 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.56 USD/時間
◇パワー:4 vCPU、16GiBメモリ
月額の場合 104 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.85 USD/時間
◇PowerPro:8 vCPU、32GiBメモリ
月額の場合 157 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 1.80 USD/時間

◆Windows OSの場合

◇バリュー:1 vCPU、2GiBメモリ
月額の場合 34 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.30 USD/時間
◇スタンダード:2 vCPU、4GiBメモリ
月額の場合 45 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.40 USD/時間
◇パフォーマンス:2 vCPU、7.5GiBメモリ
月額の場合 59 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.61 USD/時間
◇パワー:4 vCPU、16GiBメモリ
月額の場合 108 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 0.89 USD/時間
◇PowerPro:8 vCPU、32GiBメモリ
月額の場合 161 USD / 時間料金の場合 10 USD/月 + 1.84 USD/時間

◇◇グラフィックス:8 vCPU、15GiBメモリ、1 GPU、4 GiBビデオメモリ
ルートボリューム:100GB
ユーザーボリューム:100GB
月額の場合 951 USD / 時間料金の場合 30.00 USD/月 + 2.41 USD/時間
◇◇GraphicsPro:16 vCPU、122GiBメモリ、1 GPU、8 GiBビデオメモリ
ルートボリューム:100GB
ユーザーボリューム:100GB
月額の場合 1,283 USD / 時間料金の場合 85 USD/月 + 14.93 USD/時間

※全てにおいて、追加ストレージは1GBあたり0.12 USDです。
※2020/07/22時点の価格です。

また、既存のWindowsライセンスをWorkSpacesへ持ち込み使用する場合は、指定要件を満たすものであれば上記価格と比較し最大16%程節約することもできます。詳しくはページを参照いただければと思います。

=その他オプションとして選択できる内容について=

◇プラスアプリケーションバンドル

WorkSpacesにはデフォルトのアプリケーションバンドルとしてユーティリティ(Internet Explorer 11、Firefox)が備わっていますが、その他オプションとして月額15 SUDでMicrosoft Office ProfessionalやTrend Micro Worry-Free Business Security Servicesを追加する事もできます。

=別途かかる費用=

◇通信料

WorkSpacesでは、クライアントPCからWorkSpacesへの通信料はかかりません。しかし、WorkSpaces上でインターネットを利用した場合はデータ送信分の通信料が課金されます。この通信料金はEC2と同額となっており、基本的に月の最初の1GBまでは無料、それ以上は1GBあたり0.114 USDかかります(9.999TBまでの価格)。
※2020/07/22時点の価格です。

=無料利用枠=

WorkSpacesはAWSの新規/既存アカウントに関わらず、最初の2か月間はルートボリューム80GB、ユーザーボリューム50GBのスタンダードバンドルをAutoStopモード(時間単位課金)で1か月あたり最大40時間無料で利用することができます。詳しくは公式サイト参照ください。

=WorkDocsの利用と割引=

WorkSpacesユーザーはWorkDocsへのアクセス権限と50GBのストレージが追加料金なしで利用でき、更に50GB⇒1TBへのアップグレードは通常のWorkDocsの価格より割引された額(3.00 USD/月)でおこなうことができます。

=教育機関や公共機関への割引=

学校や大学などの教育機関や公共機関でWorkSpacesを利用する場合、手続きを取り認証されればWorkSpacesのライセンス料金が割引(毎月3.52 USD、または毎時0.03 USD)になることがあります。

おわりに

いかがでしたでしょうか。 AWSなどのクラウドサービスは、一つのサービスにおいても様々な機能や細かな選択肢などが用意されており、幅広いニーズに応えてくれるメリットの反面、料金面もサービス毎に細かく指定されており、何かと費用がつかみづらい部分が多々あるかと思います。安価なイメージで安心していると思わぬところで課金を強いられる場合もあります。最低限の価格知識を知っていればより安心ですので、参考にしていただけていれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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