AWS Storage Gatewayについて

Storage Gateway

AWS Storage Gateway は、既存のオンプレミス環境と AWS クラウドを接続するハイブリッドクラウドストレージサービスです。簡単にいうとオンプレミス環境にあるデータをクラウド上のストレージに置くためのゲートウェイです。オンプレミスのデータをAWS上に置くことで高い可用性が担保され、バックアップやもしも災害などが起こったときに迅速に復旧することができます。頻繁にアクセスするデータはオンプレミスで維持することにより低レイテンシーのパフォーマンスを提供し、すべてのデータを暗号化して Amazon S3または Amazon Glacier に安全に保管します。

Storage Gatewayの使い方

Storage Gatewayを使用してS3にマウントするには、ゲートウェイ・ファイル共有・マウントの3つの設定をする必要があります。

<ゲートウェイの設定>

AWSコンソールから「Storage Gateway」サービスを起動し、「今すぐ始める」をクリックします。「ファイルゲートウェイ」を選択してインスタンスは「AmazonEC2」を選択しましょう。
※EC2を使用する場合はキャッシュとしてストレージサービスのEBSを使います。

インスタンスの詳細設定を行い、キャッシュ用の領域を追加します。最後にセキュリティグループの設定し「確認と作成」で完了です。

<ファイル共有の設定>

ゲートウェイの設定画面左のメニューからファイル共有を選択し、「ファイル共有の作成」をクリックします。
ファイル共有を行うS3 バケット名を入力し、ファイルを保存する方法の設定を行います。許可/拒否をされたユーザーとグループを変更し、ActiveDirectoryのユーザーを指定すると完了です。ファイル共有が作成されたら、「詳細」情報から接続用のコマンドを確認しましょう。

<マウントの設定>

最後にマウントの設定です。先程確認した接続用コマンドを入力します。ユーザーとパスワードを求められるので間違えないよう入力すると完了です。S3のバケットで保存されているか確認してみましょう。

Storage Gatewayのメリット

・高い可用性

データは99.999999999%の堅牢性を持つS3に保存されることで高い可用性があります。また、S3は容量無制限となっており、バックアップスケジュールも容易に設定が可能です。

・標準でデータが暗号化

保存されるデータは暗号化されるので、データの損失や漏洩の危険性も低くなります。
また、オンプレミス環境とS3間のデータ転送においてもSSLで暗号化がおこなわれるので、転送時におけるデータも安全です。

・ データをEBSスナップショット形式で保存できる

Storage Gatewayでは、オンプレミス環境のデータストレージにあるデータをそのまま、EBSスナップショットのイメージでS3にバックアップすることが可能になっています。
これにより、オンプレミス環境をAmazon EC2移行も簡単に行うことができます。

ストレージゲートウェイの種類

・ファイルゲートウェイ

オンプレミスに保存しているファイルを S3のオブジェクトとして保存します。直前に使用されたデータはゲートウェイ上に保存するため、タイムラグなくアクセスをすることが可能です。ファイルゲートウェイストレージを使うことで、クラウドのワークロードの S3 への取り込みやバックアップとアーカイブの実行、AWS クラウドへのストレージデータの階層化と移行などをすることができます。

・ボリュームゲートウェイ

ボリュームゲートウェイとして設定することで、オンプレミスアプリケーションからクラウドベースの iSCSI ブロックストレージボリュームを認識できるようになります。ボリュームゲートウェイを使用することで、ローカルキャッシュかボリューム全体のいずれかをオンプレミスで使用することができます。またオンプレミスのディスクデータのスナップショットはS3に保存します。ボリュームゲートウェイを使用するときにはキャッシュ型と保管型の2種類の方法があります。

<キャッシュ型>

キャッシュ型ボリュームを使用することで、頻繁にアクセスされるデータはローカルのストレージゲートウェイに保持しながら、S3をプライマリデータストレージとして使用できます。キャッシュ型の特徴は、プライマリストレージのコストを大幅に削減することです。また、ストレージをオンプレミスで拡張する必要性が最小になり、頻繁にアクセスするデータへの低レイテンシーのアクセスも維持できます。

<保管型>

保管型ボリュームは、プライマリデータをローカルに保存する一方でそのデータを非同期に AWS にバックアップします。保管型ボリュームを使用することで、オンプレミスのアプリケーションがそのデータセット全体に低レイテンシーでアクセスすることができます。またデータがローカルにあるので、データ全体に対して素早くアクセスできます。EBSへの復元も可能です。

・テープゲートウェイ

ゲートウェイ仮想テープライブラリを使用すると、クラウド上のゲートウェイ1つにつき1500本もの仮想テープをコレクションできます。各仮想テープは、テープライブラリかテープシェルフに格納します。仮想テープライブラリはS3によってバックアップされた仮想テープを格納出来ます。テープゲートウェイの特徴は、データをAWSクラウド上に置くことで耐久性が高くコスト面でも効率的なサービスが使えることです。バックアップソフトウェアを使用するとS3、Glacierにデータを移すことも可能です。

まとめ

いかがだったでしょうか。この記事でStorage Gatewayの特徴や使い方の理解が深まれば幸いです。S3やEFSと比べて馴染みがなく私自身少し難しい印象を持っていました。実際に調べたり使ってみたりすることで分かることは多くあります。この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献:
http://itlib1.sakura.ne.jp/test380/pdfichuran/0453/022-AWS-Storage-Gateway.pdf
https://recipe.kc-cloud.jp/archives/9180

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