Amazon AppStream 2.0 とは
Amazon AppStream 2.0 とは
Amazon AppStream 2.0 は、完全マネージド型のアプリケーションストリーミングサービスです。簡単に言うとクラウド上で実行されるデスクトップアプリケーションを、ブラウザでリアルタイムに配信することができるサービスです。開発でよく使われるEclipse、Microsoft Office 365のWord・Excel・PowerPointなどもブラウザで配信することが可能です。ユーザー数は無制限で世界中に簡単にスケールできます。フルマネージド型のサービスのため、ハードウェアやインフラストラクチャの調達やプロビジョニング、運用は不要です。AppStream 2.0 は AWS 上に構築されているため、安全性にも優れています。アプリケーションは特定のユースケース向けに最適化された仮想マシン (VM) で実行され、それぞれのストリーミングセッションがネットワーク条件に合わせて自動的に調整されるため、GPU 負荷の高いアプリケーションであっても、スムーズな操作を行えます。
AWS WorkSpacesとの違い
AppStream 2.0 → アプリケーションをユーザーに配信することに特化したサービス
・特定のアプリケーションだけをユーザーに提供したいとき
・高解像度の3Dアプリケーションを利用するとき
・AppStream 2.0のユーザー管理機能を使ってアプリケーションを配信したいとき
WorkSpaces → デスクトップ環境をユーザーに提供するサービス
・ユーザーが自由に使えるデスクトップ環境を提供したいとき
・ユーザーごとに永続インスタンスを割り当てたいとき
・Linuxの利用やWindowsライセンスの持ち込みを行いたいとき
利用可能なリージョン
※2020年8月現在
・米国東部 (バージニア北部)
・米国西部 (オレゴン)
・アジアパシフィック (ムンバイ)
・アジアパシフィック (ソウル)
・アジアパシフィック (シンガポール)
・アジアパシフィック (シドニー)
・アジアパシフィック (東京)
・欧州 (フランクフルト)
・欧州 (アイルランド)
AppStream 2.0のメリット
・既存のアプリケーションを変更せずインポートしてストリーミング
イメージビルダー機能を用いて既存のアプリケーションをインストールし、簡単な設定をすることができます。イメージビルダー上でアプリケーションが動作すれば、アプリケーションに対する配信のための機能を追加しなくてもストリーミング配信をすることが可能です。
・スケールにインフラストラクチャは不要
AppStream 2.0 は AWS の完全マネージド型サービスで、従量制でグローバルに使用できます。ユーザー数無制限で世界中にアプリケーションストリーミングを簡単にスケールでき、ハードウェアやインフラストラクチャの調達、プロビジョニング、運用は不要です。アプリを追加するとすぐにストリーミングすることができます。
・いつものブラウザで実行
クライアントの環境依存が小さくまた応答性の高いストリーミングが実現できるためあたかもクライアント端末内にワークステーションが存在するかのように新しいアプリケーションを操作することが可能です。
・アプリケーションとデータの保護
アプリケーションとデータは、ユーザーのコンピュータには保存されません。アプリケーションは暗号化されたピクセルとしてストリーミングされ、データへのアクセスはネットワーク内で保護されています。AppStream 2.0 は AWS 上で動作するため、最も厳しいセキュリティが要求される企業向けに構築されたデータセンターとネットワークアーキテクチャを利用できます。
・アプリケーションの集中管理
すべてのユーザーが同じバージョンのアプリケーションにアクセスできます。アプリケーションを AppStream 2.0 で集中管理することで、各ユーザーのコンピュータでのインストールとアップデートの管理が不要になります。
AppStream 2.0のユースケース
これらのメリットを活かしAppStream 2.0ではいくつかのユースケースが考えられます。
・企業や教育
AppStream 2.0は高いセキュリティを持ちます、またフルマネージド型のサービスのためインフラストラクチャの管理をする必要がなく、アプリケーションやユーザーの集中管理機能もあります。安全かつ簡単にアプリケーションとユーザを管理できるという点で企業や教育現場で力を発揮します。
・ソフトウェアベンダー
今まではアプリケーションのデモやトライアルなどでエンドユーザーに紹介する場合、実際にアプリを触るのに数日あるいは数週間という時間を要することがありました。しかしAppStream 2.0はデスクトップアプリケーションを書き換え無しでクラウド移行できます。そのため、数分でエンドユーザーはアプリケーションにふれることが可能となり、セールスのサイクルを短くすることが可能です。
・エンジニアやデザイナー
AppStream 2.0を使うことによって、ユーザーが任意のブラウザから作業をすることが可能となり、ワークステーションを使う必要がなくなります。またAppStream 2.0を使うことによってリソースに限りもありません。
AppStream 2.0のデメリット
・ログインの待ち時間
重たいアプリの配信や、サーバースペックによってはログインに数分の時間を要するケースもあるようです。
・仕様の変化
デスクトップアプリは、場合によって使えない機能があったり使い勝手が変わってしまうこともあるようです。
・コスト
AppStream 2.0が稼働するインスタンスの従量課金の他に、ユーザー 1 人あたり毎月 4.19 USDのMicrosoft RDS SAL固定料金がかかります。AppStream2.0のインスタンスには同時に1人しか接続できない為、同時に利用したいユーザー数の分だけのインスタンス台数料金とMicrosoft RDS SAL固定料金が必要です。
まとめ
いかがでしょうか。Amazon AppStream 2.0について少しでも理解を深めていただけたら幸いです。近年ではリモートワークやリモート授業が普及してきました。パソコンとネットワーク環境さえあれば場所は関係なく任意のユーザーにアプリケーションを配信できるAmazon AppStream 2.0のようなサービスの需要はこれから高まってきます。もし機会があればAmazon AppStream 2.0を検討してみてはいかがでしょうか。