AWSからAzureへ仮想マシン(VM)を移行する
Cloud to Cloud
 
 世間では、複数のクラウドサービスを使い分けるマルチクラウドや、オンプレミスとパブリッククラウドを使い分けるハイブリッドクラウドの採用がますます重視されるようになってきています。
 
 これに伴って、ベンダ各社の競争が激化しつつあり、Amazon Web Serbice(AWS)社は自社の同名クラウドサービス群への移行サービスと通じて、Microsoft社のクラウドサービス群である「Microsoft Azure」のユーザ企業が利用しているクラウドサービスからAWSに移すことを目的としているようです。
 
 これに対してMicrosoft社は「Azure Migrate」というサービスを利用して、AWSからAzureへの移行を可能としています。
 
Azure Migrate
 
 Azure Migrateはサーバの移行専用に設計されており、オンプレミスのマシンの検出・評価・およびAzureへの移行を行うための中心的なハブを提供しています。
 
Azure Migrate が提供しているもの
 ・統合されたプラットフォーム
 Azureへの移行を開始、実行、追跡するための単一ポータル。
 ・ツールの範囲
 
 評価と移行のためのさまざまなツールです。Azure Migrateには、Server Assesmentが含まれており、ServerMigrationに関するエラーのトラブルシューティングに役立つ情報を提供しています。
 ・評価と移行
 
  □サーバ
 
 オンプレミスのサーバを評価し、Azureの仮想マシンまたはAzure VMware Solutionに移行します。
 
  □データベース(DB)
 
 オンプレミスのDBを評価し、Azure SQL Database または SQL Managed Instanceに移行します。
 
  □Webアプリケーション
 
 Azure App Service Migration Assistantを使用して、オンプレミスのWebアプリケーションを評価し、Azure App Serviceに移行します。
 
  □仮想デスクトップ
 
 オンプレミスの仮想デスクトップ インフラストラクチャを評価し、AzureのWindows Virtual Desktopに移行します。
AWS VMをAzureに移行する
Azure Migrateを使用して、AWS VMからAzureへ移行します。
前提条件
 
 ・移行するAWS VMで、実行しているOSがサポートされているかを確認。(AWS VMを移行する際、物理マシンとして扱われるため)
 
・AWS VMからAzureへの移行で、AWS VMがサポートされる構成であるかを確認。
・AzureにレプリケートするAWS VMが、Azure VMの要件に準拠していることを確認。
 ・AzureにAWS VMを移行する前に、変更しておかなければいけない部分
 
  □一部のOSでは、Azure Migrateによる変更が自動で行われます。
 
 
  □変更を行う前にVMを移行すると、AzureでVMが起動しない可能性があります。
 
1、移行のためのAzureリソースを準備
・Azure Migrateプロジェクトの作成
 
 Azure portalでサブスクリプションを開き、アクセス制御を選択。
 共同作成者 or 所有者のアクセス許可を持っている必要があります。
 ・Azureアカウントのアクセス許可の確認
 
  □選択したリソースグループ内にVMを作成します。
 
  □選択した仮想ネットワーク内にVMを作成します。
 
  □Azureマネージドディスクに書き込みます。
・Azureネットワークを作成
 
 Azure仮想ネットワークを設定します。
 
 作成されたAzure VMは、移行の設定時に指定したAzure VNetに参加させられます。
 
2、移行のためにAWSインスタンスを準備
 
 AzureからAWSへの移行を準備するために、移行用のレプリケーションアプライアンスを準備してデプロイする必要があります。
 
3、Server Migrationツールを追加
Azure Migrateプロジェクトを設定し、そこにServer Migrationツールを追加します。
4、レプリケーション アプライアンスを設定
 
 移行の最初の手順として、レプリケーション アプライアンスを設定します。AWS VM移行用のアプライアンスを設定するには、アプライアンスのインストーラーファイルをダウンロードし、それを、準備したVMで実行する必要があります。
 
5、モビリティ サービスをインストール
移行されるAWS VMに、Mibility Serviceエージェントがインストールされている必要があります。エージェントインストーラーは、レプリケーション アプライアンス上で使用できます。
6、AWS VMのレプリケーションを有効にする
 
 AWS VMのレプリケーションを有効にします。レプリケーションの開始後は、設定を変更できない点に注意してください。
 
7、テスト移行を実施
 
 AWS VMからAzureへの完全な移行を実行する前に、VMのテスト移行を実行することができます。実際の移行を始める前に、問題を検出して修正することができるので、必ずテスト移行を実施しましょう。
 
8、AWS VMを移行する
テスト移行が想定通りに進み、動作することを確認したら、AWS VMを移行できる状態になります。
9、移行を完了する
移行が完了すると、AWS VMのレプリケーションが停止されます。
 参考文献:
 https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/migrate/tutorial-migrate-aws-virtual-machines


