AWSのニュース

はじめに

AWSとは「アマゾンウェブサービス(Amazon Web Services)」のことであり、Amazonが提供しているサーバやデータベースなどをインターネット経由で使用できるサービスのことである。今やクラウドサービスの代表格であるAWSだがこの機会に最近のAWSに関する障害ニュースや技術的革新ニュースを取り上げて、今一度AWSの真価をみなさんに考えてもらいたい。

AWSのニュース

AWSに関する障害ニュース

2019年8月23日、AWSで大規模なシステム障害が発生し、多くの影響が出た。原因は日本でAWSを提供している東京近郊の4群あるデータセンターのうち1つで空調設備が故障したためである。これにより、仮想マシンの「Amazon EC2」やそのストレージの「Amazon EBS」など様々なサービスに影響が及んだ。

例えば、スターバックス。公式スマホアプリで、会員制プログラムの「スターバックス リワード」のポイント機能が使用できないトラブルが出た。アプリ上でポイント残高が表示されず、ドリンク購入の際にポイントが付与されたかが確認できない状態になった。
日本ピザハットでは、宅配注文するウェブサイトが表示できない障害が発生した。ネットからピザの注文ができない状態になり、各店舗では電話注文だけを受け付けたという。

以下が影響が出た企業。

企業(サービス名)障害内容
PayPay一部の利用者で支払や入金ができず
スターバックスコーヒーアプリ内のポイント機能が使用できず
ユニクロ/GUネット通販サイトにて支障
日本通運社内外とメールできず
freee会計管理ツールなどが利用できず
DeNAスマホゲームでログインできず
名古屋グランパスサイト/アプリにてログインできず
SaaS企業名刺管理サービス「Sansan」や「Eight」のサービス一部利用できず
ピザハット宅配注文するウェブサイトが表示できず

AWSに関する技術革新ニュース

悪いニュースばかりではない。技術的な向上も図れる良いニュースもある。

AmazonはKDDIと協力して、新たなコンピューティング・ストレージサービス「AWS Wavelength」を用いて、エッジコンピューティング環境を構築させている。
エッジコンピューティングとは、利用者により近い場所にサーバーやストレージなどの装置を配置しデータ処理することで、クラウドサービスを利用したアプリケーションよりも応答時間の低遅延化や回線帯域の削減を実現する手法である。より低遅延なサービスを提供できる仕組みとして、5Gのネットワークと組み合わせた活用が期待されている。
AWS WavelengthをKDDIの5Gネットワーク内に配置することで、アプリケーション開発者は現在利用しているAWSと同じ使い慣れたAPI・ツール・機能を使用しながら、低遅延を活かしたサービスを展開することが可能だ。また、KDDIの5Gネットワーク利用者は、各種アプリケーションを低遅延に利用することが可能となる。

5G時代のエッジコンピューティングでは、高精細なVR/AR、仮想専用サーバーであるVPS (Visual Private Service)、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を上手く融合させた製造現場、建設機械の遠隔操縦や自動運転などへの活用が期待される。
AWS Wavelengthが5Gの低遅延サービス実現となる大きな飛躍の一役を担うだろう。

まとめ

企業はコスト削減の一環で、自社でサーバーを導入する従来手法からデータセンターをインターネット経由で利用するクラウドにシフトしている。今回紹介したAWSの大規模障害もクラウドに集中することの「脆弱さ」が浮き彫りになったのではないか。一方、技術的な革新も著しく、我々の生活がより豊かになるような期待も十分持てる。これからの未来を見据えて、AWSと上手な付き合い方を今一度考えていきたい。

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