Azureの信頼性は?システムを止めない仕組みをご紹介

クラウドの登場以来、その利便性からあらゆる分野でクラウドへの移行が進んでいます。Microsoftが提供するAzureはクラウドを用いたサービス提供やストレージとしての活用など、多くの使い方がある今注目のサービスです。サービスの質や規模はトップクラスでクラウド時代の中心を担うサービスです。しかし、一方でクラウドに保存したデータは自社の外で管理されることになる為、信頼性への不安からクラウドの導入に至っていない企業も多いです。そこで今回はAzureの信頼性について解説してゆきます。

Azureにおける信頼性

Microsoftでは信頼性の高いアプリケーションには以下の要素が必要であると解説されています。
回復性があり、障害から適切に復旧出来る。
 アプリケーションが完全に復旧するまで、ダウンタイムおよびデータ損失を最小限に抑え、機能し続ける。
高可用性があり、大幅なダウンタイムなく正常な状態で動作する。

Azureではこれらの条件を満たすために、独自の大規模なインフラインストラクチャを構築しています。次項ではこのインフラインストラクチャにの仕組みついて解説します。

Azureグローバルインフラストラクチャ

インフラストラクチャとは組織が製品・サービスを提供するために必要とする施設や設備のことです。Microsoftが持つAzureグローバルインフラストラクチャは全世界で160ヵ所を超えるデータセンターを持ち、140ヵ国で利用可能です(2020年7月現在)。他のクラウドプロバイダーと比べ多くのグローバルリージョンと可用性ゾーンを持ちます。ユーザーはこれらの設備をオプションとして選択し、活用する事が可能です。

リージョン

リージョンとはクラウドサービスにおいて、データセンターを設置している独立した地域の事を指します。Azureのリージョンは世界各地に58ヵ所あるので、ユーザーは近くのリージョンを選択し、自由にデプロイする事が可能です。各リージョンにはペアになるリージョンが設定されており、ペアのリージョンに自動的にバックアップを取り冗長化を図る事が可能です。ペアになっているリージョンは少なくとも300マイル以上離れた場所に設置されています。その為、自然災害等の甚大な被害を受けプライマリリージョン(メインで使用するリージョン)が停止したとしても、セカンダリリージョン(ペアのリージョン)に自動フェールオーバーする事でデータやアプリケーションを復旧できます。

可用性ゾーン

可用性ゾーンとは、Azureのリージョン内で物理的に分離されたデータセンター群の事です。それぞれの可用性ゾーンは、独立した電源、冷却手段、ネットワークを備えており、独立して管理されているため障害発生時のシステム停止、データ損失へのリスク軽減となります。リージョンとは違い、それぞれ独立してはいるものの比較的近いエリアに存在する為、小規模の障害には効果がありますが、自然災害等の大規模な障害発生時には可用性ゾーン全体が被害を受ける可能性があるので、リージョンよりもリスク軽減の効果は低くなります。ゾーン内での冗長化のみとするか、リージョンを活用するかはオプションで選択可能です。

データセンターのセキュリティ

前項では回復性、可用性を高める為の障害発生時を想定した設備を紹介しました。しかし、障害発生時の対応は重要ですが、高い信頼性を得るには障害や事故を未然に防ぐ事も必要となります。特に日本は世界でも有数の地震大国です。南海トラフや首都直下地震など、今後起こる事が想定される災害に備え、日本国内のAzureグローバルインフラストラクチャ内のデータセンターではそう言った障害、事故を起こさない為の対策も万全となっています。

災害対策

Microsoft日本データセンターは免震構造を採用しています。積層ゴム支承など最新の免震装置を備え、地面の揺れを建物や機器等への影響を最小化します。また、他リージョンとのネットワーク接続を保護するために、ネットワークケーブルは「洞道」(とうどう)と呼ばれる強固な地下トンネルを通っています。ネットワークはメッシュ状となっており、万が一分断されても自動リルーティングできるようになっています。停電時には複数の発電機により電力を賄えます。これらの仕組みにより災害時にもシステムを致命的な停止をさせることなく、稼働を続けられる構造となってます。

保守対策

Azureのデータセンター内のハードウェアは自動で壊れる前の予兆を感知し、障害が発生する恐れのある箇所を自動的に切り替える仕組みになっています。非常に高性能なシステムではありますが、大量の機械を稼働させている為どうしてもどこかしらに不調は起こりやすくなります。その為AzureのデータセンターではAIによる監視でそれらの不調を未然に発見・排除し、安定した稼働を可能にしています。

まとめ

今回はAzureの信頼性を守る仕組みを紹介しました。信頼性への不安が多いクラウドですが、Azureではリスク管理の為に様々な工夫を凝らしています。業界最大手のMicrosoftだけあり、水準以上の信頼性が示されています。コスト面など他の問題もあるので簡単にはいきませんが、安全性の面では万全の体制が整えられていますので、是非Azureの導入をご検討下さい。

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