Azure~入門編~

はじめに

「Azure(アジュール)」という言葉を人気のあるクラウドサービスの1つとして聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。聞いたことがあって気にはなっていたけれど、中身まではよく知らない。あるいは、全く聞いたことはないけれど新しい知識をどんどん詰め込みたい。そんな方のために、これから入門編としてその概要を紹介していきます。入門ながらもシステムの概要やメリットを分かりやすくまとめてみました。

Azure入門

クラウドサービスについて

入門の第一歩。まずは押さえておきたい用語からご紹介させてください。Azure(アジュール)と読むこの言葉。そもそもはMicrosoft Azureのことを指しており、Microsoft社が提供するクラウドサービスの集合体のことです。クラウドサービス(別名:クラウドコンピューティングサービス)は簡単に表すと、インターネット等のネットワークを介して外部から情報を受け取れるサービスです。処理の大半を担うサーバーなどはサービス提供側に設置しているため、自身のコンピューターのハードドライブに保存する代わりに、オンラインで保存できます。ユーザーが接続環境を整えたりサービス料などを支払えば、比較的安易に利用できる利便性の高いサービスと言えるのです。では一体、Azureでは具体的にどのようなサービスを提供しているのかみていきましよう。

サービスについて

Azureを提供しているMicrosoft社の公式サイトを見てみると、世界規模の巨大なネットワーク上で、お気に入りのツールやフレームワークを使って自在にアプリケーションを構築、管理、デプロイすることができる、というような内容が掲載されています。分かりやすく多少かみ砕いた表現にしたのですが、入門としてはとっつきにくいですね。つまり、簡潔にまとめると世界規模で継続的なシステムを実現している、大規模なクラウドサービスというわけです。一体どのようなプラットフォームが用意されているかというと、大きく分けて4つの内容に分かれています。ここでは入門として、システム詳細というよりは魅力的な部分を挙げていきます。

※デプロイ(deploy):英語の意味は展開する、配置する。システム開発においては、プログラムを動かせる状態にすること。

継続的なイノベーション

自然なコミュニケーションをとることが可能なAIを活用しながら、発展していくシステムが存在しています。コスト効率に優れ、データを分析情報に変える際には、高速のパフォーマンス、セキュリティ、スピードを実現します。また、広範なIoTエコシステムにより、埋め込みコードを書くことなくIoTデバイスをクラウドに接続することができます。

ビルドの選択肢の豊富さ

好きな方法でビルドし、好きな場所へのデプロイができます。また、好きな言語とプラットフォームでアプリケーションを管理することが可能になります。あらゆる種類のアプリケーションに対応するためにSQL、Postgres、MySQLデータベースを無制限規模で提供する唯一のクラウドです。さらに、Azureでは様々なスキルレベルに合わせてユーザーのニーズを満たす機械学習のモデルやツールが提供されます。

多彩なハイブリッド環境

オンプレミス、クラウド、エッジのどれにも対応できるハイブリッド環境を有しています。単一のIDプラットフォーム(世界中の90%のエンタープライズから信頼される) によってアクセスを簡易にし、異なる環境間でもセキュリティを強化しています。クラウド規模のセキュリティ保護やデータベースの一貫性も実現します。

信頼のおけるセキュリティ

Azureの基盤となる物理的に多層で、徹底したセキュリティが存在します。サイバーセキュリティエキスパートが監視し、保護も行っています。また、Microsoft の長年にわたるセキュリティ経験から得られたクラウドの大規模なインテリジェンスを利用していることも魅力的です。

メリットについて

Azureを他のクラウドプロバイダーと比較した際、データセンター設置地域が多いことが目を引きます。このデータセンター設置地域の多さこそが、世界規模での展開を可能にしているわけです。また、Microsoft社は、明確なセキュリティやプライバシーの要件を定義しながらも、確実に遵守し続け業界をリードしていることが強みです。

Azureで解決!企業が抱える課題ついて

以上の通り、Azureには様々な魅力的な点が沢山ある事が分かりました。でも魅力的なクラウドサービスっていう事は理解したけど、具体的にどういう時に役立つのかってあまり想像出来ない、、という方も多いのではないでしょうか。そこで次は企業が抱えている課題の具体例を3つ挙げて、Azureを紹介していきます。

[課題1、サーバーの設置場所の確保・管理が大変]

自社で社内のシステムを開発もしくは運用管理する場合、社内のサーバールームを確保し、サーバーを購入から開発・運用の環境をゼロから構築する必要があります。※余談ですが、このように、社内に置かれた物理的サーバーの事を「オンプレミス」と言います。

この社内サーバーの運用管理には、専任の管理者が必要となり、サーバー管理者の仕事は多岐に渡ります。例えば、ウィルス対策や社内の問合せ対応、老朽化したサーバーの買い換えなど、たくさんの仕事があります。つまり、ゼロからシステムを構築するには膨大な時間とコストがかかってしまいます。

[Azureで解決できる事]

Azureはクラウドサービスのため、物理的なサーバーを置くスペースやそもそもサーバールームの設置が不要になります。また、ネットワークのアップデートのメンテナンスやセキュリティ対策のアップデートはAzureのクラウドが担ってくれます。そのため、運用管理者の負担も大幅に軽減する事が出来ます。

[課題2、データベースの容量不足]

企業が成長しファイルの保存や顧客データが増えると、新しい機器を購入する必要性が出てきます。その場合、社内システムを構築している会社に連絡し、新しいサーバーの購入やデータベースの拡張をしなければならなく、コストや時間が大幅にかかってしまいます。

[Azureで解決できる事]

Azureは知ってのとおり、仮想化という技術が基盤です。そのため、インターネットを通じてストレージやデータベースの容量を増やすなど、ユーザに合ったリソースの増減が可能です。また使用しなくなった仮想マシンは停止し、利用した分だけを支払う「従量課金制」が採用されています。これらの事から、コストを必要最低限で抑える事が出来ます。

[課題3、サイバー攻撃、自然災害によるセキュリティ問題]

新型コロナウィルスの影響でテレワーク・在宅勤務が推進される今、自宅で会社のネットワークに接続して、仕事をする方が増えました。この時セキュリティ面の問題はとても重要になっています。例えば、自宅のネット環境がウィルスに感染していた場合、それに気付かないまま、会社のネットワークに繋げると、データの改ざんや社外秘のファイルが盗まれるといった危険性も十分考えられます。また、日本は地震や台風など様々な自然災害を受けやすい国でもあります。

例で言うと、2019年の台風15号や19号では、各地で猛烈な雨・風を受け河川の氾濫、土砂崩れなどによる水没・損壊した建物が多く見受けられました。そんな建物内で貴重な情報資源が失われ、復元できない場合もあります。企業の経営者や情報部門の責任者にとって、こういったセキュリティ問題を事業戦略とて考慮し、災害時の早期復旧や、あらゆる脅威の中で事業を継続すること(=BCP:Business Continuity Planning)が重要課題となっています。

[Azureで解決できる事]

Azureは多重構造のセキュリティによってデータを守っています。技術的に保護するだけでなく、全世界において3,500名以上のサイバーセキュリティの専門家のチームがビジネス資産とデータを守るために常に監視と対策を行っています。また、バックアップも多重化され、日本では東日本と西日本のデータセンターでそれぞれ3つにデータをコピーして備える事も可能です。そのため、東日本のデータが失われたとしても、西日本のバックアップデータを利用して事業を継続する事が出来ます。

クラウドサービスの利用形態について

Azure=クラウドサービスである事がご理解頂けましたでしょうか。「クラウド」で表す意味の範囲はとても広く、クラウドサービスの利用形態によって分類した用語が使用されています。それが、「SaaS」「PaaS」「IaaS」に当たります。それでは「SaaS」「PaaS」「IaaS」とはどのようなものなのかを説明していきます。

SaaSについて

SaaSとは、「Software as a Service」の頭文字を取った言葉で”サース”と読みます。これまでパッケージ商品として提供していたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供・利用する形態の事を言います。SaaSはデータをインターネット上に保存する事が出来る・端末を選ばずにアクセスする事が出来るといった特徴があります。SaaSの代表的なサービスとして、GmailやSalesforceなどが挙げられます。

PaaSについて

PaaSとは「Platform as a Service」の頭文字を取った言葉で”パース”と読みます。これはアプリケーションソフトが稼働するためのOSやハードディスクなどのプラットフォーム一式を、インターネット上のサービスとして提供する形態の事を言います。開発者は、あるシステム設計に沿った方法でアプリケーションを開発する事が出来るため、コストを抑えかつ早くシステム開発を行う事が可能になります。PaaSの代表的なサービスが、今回記事で取り上げたMicrosoft Azureであり、他にもGoogle App Engineもその一つです。

IaaSについて

IaaSとは「Infrastructure as a Service」の頭文字を取った言葉で”イアース”と読みます。情報システムの稼働に必要な仮想サーバーを始めとした機材やネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態のことを言います。サーバーを利用する際に、必要なハードウェアのスペックやOSを、ユーザが自分で自由に選定して利用する事が出来ます。IaaSは、3つのサービスの中でも一番自由度が高く、自由にアプリケーションやプラットフォームを作成できる事が特徴です。代表的なサービスとして、Google EngineやAmazon Elastic Compute Cloudが挙げられます。

まとめ

入門編いかがでしたでしょうか。Azureについて、多少なりとも理解頂けると嬉しいです。ここまで紹介してきた内容は、あくまでも入門の範囲内です。メリットやデメリットを始め、どのような時に必要としているのか、自分の使い方に合っているのかは人それぞれです。また、今後Azureの知識だけでなくそれに関連するIT用語の知識の習得も必要となってくるでしょう。深く知りたい方は、より選択の幅を拡げるために他の入門編やAzureの詳細なシステムについて検索してみることを強くおすすめします。また、Azureの使用方法をまとめているサイトは多数存在しますので、実際に使用してみたいと考えているようでしたら、そちらを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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